月魚 (角川文庫) [Kindle]

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  • KADOKAWA
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感想・レビュー・書評

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  • 古書店「無窮堂」の主・本田真志喜と幼馴染みの卸専門の古本屋・瀬名垣太一。

    深い感情で結ばれた2人。

    2人の関係がブロマンス(友情)なのかラブロマンス(恋情)なのか判別がつかなかった。

  • 古書店の跡継ぎと、古書の卸を手がける二人の青年。幼馴染みの彼らには、子供の頃のように無邪気に交流できない理由があった――。

    古書の買い取り出張をきっかけに二人の過去が明かされていく構成だが、『風が強く吹いている』と同様に先が読めてしまう。またキャラの心情を全て語らせたいタイプの作家さんのようで、会話が冗長に感じる箇所もあった。

  • 古本屋さんかぁ。学生時代にはよく行ったのに、最近はあまり見かけなくなったような? 古本屋さんのある街に住んでいないということか……。
    あの独特の雰囲気がいいのにね。

  • 老舗古書店の跡継ぎ真志喜(ましき)と、流れ者の「せどり」の息子である瀬名垣(せながき)の2人の青年。子供の頃の出来事によって互いに触れることのできない微妙なトラウマを抱えながらも互いに人間として惹かれ合う2人が、わかり合って行くための物語。

    景色が浮かんでくるきれいな表現と、2人の間の関係の微妙な駆け引き。「まほろ駅前多田便利軒」を先に読んでいた私が思ったのは、この人は男性2人の寄り掛かり過ぎない絶妙な友情と愛情を書くのが上手いんだな、と思った。


    が、この本では、明らかにBL展開を想像させるような記述があったのがちょっと…(私はBLはどーも苦手)。二次作品がきっとたくさん作られているんだろうなぁ…と思うと、うーん、苦手かも…と。

    文章とストーリーはとても良かったけれど、BL風味が加味されていたところでマイナス。もしも続きがあったとしても読まないなぁ。

  • 真志喜と瀬名垣のストーリー。20代半ばの男性でこその語りで、古書店というニッチな設定。父親が戯画的に描かれ、母親が登場しない。狭い世界で展開はそれはそれで面白いけれど、広い世界につながっていかない印象が残った。月魚で可能性は感じたけれども。

    「ののはな通信」を読んだ後だったせいか、少しぎこちない感じもある。三浦さんとしても、挑戦したけれど、今一つだったのではないだろうか。

  • 三浦しをんさんの作品はこれで9作目。
    この人の文章はいろんな顔を持っている。
    最初は違う人が書いてるんじゃないかと思ったほど。
    紗がかかった世界を見ているような感覚だった。
    はかなく、うつくしく。

    実写で見てみたい気もするけど、本当に実写にしたら雰囲気が壊れてしまいそう。

  • それと知らずに読んだので、最初は戸惑ったがすぐ慣れた。魚とは真志喜の事も指してるのかな。
    本を愛してる人は所有欲が強い、はあるかもしれない。
    そして、仏像柄のシャツが気になります。

  • 相変わらずうまいし読ませるんだけど、いかんせんボーイズラブな世界がちょいちょい出現するのがね。本筋に関係ない気もするし。まあ三浦さんは自分でも腐女子と言っているので、そういう世界を書いてみたかったのかな。でもそのへんの表現がうまいよねー。ハッキリ書かないけどそうよねそういうことよね、みたいな。

  • ある意味、まほろシリーズの原点ともいえそうな作品。
    やっぱり三浦しをんは男同士の友情とも恋愛ともいえるような、あの絶妙な距離感を書くのが上手いと思う。
    劇的に面白いというわけではないけど、「あぁ三浦しをんだなぁ」とニヤニヤしながら読んでしまう1冊。

著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

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