永遠の当て馬、などと帯でからかわれる原先生。
しかしその気質や善良で不器用で適当で、でもやさしい。他人を押しのけたりすることが出来ないから、何だかんだで当て馬になってしまったりする彼に、幸せになって欲しくてやきもきしていた人は多いと思われる。
斯く言う自分もそのひとりで、だからこそ、ソラノくんの最後の叫びは、嬉しく、優しく、感謝したくなるようなそれだった。
ありがとう、ソラノくん!だ。
不器用なハラセンの、その優しさ、損気質をわかってくれる人がいて、本当によかった。
けれど、同級生の彼らも、空と原の彼らも、製菓志望の彼とあの彼も、皆「幸せになりました、おしまい」ではない。
皆、みんな、続いていく。
幸せな結末への一本道ではなくて、時には気まずい、胸の冷えるような思いをしながら。昔を懐かしみながら、後悔しながら。
それをすごく象徴している作品だったと思う。