スノーピアサー [DVD]

監督 : ポン・ジュノ 
出演 : クリス・エヴァンス  ソン・ガンホ  ティルダ・スウィントン  オクタヴィア・スペンサー  ジェイミー・ベル  エド・ハリス 
  • KADOKAWA / 角川書店
3.01
  • (9)
  • (46)
  • (60)
  • (42)
  • (10)
本棚登録 : 343
感想 : 74
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988111245885

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ネットで視聴(英語字幕)

    原題:Snowpiercer

    韓国人監督の作品だが、アメリカ映画かと思って見ていた。

    主要な登場人物に珍しく韓国人がいるなと思ったぐらいで、それぐらい自然な感じの英語圏の作品になっている。

    最後まで次の展開の予想がつかない、ハラハラドキドキの連続。
    いい映画でした。

    二度目は、一度目の驚きはなくなったけれども、十分見ごたえあり。

    こういう骨太の作品は、なかなか日本の監督では作れないように思うが、どうでしょうか。

    ところどころ破綻しているというか、無理なところもあるにはあるが、そういうことを気にしない強引さ、ある種の鈍感さというのは、エネルギッシュな創作力と表裏の関係にあるものだと思うので、少なくともこの監督の中には、そういう欲求が満ち溢れているに違いない。

    ティルダ・スウィントンは、コンスタンティンで天使ガブリエル、ナルニア国物語では白い魔女を演じていた女優。
    ここではメイソン総理を怪演して強烈な存在感を発揮している。

    映画のタイトルは「雪を貫くもの」という意味。
    韓国では、「雪国列車」というタイトルだったらしい。
    それもなかなか風情があってオツなネーミングではないかと思ったが、日本でやると川端康成になってしまうか。

  • 途中でソンガンホが出てくるまでコリアエンタメだと気付かず。特に韓国にフューチャーする訳でもなく普通に最後まで映画してた。面白かったというより最後尾から先頭まで順にどうなるんだろうと期待しながら集中して観てたような。温暖化対策によって極端に寒くなっちゃった環境から生き残る術の方舟が線路を走る列車というのがちょっと無理クリ感があって笑えるけどちゃんと世界に披露できるエンタメになってた2013年作品。

  • 極私的ポン・ジュノ映画祭4作目。
    おそらく元からポン・ジュノを追っていた視聴者は、あーポン・ジュノもハリウッドに打って出てこんなふうになるのかー、と期待半分がっかり半分の感情を抱いただろう。
    が、「パラサイト半地下の家族」で元のバジェットに戻ったポン・ジュノが入門になった私にとっては、変な言い回しだが「よき浮気」という感じがする。

    ポン・ジュノの作家性は、単純な構図が語るテーマと、饒舌なディテールが生み出す面白みの、どちらもが結び合いつつ成功していることが作家性だと、これは何度でも自分に対して備忘録として書き残しておきたい。
    そして構図は水平と上下、貧富、持つ者持たざる者、といった意味を孕み、さらにカメラワークと連想している。テーマと手法のマリアージュ。
    本作では思い切って、だか、原作に準じて、だか、水平というか連続する車両の連なりに、上下感覚を置き換えている。
    最下層民が前へ前へ進むにつれて、インフラから娯楽へと車両ごとの性格が、生存から娯楽へとグラデーションしていく……このディテールは、見返しつつメモをすればするほど面白く感じられるだろうよ>未来の自分へ。
    また未来の自分への備忘録をネットの海に放流してみるならば、……お前は以前から見た目や能力値や社会的階層やを、連なるバスの群れに例えて、または生まれ変わった回数という数に置き換えて、僕と彼女は同じ車両に乗っていると言ったり、999車両のうち彼女は前から100両目だけど僕は612両目だからてんでだめ、とか冗談半分に考えていたが、さて本作を見てその思考実験というほどもない思考実験は、どう変わるのかな……と。

    役者について言えば、ソン・ガンホ先輩とコ・アソンが「グエムル」に続いて再度父娘の関係性を演じるのが嬉しい。
    さらに「グエムル」ではやや優等生っぽかったコ・アソンが、本作では父と同じくドラッグに依存している姿が微笑ましい。
    また主演のクリス・エヴァンスは優等生的で面白みに欠けるが、ソン・ガンホとコ・アソンはもちろん、それ以外のティルダ・スウィントンやエド・ハリスらは主役を食いそうな演技を披露。
    彼らのキャラクターは、世界観も相俟って、たとえばジャン=ピエール・ジュネやギレルモ・デル・トロやを思い出すが、……たぶん同時代で、似た文化的経験を経て、そう遠くない文化観を培った人が、同じくそう遠くない動機に基づいて作り上げたキャラクターや話が、似ないはずがないのだ、むしろ。
    こうしてポン・ジュノを見ることでお隣さんの歴史を知ったり、肌感覚を得たり、連想を遠くに飛ばしたりして、いい映画体験をしている、と思う。

    追記。
    Podcast番組「営農とサブカル」で本作の閉鎖系の食料事情やSDGsについて。

  • 面白かったです。
    世界観がたいへん好みです。温暖化を解消するために撒いた薬のせいで冷えすぎて氷河期状態になって滅亡した地球で(ちょっとここ、程度を…とつっこんだけど……)、永久機関と自給自足システムを搭載した列車に乗り込んだことで生き残ってる人たち。列車のそれぞれの車両も、水槽とかで素敵なところも。凍りついてる都市はCGがんばりましょうと思いましたが。
    列車内での階級差別がエグい。しかしありそう。支配者側から日本語が時々聞こえてくるのがなんとも。。
    虐げられている最後尾の車両の人々が反乱を起こすのですが、それも全て仕組まれていたこと、というのがブラックでした。カーティスが慕ってたお爺さんまで、列車の設計者・ウィルフォードと繋がっていたとか。
    永久機関と言いつつ、結局人力か!みたいなところも救いが無くて良かったです。でもこれで、お前が神になれと言われてたカーティスは我に返って…そしてカタルシス。
    救いがあるようでこれからもかなり過酷ですというラストも好きでした。

    ソン・ガンホさんとコ・アソンさんが父娘役で出演されてて『グエムル』大好きなので堪らなく嬉しかったです。アソンさんは目が強くていい。アソンさんの謎能力も。
    ソン・ガンホさんは今回のビジュアルが好きかも…くたびれたかっこよさ。くたびれてても冷静で素敵でした。
    ティルダ・スウィントンさん、小者で醜悪で良かったなぁ…
    俳優さんたち巧みでした。

    誰もが少しずつ狂ってる気がして。20年近く閉鎖空間にいるとああなるのかも。
    とりあえず、しばらく羊羮食べられない。あのシーンはカーティスと同じ顔になりました。。
    綾辻行人さんが「ポンジュノは『スノーピアサー』」とおっしゃってて観たのですが観て良かったです。

  • 設定は面白かったし画面作りとか見所も多かったけれども、突っ込み所がそれを上回っていたのでそこを受け流して面白かったところだけ評価できるかどうか。
    キャラクターもよかったんだけどなあ。
    中でもミンスがかっこよかった。
    でも突っ込み所が気になったね……。

    しかしこういう設定の内容で「手を見せろ」はやっぱり、そういうこと、なのね……。

  • SF世界観としてはとても面白い。
    人類がほとんど絶滅して、生き残りたちは列車という閉鎖空間で激しい格差社会の中で暮らしている。

    主人公が何故か死なないのは寓話だと割り切って観るにしても、ところどころ「?」なところが多かったので入り込めなかった。

  •  極度に寒冷化した近未来。人類は走り続ける列車「スノーピアサー」の中にのみ生存していた。厳しい階層社会のスノーピアサーの中で最後尾車両の貧民達が反乱を起こす。
     
     無理があるだろうとも思うけど、この世界観は見事。一台の列車で階層社会をつくりあげたのはすごい。前の車両に行く程に驚かされる。
     近年の韓国映画によく見られるゴツゴツした暴力とハードなストーリー展開がそこに加わっていて、いい味を出している。
     子どもしか生き残らないラストもいい感じ。

     日本映画でもこういう作品つくれないだろうか。。。 

  • 韓・米・仏合作。
    監督は韓国人のポン・ジュノ。
    グエムルなんかの監督ですね。

    同じグムエルからソン・ガンホとコ・アソンも出演してます。
    ソン・ガンホ久々に見たけどいいわぁ。

    で、韓国映画をそんな見たわけじゃないんですけど、
    なんすかね、演出が「オールドボーイ」っぽい気がしましたねー。

    トンカチとか持って狭い通路で乱闘するあたりと、
    主人公が真実を知って慟哭する様の演技プランあたりが似てただけかもしれませんが。

    世界観はいきなりくだらなくて笑っちゃいました。
    2014年7月。
    地球温暖化を止めようと思って、なんか薬を散布したら
    冷えすぎちゃって地球が氷河期に。
    人類滅亡しちゃいました、ってアホですか。

    ただ、そんな中、唯一生き延びた人たちがいたのです。

    それは完全なる自給自足システムと永久機関を備えた地球上を走り回る超豪華列車。

    時は2031年。
    主人公はその最後尾に住む男、カーティス。
    劣悪な環境で、供給される謎のゼリー状のプロテインだけを食って暮らしていた。

    ある日、この列車の大統領、メイソンが
    この列車の製作者で、列車を支配しているウィルフォードのため、
    最後尾から小さな子供を2名徴収していく。

    それをきっかけに、カーティスをはじめ、最後尾に押し込められた人達が
    地球が氷漬けになってから何度目かの革命に挑む。

    …つーことでね。狭く長い列車の中を、工具を武器に闘いながら
    列車の先頭を目指してどんどん進んでいく、というのが大筋。

    この様がなかなか熱くてね。

    敵もこれまでの数度の革命騒ぎのせいで、銃には弾が入ってなかったり、
    途中、兵士たちが暗視スコープを装着したので何かとおもったら、長いトンネルに突入。
    電気を消されて大変!
    しかしそこに列車奥から松明を持った援軍が!

    兵士以外の乗客は全く危機感が無く、革命軍が通過するのをぼーっと見てたり。
    闘いの様も、客車のビジュアルもどんどん変わって行って非常に面白い。

    両軍に戦闘に特化(革命軍側は野生児っぽい、列車軍は殺し屋っぽい)した
    キャラが居るかと思えば、子供をさらわれたおっかさんも頑張るし、
    前の方で金持ちの子供を洗脳教育している妊婦先生もマシンガン乱射しちゃって滅茶苦茶。
    (弾実は残ってました、って…最後尾付近の兵士は捨て駒だったんだな)

    ソン・ガンホはヤク中がたたって逮捕され、
    列車内の引出しにしまいこまれていた男。
    元技師ということで、ドラッグを餌に列車間のドアを開けるのを協力するおっさんです。
    コ・アソンはその娘。

    途中まで糞ババァの大統領が超ムカついていたんだけど、
    これがどう見ても久本マサミでね。
    しかし、途中カーティスにとらえられてからは
    もう自分だけ助けての小役人気質丸出しで。

    こんなベタキャラ、香港コメディかワハハ本舗でしか出てこないわ。

    しかし、まぁ全体的には「舞台列車だけかー」と思っていたのを覆すだけの広がりがあり、
    世界観も壮大でなかなか悪くなかったですよ。

    ただ、所々さっきの久本とか、列車の先頭でエラそうにしてるおっさんが
    ステーキ食いながら「最後は人力だよキミー」とか、ちょっと人物造形が幼いというか、
    あんま真面目にみちゃうとアホくせ、っていいたくなる点が多々ありますけどね。

  • ハリウッド映画にしては表現がところどころアジア的・・と思ったら韓国映画。でもそのじめっとした感じが、CGの非現実感をうまく現実に引き戻してくれている。
    いろいろ批判もあるようだが、私はこの映画のように、様々な伏線をキッチリと処理する映画が好きだ。
    ラストの持っていき方もいい。閉鎖的な空間で反逆者として立ち向かった主人公が、突如神扱いされた時の戸惑いと空虚さ。だが探し続けた子供の悲壮な姿を見つけた時、妄言を振り切り我に帰る様子。ソン・ガンホもやっぱりいい。エド・ハリスも相変わらずクールだ。

  • 何かのゲームをしながら一両づつ
    物語を進めていってる気分だった
    手元にコントローラー持ってる感じ
    (ゲームは全くやりませんが)

    もう結末もどうでもいいや
    1人ゲームオーバー気分だったけど
    ソン・ガンホ親子がなかなか良くてね
    (グエムルでも親子役だったよね)
    ついつい引き込まれて
    カーティスの最後尾での
    凄まじい生き残りのための打明け話に
    やっと盛り上がってきたぞーと
    ワクワクしたのもつかの間
    ドカーンと爆発してはい終了
    なにこれ、ミストみたい

    つっこみどころも満載だし
    駄作と言ってもいいんじゃないかしら

    シロクマよ
    お前はどうやって18年間生きのびたのよ



    【スノーピアサー 】予告編
    http://youtu.be/lmfHTauI-vI

  • 設定は非常に面白くて前方の車両一両一両が
    どうなっているのか興味を湧かせますね。だけど実際は前へ行くほど詰まんなかったのが少し残念…脇を固める役者さん達が凄すぎてクリス君では影が薄すぎましたね…ティルダ凄いですねぇあの嫌味な存在感、ソンガンホは大好きな役者さんですが今回も圧倒的な威圧感と憎めなさや狡猾さを旨く演じてましたね~とてもよかったです。エドハリスはおまけかな…ジョンハートは役になりきってて文句のつけようがありません。全体としては落ちが弱い…ジュノ監督もう少し期待してたんですけど…次回作待ってます。

  • 韓国のジャンキー親子と、作り物みたいな雪景色がかっこよかった。

  • 地球温暖化を防ぐために、
    世界中に散布された薬品により、
    世界が氷河期になってしまった2031年。
    そんな氷の世界を走り続ける一台の列車。

    列車の車両前方には、富裕層、選ばれた人間たちが、
    氷河期以前と同じ暮らしをしている。
    車両後方には、窓のない暗く狭い空間に押し込められた
    奴隷のように扱われる被支配層。

    そんな車両後方の彼らは、反乱を起こすべく時を待ち、
    車両前方へ進もうと彼らは動き出す。


    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ただの暴力映画かと思い観続けていたら、

    ケムトレイル、
    人口削減、
    給水セクション、
    反乱のリーダー的存在だったカーティスが、
    自分のこの行動すべて、列車内の体制を維持するために
    利用されていたにすぎなかったと知るラスト。

    列車内は、この世界の縮図。

    そうであるからこそ、この執拗な暴力の先には
    希望はないのだと気付く。

  • なかなか見るの辛かった。パラサイトとはかなり違って、けどテーマ性の強さとか、他にない作品ではあった。

  • ポン・ジュノ監督による「氷河期」をテーマにしたディストピア映画。「列車」という舞台だけを使って物語を進行していくスタイルはなかなか良かった。後の「パラサイト 半地下の家族」に通ずるような生々しい描写も緊迫感があった。

  • 意外といっては失礼だけど、面白かった。
    簡単に言ってしまえば列車ものの生き残りをかけた大スペクタルもの。
    ポン・ジュノ監督の常連役者、ソン・ガンホ が(2013年ってことは約10年前)若くて長髪で一瞬、豊原功補はと思っちゃたよ。
    エド・ハリスは珍しく悪役、最後のあの爆発で主役のカーティス(クリス・エヴァンス)もナム(ソン・ガンホ)も死んじゃうのね。
    あとギリアム(ジョン・ハート)が実は列車の要エンジンを管理している最高峰のウィルフォード(エド・ハリス)と通じてたのは驚きだった。
    赤ん坊を食べるなら自分の腕を食べろと’腕を差し出した人格者だったのに。
    ラストの意味はシロクマが生息してるってことは、氷河期から徐々に脱出していってる兆しと捉えた。

    Snowpiercer 2013年 126分
    監督 : ポン・ジュノ
    出演 : クリス・エヴァンス ソン・ガンホ ティルダ・スウィントン オクタヴィア・スペンサー ジェイミー・ベル エド・ハリス

  • GYAOで視聴。
    ポン・ジュノが欧米キャストで撮るとこういう映画になるんだなあ。設定や展開に無理があり過ぎる箇所が少なからず気になったが、プロットは流石だなあ。俳優陣も新旧あわせて面白い顔ぶれ。ポン・ジュノの真骨頂ではないが、これはこれで面白かった。

  • ポン・ジュノ監督作品なのでネトフリで放映中のドラマと並行して観てみる。こちらは予算10分の1いやそれ以下かな?ただシンプルで面白かった。
    ソンガンホはいい仕事してるし主人公がキャプテンアメリカなのも良い。ドラマ版もこの位イケメンを主人公にして欲しかった。

  •  背景や場所がどこなのか、状況がどうなっているのかということは、途中で明かされた。走り続けるという設定もすごいし、それを可能にした人物や、それを可能にしているシステムや、それに文字どおり乗っかっている人びと、などなど。描かれているのは格差社会で、それを走り続ける列車の車両の並び順で見せる仕組みが面白いと思った。

     ほぼ冒頭からずっと散らされていく謎の数かずは、解かれるものもあるし、謎のままのものもある。王道的なからくりもあれば、本当に驚かされたものもあった。その設定は必要なのか? と、時に考え込んでしまうほど、謎とグロは過剰すぎるほどに過剰で、それが魅力にもなっているのだろうと思う。

     話が進むにつれ、見どころは少しずつずれていく感覚があった。主人公中心の後方車両から、前へ前へと進むにつれて、車両ごとに異なる文化が展開しており、そこに乱入してくるものもあり。それにつれて、気持ちは発散させられたり、脅えたり、うんざりしたり、エキサイティングしたり。詰め込まれているエピソード等が過剰な分、観ているときの印象も雑多入り乱れて大変でした。

  • めちゃくちゃ良い!
    ポン・ジュノのメッセージがまるまる詰まった作品。

全74件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

1969年生まれ。映画監督。2019年『パラサイト 半地下の家族』がカンヌ国際映画祭でパルム・ドール、アカデミー賞で作品賞を含む4部門受賞。監督作品に『ほえる犬は噛まない』『母なる証明』ほか。

「2021年 『ポン・ジュノ映画術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×