「普通がいい」という病 (講談社現代新書) [Kindle]

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  • 【背景】
    ①なぜ読むか
    特別支援教育に関わる中で「普通」が何かと悩むから。
    ②何を得たいか
    いわゆる「普通」とは何かの概観
    ③読後の目標
    自分なりに「普通」を言語化する
    【著者】泉谷閑示
    【出版社】講談社現代新書
    【感想】
    この本の背景には、フランス現代思想を感じる。
    とはいえ、脱構築などに明るい訳では無い私は、それを言語化することもできない。非常に残念だ。
    我々は「普通/狂気」のような二項対立をイメージしているのでは、なかろうか。その二項対立そのものもを破壊し、言葉によってがんじがらめになっているクライアントの心を整え、自立させる姿勢に感銘を受けた。

    私は、大学を卒業して以来、特別支援教育を中心に教育活動を行っている。
    その中で「普通」というものをひどく疑うようになった。この本の中で、マジョリティを大通りに、マイノリティを小径に喩えるところがある。
    この比喩を借りるならば、現代特別支援教育の根底には“大通りに戻す”ことが暗に是とされている。それも「生徒のためを思って」という枕詞を付してだ。
    果たして、この大通りはどこへ向かっているのだろう。日々加速していく流れに身を任せ漂っていく私たちは、どこへたどり着くのだろうか。
    少なくとも、極楽浄土へと繋がる道ではないだろう。

  • もう一回読み返すと、理解度が深まりそう。
    また何年後かに読みたい。

  • 著者さんの経歴が興味深い。
    古典文学?の引用や解釈が私には難しく、すんなりとは読めなかった。
    自分が自分であるシンボル、じぶんの宝であるはずの「角」。私自身も特に学生時代は、角を見せないように無くさないようにしていた。今もその気は多少ある。
    子育てにおいても参考となった。

  • 病気や苦しみは天からのギフトで良いものが入っているが,不幸印のラッピングをしているので受け取りたくないし開けたくもない。1人称と3人称(西洋)。0人称と2人称(日本)。感情のoldとfresh。愛と欲望と偽善。人の為に善いことをするのは偽善(みつを)。即興は本質の表れ。生きている経験と死んでいる体験。
    普通は集団があって決まる。性(本質)を活かす生き方を。

著者プロフィール

泉谷 閑示(いずみや・かんじ)
精神科医、思想家、作曲家、演出家。
1962年秋田県生まれ。東北大学医学部卒業。パリ・エコールノルマル音楽院留学。同時にパリ日本人学校教育相談員を務めた。現在、精神療法を専門とする泉谷クリニック(東京/広尾)院長。
大学・企業・学会・地方自治体・カルチャーセンター等での講義、講演のほか、国内外のTV・ラジオやインターネットメディアにも多数出演。また、舞台演出や作曲家としての活動も行ない、CD「忘れられし歌 Ariettes Oubliées」(KING RECORDS)、横手市民歌等の作品がある。
著著としては、『「普通」がいいという病』『反教育論 ~猿の思考から超猿の思考へ』(講談社現代新書)、『あなたの人生が変わる対話術』(講談社+α文庫)、『仕事なんか生きがいにするな ~生きる意味を再び考える』『「うつ」の効用 ~生まれ直しの哲学』(幻冬舎新書)、『「私」を生きるための言葉 ~日本語と個人主義』(研究社)、『「心=身体」の声を聴く』(青灯社)、『思考力を磨くための音楽学』(yamaha music media)などがある。

「2022年 『なぜ生きる意味が感じられないのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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