アルバート氏の人生 [DVD]

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監督 : ロドリゴ・ガルシア 
出演 : グレン・クローズ  ジャネット・マクティア  ミア・ワシコウスカ  アーロン・ジョンソン  ジョナサン・リス・マイヤーズ 
  • トランスフォーマー (2013年8月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4522178009945

アルバート氏の人生 [DVD]の感想・レビュー・書評

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  • 彼女の不幸な生い立ち、暗い過去が少なからずも今の彼女を形成している。
    それから女性軽視の時代。生き辛さがあっても、たとえ男装という仮面をかぶっての日々であっても自分の夢を持っていたことは強みだった筈なのに…。
    恋は盲目では済まされない、、小さな箱庭の世界で規律正しくは生きられても刺激ある外の世界(人)とのことは思い描くようにはいかないものだ。
    しなやかに。例え、細く頼りない枝でも折れなければ、いつかはその先に芽吹き花をつけられただろうに。切ない。

  • 主人公のアルバートは女性であることを隠してホテルでウェイターとして働いている。19世紀のダブリンで孤児である女性が働くためには男性として生きるしかなかった。

    アルバートの男装がばれないか、好きな女性が振り向いてくれない、ダメな男と付き合って堕落していくことなど、ハラハラ感が絶妙にストーリーに寄り添っていくので、物語に惹きこまれていく。

    唯一わかりずらいのが、アルバートが女性が好きであるということの説明が直接的にされないまま、同僚のメイドである女性に求愛していく部分だろう。映画の中で好きな女性に対する想いの描写が切実感を持って描かれるとより、主人公の気持ちに同化できると思う。

    ただ、ある意味、女性が女性を好きということをドラマチックに描くこと自体がナンセンスなのかも知れない。異性を愛することと同性を愛することが同等であるという社会であれば、この映画の描写で問題ないのかもしれない。

    原作が舞台であるということも関係があるのだろう。舞台は観客たちが、演じられる世界の常識を、短い時間の演技の中に見つけ出し、劇場の空間内で共有する。男性として働いている女性が偶然出会うことなども現実的にはあり得ないが、物語の世界を理解できればすんなり受け入れられるだろうし、女性が女性に求愛することも、そういうことなんだなと、観客はすぐに察することができる。

    ホテルの仮装パーティーでのドクターの発言に象徴されるように、皆、多かれ少なかれ、何かを演じている。アルバートだけが特殊なのではない。
    同様に女性を隠して生きている男性との交流により、アルバートは自分に素直になり、自分の夢を実現する、その希望を持てるようになることが、この映画の魅力。

    ただ、その意味でラストは残念だった。物語のダイナミズム的にはこのようなストーリー展開はある意味王道だと思うけど、夢を成し遂げて、ハッピーエンドという超肯定的な話だったらよかったのになと思う。

    登場人物としては、女性を隠して男性として働いているペンキ職人ヒューバートが魅力的。
    共感力、包容力もありつつ、リーダーシップ決断力もある人生を生き抜く女性。悩める主人公の精神の礎。
    こんな人が実際にいたらどれだけ人生豊かになることか。

    この人物が魅力的なだけに、どうして、主人公はこの人に恋しないで、メイドの若いかわいい女性に恋をしてしまうのかなと思ってしまう。
    ただ、恋愛ごとって理屈ではないからね。

    女優のグレン・クローズの演技、気迫が伝わる映画でもあった。ドレスを着て街へ出る部分の、似合わなさのリアリティ表現など。

  • 19世紀のアイルランド。
    長年モリソンズホテルで働くアルバート氏は常連客からの信頼も厚いベテランのウェイター。
    しかも、私生活では人付き合いをさけて固い殻に綴じ込もった孤独な生活を送っていたのです。
    なぜならアルバート氏は女性だったのです。ある日、自分らしく生きるヒューバードと出会い自分を偽り続けてきた彼女の心に大きな変化が訪れます。
    一人で生計を立てるために男性として生きざるを得なかった孤独な女性の苦悩と哀しみを切ないタッチで綴った作品です。
    グレン・グロースがかつてオフ・ブロードウェイで主演した舞台を自ら映画化した感動のドラマです。
    ロドリゴ・ガルシア監督の素敵な映画で最後まで楽しんで観ることが出来た映画でした。

  • 観終わったときは主人公の人生についてドクターと同じような切ない気持ちになったのだけれど、あのまま夢は夢のままであったほうが逆に幸せだったかもしれないと思えてきた。
    それぐらい夢について想像するときの表情がとても魅力的。

    またヘレンは男女の愛情とは別の気持ちでアルバート氏に惹かれていたのかなとか、ペンキ屋と妻との関係もこんなところから始まったのかもしれないなとか、とにかく観終わってからもいろいろ想像させられる映画だった。おもしろかった。

    いちばん印象に残ったのはドレスを着て海に行くシーン。
    女装にしかみえない…

  • グレン・クローズの熱演。配役もぴったり。
    地味だが良作。

  •  19世紀のロンドンで男性として生きたウェイターの女性を描く。

     男装は止むに止まれずだが、恋愛対象が女性なのは自分の意思の様子。まだ同性愛という言葉がなかった頃の同性愛者を描いた映画。なんともせつない。
     前半がちょっとストーリーの進みが遅かったか。ヒロインのウェイターは随分魅力的だと思ったら『アリス・イン・ワンダーランド 』のアリスの人か。
     

  • 映画天国にて。
    アルバート氏の規則正しく清潔な感じが好感がもてた。
    もっと幸せに生きられたら。時代のせいだね。
    面白かった。

  • 「映画天国」のLGBT特集にて。仕事を得るために男装して、執事として働き続けた女性の話。グレン・クロースの演技が凄く、見所はほぼそれに尽きます。

    文字通り自分で自分を抑圧して生きてきた彼女が、老年になってようやく自己を解放する勇気を持ったわけですが、うまく行かない。思いを寄せた若いメイド(ミア・ワシコウスカ)にはつれなくされ、独立開業の夢の実現を目の前にしながら、不意に生涯を閉じる。かなりほろ苦い話です。

  • 男にしか見えなかったアルバート。
    しかし海辺を駆けるシーン、解き放たれた彼は「少女」のようだった。
    アルバートはレズビアンなのか、トランスジェンダーなのか、はたまたクエスチョニングなのかは、作中で明らかになっていない。
    ただ「男」にならなければ生きていけなかった時代(現代日本以上に)。
    性別という概念だけでは説明のつかない、世間と運命に翻弄されたひとりの人間の哀しい物語だった。

    個人的感想。
    ペイジが物凄くかっこいい。
    上背があるぶん、アルバートよりも男らしく見えていたのだが…
    ペイジの自宅でアルバートが出自を語るシーン、アルバートがぽつりぽつりと吐き出す言葉に静かに耳を傾けるペイジの、あの表情。
    母のような、慈愛に満ちた存在に見えた。
    あと、結局ヘレンも掻っ攫っていく(と思わせる描写が)あたり、ペイジやるなぁと(笑)
    勿論、ペイジはアルバートの意志を継いでヘレンを匿おうとしてるんでしょうけれども。
    彼にはキャスリーンが全てだったようですしね。
    やることがイケメンなんだよなぁ。

    というわけで、報われなさや物悲しさのある話でしたが、私はとても好きでした。
    性別ってなんだろうなと、天井を眺めながら考えこんでしまうくらい、余韻の残る映画。
    あとはやっぱり、グレン&ジャネットの演技が◎。

  • 余韻が残るというか、あとに引く映画...というより後に引きずる、の方が近いかもしれない。

    いろんなことが整理できず、また新たな意味を思ったり、分からなかったり。。
    最後の終わり方も、あまりにあっけない。すっ、と風がカーテンを揺らす、ただそれだけかのように去ってしまった。

    グレン・クローズはこの脚本を30年あたため、人を集め、そして自ら演じたらしい。
    それだけの歳月をかけ、演じた主役がこの幕引なのかと思うと、グレン・クローズは一体どんな人なのだろう。

    アルバートが男装の身繕いしているときの違和感(回りは騙せても自分は女性であることを知っているから?)、
    ドレスで海辺を歩くときの違和感(端から見れば普通かもしれないがもう女としては生きていけないことを自分は知っているから?)

    色々なシーンがなかなか頭を通りすぎてくれない感じ。

    でもドレスで思わず走り出してしまうアルバート氏の笑顔と、馬車の上で、お店を開く自分を想像したときの笑顔のなんと幸せそうなことか!

    明るさや希望のほとんどない物語のなかで、あのアルバート氏の笑顔とヒューバートの幸せな家庭だけが偽りなく、輝きを放っていたように思う。

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