私という運命について (角川文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 白石一文の初作品。
    今まで読んだ作品の主人公は男だったのに、最初は女だったのね。

    タイトルにある通り、節目節目で「運命」って言葉を意識する感じ。(特に結婚に関して)
    どんどん結婚適齢期からすぎていく女性の姿を男目線でかかれていることに違和感を感じる人もいるのかな。
    まぁ僕も男主人公のひねくれた感じのほうが好き。

  • 一人の女性の29歳〜40歳の恋愛、結婚、出産、死別が書かれた小説。東京堂書店の Paper Back Cafe で見つけた作品。どうやら永作博美主演でドラマ化されるらしい。

    プロポーズを断ったり、結婚すると決めた人と別れたり、義理妹の死や、旦那との死別、出産など様々な体験を通して、女としての生き方、運命というものを考える本。

    白石一文氏の小説は初めて。本を読んだあと作者が男性と分かり、ちょっとびっくり。女性が社会で生きていく上で、何のために生きるのかということを何度も迷い悩みながら年を重ねていく様は、女性ならではの思考だったので、男性がこのような女性心理を想像できるとは思わなかった。特に、結婚するかしないかではなく、出産するかしないかで女性としての勝ち負けを判別する考えは、全くその通りだと思い感心してしまった。

    しかし、もう一方で、たしかに作者は男性だと思う点も2つある。ひとつは、結局、主人公が勝ち組であるということ。負け組っぽいのに勝ち組にしてしまい、負け組でも強く生きていく様を書いた小説ではないこと。勝ち組の話は鼻につく。もう1点は理論的すぎること。女性は、親兄弟、パートナーや友人知人達との繋がりをこんな理論的な思考で、運命と結びつけて考えない。運命に対しては、思考でなく感覚で理解していることを、男性は分からないのかもしれない。

著者プロフィール

1958年、福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。文藝春秋に勤務していた2000年、『一瞬の光』を刊行。各紙誌で絶賛され、鮮烈なデビューを飾る。09年『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で山本周五郎賞を、翌10年には『ほかならぬ人へ』で直木賞を受賞。巧みなストーリーテリングと生きる意味を真摯に問いかける思索的な作風で、現代日本文学シーンにおいて唯一無二の存在感を放っている。『不自由な心』『すぐそばの彼方』『私という運命について』など著作多数。

「2023年 『松雪先生は空を飛んだ 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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