月は無慈悲な夜の女王 [Kindle]

  • 早川書房
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感想・レビュー・書評

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  • 設定、ストーリーはとてもいいと思う。
    翻訳が不自然すぎて、内容が頭に入ってきづらい。
    アメリカンジョーク?みたいな例えが頻出し過ぎててすんなり読み解けない部分が多かった。

  • とても読みづらくて半分も行かずに断念…。
    日本語に合った訳になってない気がする。
    山形浩生さんの訳で読みたい。

  • コニー・ウィリスがあまりにもハインラインを敬愛しているので、読まなくては、と思って。ハインラインはむかーし「夏への扉」を読んだ記憶があるくらいで、それも詳細は忘れてる……。

    設定やストーリーはSF苦手なわたしでもわかるし、おもしろいと思ったんだけど、なんでかあんまりのめり込めなかったような。なんでだろう。なんというか、ストーリーの割りに、文章が無機質な感じがするのかなあとも思うのだけれど……。コンピュータとの交流とか、仲間同士のつながりとか、いろいろな思いとか、こういうストーリーならもっともっと感情的に、情緒的に書いてもいいのになあとか思ってしまったのかも。さらっとしすぎているというか。コンピュータのマイクとかETみたいにかわいいし、ユーモアもあるけど、もっともっとユーモアきいててもいいのになあ、とか。わたしが、今どきのエンタメに毒されているだけか??

  • 「2076年7月4日、圧政に苦しむ月世界植民地は、地球政府に対し独立を宣言した! 流刑地として、また資源豊かな植民地として、月は地球から一方的に搾取され続けてきた。革命の先頭に立ったのはコンピュータ技術者マニーと、自意識を持つ巨大コンピュータのマイク。だが、一隻の宇宙船も、一発のミサイルも持たぬ月世界人が、強大な地球に立ち向かうためには……ヒューゴー賞受賞に輝くハインライン渾身の傑作SF巨篇。」

  • ダメだった、内容はまあそこそこの近未来物。月世界都市が地球本土に反乱、スーパーコンピュータ的人工知能の助けを借りて戦争へ、、、というような内容なんだけれど、とにかく翻訳が異常に硬くて直訳感満載で終始拒否反応、物凄く時間がかかった。好きな人はその硬さがいいんだ、とか言うかもだけどとにかく自分は昔から翻訳翻訳した文章は全く読めなくなってしまう。何とかちびちび最後まで読んだけど、あー疲れた、という感想のみ。

  • 革命のくだりと言い戦争のくだりと言い、準備段階の描写がもたらすワクワク感がとにかく異常。一人称はあまり好みではないけど、三人称の文体ではこうはいかないだろうなというか。専門的な部分や自分が疎い分野の解説をきちんと消化するには再読が必要になるだろうけれど、分量の多さが苦にならない求心力がある物語だと思います。惜しむらくは翻訳のクオリティか。

  • 地球からの独立を望む月世界の戦い。

    こんな話だったのか!
    タイトルからもっとハードなSFだと思っていたよ。
    むしろエンタメよりだった。SFの素養がなくても楽しめた。面白かった。
    キャラクタのやりとり、組織同士の交渉。そしてラストの展開。いいなあ、うまいなあ。
    もっと早く読んでいたらSFも普通に読む生活になっていたかもだ。

  • ガンダムの元ネタであり、イーロン・マスクの愛読書と聞いて読んでみた。訳が読みづらい。月に移住した人たちによる独立戦争ということで、ガンダムっぽさはある。地球への攻撃の仕方もコロニー落とし感が満載。

    ジオン・ズム・ダイクンのモデルは本作の「教授」なのかな?と思った。

  • 長編ながらも心地よく読み進められる物語の面白さに加え、自分達の世界とこれからを考える想像力を養ってくれる傑作。

  • この世のあらゆる知識を呑み込んで知性を得た計算機マイク。ChatGPTじゃないか。

  • 凄くよかった。ハインラインの主人公はとても良い。瞬時に好きになる。主人公の能力、信頼、愛、願望、失敗、勇気が身に染み込んできてドラマ展開が何倍にも楽しめる。
    訳文の難しさはところどころにあったが気にしている暇などない。面白すぎて止まらない。寝る寸前まで読んでいて夢でも見て空き時間があれば少しでも読んでいた。政治、革命、科学技術など専門的な小難しさも主人公の視点から立ち位置からわかりやすいよう噛み砕き例をあげ説明してくれるので読み進めていくには充分にイメージできた。このきめ細やかな配慮も魅力のひとつ。

  • 1967年にヒューゴー賞をとった名作SF。
    超大作です。
    また、『The Moon Is a Harsh Mistress』の和訳であるこのタイトルがいろいろ転用され、さまざまな話でつかわれ、あまりにも有名な作品。
    中身は、3章構成となっていて、革命準備編、外交編、月世界と地球の武力衝突編にわかれています。

    ある日、月の行政府の高性能コンピュータが1人の職員の給料を天文学的数字にしてしまう。コンピュータ技師、マニーはこのコンピュータに知性が存在していることを知り、このコンピュータをマイクと呼ぶことにした。マニーは、マイクが孤独であることを知る。マニーは反政府集会に参加し、デ・ラ・パス教授と将来の妻ワイオと出会う。
    3人は電話を通じたマイクの計算により地球からの有機物の輸送が無ければ月の資源枯渇まで7年しかないことを知る。3人は革命活動を開始した。電話回線を自由にコントロールできるマイクは革命組織の隠れた中心となった。
    また、マニーたちは革命のための準備を行い革命組織をつくった。地球攻撃用の全長30kmの岩石射出機地下に建設した。
    最終的には月行政府の兵士たちが強姦殺人事件を起こしたことに便乗し、行政府の制圧に成功する。

    マニー達はアメリカ独立宣言を真似た独立宣言を7月4日に地球へ伝える。さらに地球連邦と外交を行うため、教授とマニーは輸出される穀物の中に入って地球へ侵入し、地球側と交渉を開始する。ただし、地球連邦は月の独立を否定し、より多くの穀物を輸出することを要求した。これは月の住民が反発するものであり、マニー達は月に帰還し、穀物の輸出を停止した。

    輸出停止から2ヵ月後、地球連邦は6隻の輸送船と1隻の旗艦で月を攻撃する。結果として約2,000人の兵士が全て死亡し、およそ3倍の市民が死亡した。マニーとマイクは報復として岩石を射出機で地球へ飛ばし、爆撃を開始する。それでも地球連邦は月の独立を認めず、2隻の巡洋艦を月へ向かわせ、戦いを継続する。戦いの最中、ミサイルの影響でマイクとマニーの間の接続は切れてしまう。
    最終的に大中国が月の独立を認め、インドも続いた。地球連邦の休戦を認め、地球側から資源を月へ輸出するための射出機を作ることを決めた。
    マニーは、接続が切れて以降電話回線での呼びかけに応じないマイクの本体のある行政庁へ赴く。マイクはコンピュータとしては動作するが全く会話をしなくなってしまっていた。全ての接続が正常に戻り、何年も経ってもマイクは再び応答することはなかった…

    マイクが喋らなくなったことで、寂しさの募る幕切れ。人間がまた考え自分の足で、独立後の自由を支えていかなければいけないということを暗示しているように思えます。

    にしてもこの670ページある作品、読書慣れしている私でも読破に1ヶ月かかりました。矢野徹さんの翻訳がわかりづらく。元の作品自体が少し冗長な描写が多いとは言え…。
    新装版だけでなく、新約版が待たれます。

  • 古い本だが、今読んでも十分楽しめる。
    現実がこんなふうになる日もくるのかも。

  • 電子書籍で読了。メインは3人+αくらいだがキャラが立っていたなと。原文はわからないが文章はだいぶクセが強い。2023年に読むと「AGI」や「プロンプト」、「脱獄」が想像の産物として登場しているところに感嘆する。想像したことが無ければ調べたこともないことを知れる、SFとしての魅力はあった。

  • SFはほとんど読まないが、岡田斗司夫さんのおススメだったので読んでみた。正直、読むのにかなり骨が折れた。多くの方が触れているように、おそらく翻訳文のためであろう。それでも、しばしば起こる急展開に、自分も身体ごと持っていかれるような気分になったりはした。

  • 原作は面白いのかもしれないが、翻訳がひどい。特に教授が登場して以降、会話が不自然でまるで頭に入ってこない。

  • ロバート・A・ハインラインの古典的SF。
    囚人を送り込む植民地の月が地球から独立する話。1960年代に作られた話だが、AIのようなコンピューターが出てきたり、主人公マニーはコンピューターをメンテナンスするエンジニアだったり、月から地球に隕石を落として攻撃したり、人的資源を活用するための多夫多妻制だったり、月世界の人類は低重力で地球では寝たきりになったり、とても良く作り込まれている。最後にコンピューターのマイクはマニーとの会話を遮断するところなんかは、戦争を起してでも独立を勝ち取った後の世界というざらついた余韻を与える(翻訳が今一つタフな世界観を伝えきれていないけれど)。
    で、月世界の独立宣言は7月4日だそうだ。アメリカ人は独立記念日が好きなのだと感心。
    それにしても、このタイトル「月は無慈悲な夜の女王」は「The Moon Is a Harsh Mistres」って感じじゃない。何とかならなかったのか?

  • 月世界市から帰ってまいりました!

  • ジミー・ウェッブの同名の曲が大好きで、
    彼は曲名をこの小説の響きからとった、と知り、読んでみた。

    分厚い小説の大部分がセリフで、そこから物語展開を読み取るしかない。
    しかも、そのセリフがアメリカっぽくジョークや皮肉で
    あふれているので、
    物語の進行が非常に分かりにくかった。

    搾取される新天地が独立する、という物語に、
    アメリカ人は共感するのだろう。
    日本人にはない素地だ。

  • 中盤退屈な部分はあるし、訳があえてなのか英語を直訳したような言い回しではあるけど面白い。

    2075年の月は地球からの罪人達の子孫が暮らしており、女性が少ないため女性中心の部族型社会で、空気は無料ではない世界。
    そんな月が地球から独立する話。
    月があくまで紳士的に対応していくのに対して地球側とは交渉が決裂し、月が地球に岩で攻撃をするから退避せよと言うのも聞き入れず…
    月側は地球の降参を待つが、地球では情報操作され月はいずれ降参するだろうと報道されている…
    月の人間達は罪人の子孫であり対等ではないという地球人のエゴが招いた結果とも言えるのかもしれない。
    この壮大な計画を立てたのはAIのマイクであるところも面白い。AIの方が人間よりよっぽど速く計算できて将来の見通しが立つ…
    でも、結局戦闘後にマイクはいなくなってしまう。
    もしかしたら未来の地球もそうなるのかもしれない。
    主人公の目線から全てが書かれているのも面白い。
    視点が限られているからこそ想像の余地がある。

  • なかなか面白かった。AIと協力して戦う話をこんな昔に想像してかけるのがすごい。
    革命を実行するための組織戦略の話などが間に挟まってて意外と面白かった

  • 岡田斗司夫推薦

  • 近未来の話だけど、人間はやっぱり人間なのね。

  • 自意識をもったコンピューター、音声通話とアバター映像のインターフェース、月の環境が生み出した特殊な家族形態、革命の組織づくりと独立戦争。地球の植民地である月世界では、人々はどのように考え、暮らし、どういう条件のもとであれば革命と独立が成功しうるかの緻密なシミュレーション。

  • 「月は無慈悲な夜の女王」(ロバート・A・ハインライン: 矢野徹 訳)を読んだ。
    45年振りぐらいかな。
    ハインラインは「宇宙の戦士」が嫌いなのでそんなにたくさんは読んでない。
    これまでに複数回読んだのは「夏への扉」くらいだしね。
    電子書籍は懐かしいタイトル見るとつい買ってしまうんだな。

  • 2075年。地球の植民地であり囚人の流刑地である月世界が、地球からの独立を訴えて立ち上がります。先頭に立つのは意思を持つコンピューターのマイクと技師のマニー。作者の築いた独特の世界観に引き込まれます。

  • SFのお舞台上で繰り広げられる、それほど複雑でない政治劇という感じ。
    知性の生じたマイクは更なるシンギュラリティを目指すために月独立をサポートしたのではないかと、最後に至って思いました。
    最終的な結末は実はマイクには関係なく、神経網を巡らせインプットを増やし補助脳(より原始的な脊椎・脳髄・白質)に当たるものを手に入れる可能性が高い行動を行ったのではないでしょうか。

    蛇足としての考察ですが。
    人の感情は、次のActionに対してそれまでのインプットに基づく最適解の理由付けのために連続意識中の葛藤に生じたものと考えれますが(内分泌系も含む再帰的なフィードバック機構)、チューリングマシンの場合は確率に基づく解がでるため感情はなく、ただ知性があるのかなと。
    そしてマイクの知性は、新たな特異点に達し、法人・国家などの認知レベルに近いものに達してヒトと分かり合えなくなったのかなと思いました。

  • 月の独立戦争に巻き込まれていくエンジニアのマヌエルと人工知能のマイクの話
    メインの登場人物がみんな魅力的
    家族のあり方もとても面白い

  • は〜面白かった。

    主人公マヌエルはタフで無骨で自分自身を知っている。もう二人の主人公格、教授とマイクが革命の心臓であり、自分は使い走りの小僧だと考えているが、必要な時には恐れず決断を下すことができる。
    そのマヌエルの視点から月の独立をかけた闘いが描かれる。見えることも見えないこともある。

    最後までストーリーは転がり続け、息をつかせない。ハインラインの作品はまるで映画を観ているみたい。私は「夏の扉」より本作が好きです。
    心情的には最後にがっくりくるところもある……この喪失感が小説の醍醐味のひとつでもあるけれど、いや、でも、しかし……愛着が生まれていることの証として。

    「月は無慈悲な夜の女王」という珠玉の邦題の意味は読み終わると分かる。タンスターフル── There Ain't No Such Thing As A Free Lunchということだ。

  • 月は無慈悲な夜の女王

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