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感想・レビュー・書評
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アステロイドが地球に衝突するのを防ぐ物語だが、狂信者によるテロで妨害されたり、それを宇宙船〈ゴライアス〉がフォローするけど、地質的トラブルが起こって脱出不能になったり、地球がアステロイドに核攻撃をしたりする。トラブルをクリアしている技術の話があって、いい感じのSFだと思う。月で学び、地球と火星で家庭をもったロバート・シン船長、回想が大部分だが、こういう風に未来の人類は暮らすのかなと思う。
ツォルコフスキーの「地球は人類のゆりかごだが、ゆりかごで一生をすごす人間はいない」という言葉も引かれている。
クラークはほんとうに宇宙が好きだったと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
映画「ディープ・インパクト」の原作となった、というのを読んでいて、しかもつい最近TVで放映され見たばかりだったので、その画面が読んで頭に浮かんでしまった。
映画は1998年公開当時の状況として惑星衝突が描かれるが、クラークのは2109年の出来ごととして描かれる。月、火星、木星へと人類は進出している。火星の医者でアマチュア天文学者が水星を発見し、衝突回避は最初地球から宇宙船「ゴライアス号」を出し彗星にピンをさし軌道修正しようとしたが失敗、地球からの弾頭を撃ちこむことになる。が、それがあまりに高速なため点火ピンが作動せず全体爆破まではいかず、彗星カーリーは二つに分かれる。が小さくなったことでひとつは地球から安全距離をおき通過宇宙のかなたへ、またゴライアス号は助かる。もうひとつは地球に突入するもまた地球から出る。でも多少の損害は出た。
クラークは映画に原作としてクレジットされなかったのにとてもがっかりした、と何かで読んだが、映画は92年発表の短編にスピルバーグが映画化を思い立ち、別に「地球最後の日」のリメイクの計画と合体して「ディープインパクト」が生まれたとあった。
確かに映画としては、原作どおり100年先よりも、今の出来ごととしたほうが親しみがもて、だからヒットしたのかも。それに映画は”特攻突撃”で終わっていたし。
1992年5月、タイム誌から「つぎの1千年における地球上の生命の一こまを描く」4000語の短編執筆依頼を受ける。
1992年9月下旬の「TIME」特別号(Beyond the Year 2000)(140巻27号)に掲載される。
1993発表
1995.12.15発行 図書館