破戒 ─まんがで読破─ [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 島崎藤村による長編小説。被差別部落に生まれた人公が身分を隠しながら生きる苦悩を描く。1905(明治38)年に寄稿。

    マンガのクセが強い。。たまに人物の区別がつかなくなる。ただ、読んでいる途中にしっかり嫌な気分になり、ラストで救われたと感じたので訴えかける力は強いのかもしれない。

  • とてつもない迫力。人間がヒトとして生きていくのは先人達の凄まじい努力と葛藤のおかげ。
    原著を読もうと思った。

  • 今の日本は生まれによる身分差別が少なくなっていて、良くなってるんだなと確認できた

  • 明治時代
    身分がなくなった世の中でも
    エタヒニンは差別されていた
    屠殺を行ったりするひとたち

    決してその素性をばらしてはいけない
    という父からの戒めを
    最後の最後で、主人公は破る
    →それが破戒

    一生に秘訣とはこの通り簡単なものであった。「隠せ」
    ――戒はこの一語(ひとこと)に尽きた。

    これは三人の子供を餓死させながら書いた小説だと聞いたことがある。。それほどまでに伝えたかったことは、と思いながら読んだ。

    差別をいじめを完全になくすことは難しい、それは人間の本質的な仲間になりたい、そして異質なものから傷つけられたくないという心の裏返しのように思う
    →何よりも痛みを知ることが大事なのではないか。

  • 感銘を受けた。
    漫画での表現でこれなら原作はもっとすさまじいかも。
    えたひにんについては、北海道ではほとんど教育がない。
    (関西ではあるというが)
    部落がないということもあるが。
    そういう人たちが北海道まで来たという事実もあるからなのかもしれない。

  • たしかにこんな話だったような。だいぶ忘れている。
    これも原作読みやすいので、わざわざ漫画で読むこともないかな。

  • 過去の部落差別の問題がよくわかる。
    教科書で習ってもいまいちぴんときていなかったが、この話を読んで昔の日本の階級社会について知ることができた。人が人として扱われなかった人権のない時代が恐ろしい。

  • ○概要
    島崎藤村の小説『破戒』をまんがで

    明治時代、穢多と呼ばれた差別階級
    その出自を親の遺言により偽り生きることを戒とした主人公
    その戒めは主人公を守る茨の鎧であった

    個人が差別と戦うことの難しさを
    嫌というほど見せつけられる力のある作品


    ○コンテンツ&デリバリー
    まんがで読破シリーズ
    人の心を動かす作品は、たとえマンガになっても
    いや寧ろ人物を視覚的に表現したマンガの方が
    作品の意図する背景や主義主張は伝わりやすいのかもしれない
    作画に関しては賛否があるので割愛

    ○感想
    差別との戦いは多数派との闘争
    主人公がひた隠しにした身分、それにまつわる周囲の人々の想い
    この苦々しくも心をとらえて離れないストーリーはいつまでも色褪せない名作だろう

  • 名作ですが読んでいなかったので
    漫画盤で読みました。
    会社でも差別の話はよく教育に出ましたが
    こういう話を読む方がとても臨場感があります。

  • 島崎藤村先生原作のコミック。
    部落差別問題をわかりやすく知ることができます。
    もっと深いところはあるだろうが、漫画だけでもとても考えさせれる。
    身分を隠しとおす主人公の葛藤に入り込んでしまう。
    絵が特にうまいわけではないが、ストーリーにとても力があり凄い作品だ。

  • KUにて。原典を読んだことはないが、思ってたよりもいい話でハッピーエンドだったのが意外だった。そして明治時代の被差別身分についての話だったのね。物語の筋としては比較的単純だが、だからこそ訴求力がある。おもしろかった。

  • 戦っている相手が差別というのが異質だけど、問題を抱えた人たちが戦い続け、仲間を得て、最後は勝利する……という展開は、ある意味少年漫画にも通じるものがあるなぁ、と思いました

  • まんがなのだが、まんがならではの描写力のために読んでいて心が痛んだ。

  • 自分がエタであることを隠し、告白するか葛藤する話。身分や出自による差別は現在も解決されているわけではない。
    有名小説は一通り読んでおきたいが、時間がもったいないとか、読む気力が、、、という人にはおすすめ。

  • 「変化」について考えさせられた一冊でした。読み終えた時には、少し涙が滲んでいました。被差別部落に生まれたという「変えられない」境遇。与えられた環境で「変わること」「変えられないこと」「変えること」「変えないこと」について考えさせられました。

    今年の目標として「素直な考動の先にある、素直な結果を楽しみにしながら一年を過ごします」と掲げましたが、今一度、「素直な考動」を全うしたいと考えることができた夜でした。

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著者プロフィール

1872年3月25日、筑摩県馬籠村(現岐阜県中津川市馬籠)に生まれる。本名島崎春樹(しまざきはるき)。生家は江戸時代、本陣、庄屋、問屋をかねた旧家。明治学院普通科卒業。卒業後「女学雑誌」に翻訳・エッセイを寄稿しはじめ、明治25年、北村透谷の評論「厭世詩家と女性」に感動し、翌年1月、雑誌「文学界」の創刊に参加。明治女学校、東北学院で教鞭をとるかたわら「文学界」で北村透谷らとともに浪漫派詩人として活躍。明治30年には第一詩集『若菜集』を刊行し、近代日本浪漫主義の代表詩人としてその文学的第一歩を踏み出した。『一葉舟』『夏草』と続刊。第四詩集『落梅集』を刊行。『千曲川旅情のうた』『椰子の実』『惜別のうた』などは一世紀を越えた今も歌い継がれている。詩人として出発した藤村は、徐々に散文に移行。明治38年に上京、翌年『破戒』を自費出版、筆一本の小説家に転身した。日本の自然主義文学を代表する作家となる。

「2023年 『女声合唱とピアノのための 銀の笛 みどりの月影』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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