人間の性はなぜ奇妙に進化したのか [Kindle]

  • 草思社
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感想・レビュー・書評

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  • ジャレド・ダイアモンドの本にしてはイマイチだったなー

    人間の性という着眼点、そして冒頭の書き出しは無茶苦茶面白い。このワクワク感はさすがと言えるクオリティ。
    でも、その後はかなり尻切れトンボだった印象。

    色んな視点で、生き物たちの性行動を分析しており、それ自体は興味深く、面白い内容もあったが、肝心の人間の性はなぜこのような奇妙な進化を遂げ、我々はセックスを楽しんでいるのか、という問いに対する結論は「複雑でよく分かりません」という感じだった。

    人間のセックス自体がかなり特殊、ということを書かれていたが、色んな動物の性行動や夫婦の形態を見ていくと、多様な形式の1つのように思えてしまい、最初のキャッチーな引きに対する疑問も出てしまった。

    女性しか乳がでないこと、女性の妊娠可能時期がハッキリと分からないこと、閉経することなど、当たり前だと思っていたことに関して、疑問を持ち、色々と試行錯誤するのは面白かったが、全体的にこれだ!という回答がなく、少しモヤモヤした。

    話が濃い割にクドさも感じてしまい、あまり好みになれなかった。

  • 2023/08/14 購入
    2023/08/17 読了 ★★★

  • P.2020/1/7

  • Twitterでアップされていた序盤の1ページが面白かったので購入。
    知らなかったけど「銃・病原菌・鉄」の著者だった。

    軽く読めるのに内容はとても興味深かった。
    哺乳類はその気になれば男女問わず乳を出すよう進化することは十分に可能なのに、なぜ女性が授乳するようになったのか?とか。
    当たり前だと思っていることを、他の哺乳類・動物に比べてサピエンスがいかに変かということを丁寧に説明されるので、不思議さが実感しやすい。

  • ジャレッド・ダイアモンドが今回は人間の性はどうしてこのような形態に進化したのかを推理する。哺乳類や動物全体と比べて人間の性は変わっているらしい。排卵時期が分からない、隠れてする、一夫一妻制が多い、父親も子育てに参加する(金を稼いだり、家を建てたりだけど、)。当たり前と考えてきたことが、進化生物学の前では、当たり前ではなくなってくる。自然淘汰はなぜにこのような人間の営みを進化させたのか?その理由を探る。

  • 人間の性の奇妙さを実感できる本。確かに人間を数ある生き物の種の中の一つとして、他の動物と比較すると、こんなに変わった動物はいないんですね。完全二足歩行と大脳皮質の異常発達は、彼の著書等でその理由がわかりますが、性の奇妙さは、進化的に他の特徴と関連付けて解説されていると、もっと面白いと思います。

  • 子育て、家族形態、セックスなど、ヒトの性差に関するトピックについてヒト以外の生物と相対して論じられた本です。著者の大著『銃・病原菌・鉄』に比べて、カジュアルに読み進めて知的好奇心を刺激してくれる心地良い内容になっています。

    ここで論じられていることの是非を思索することは専門家に任せるにして、セックス/ジェンダーと表現される性差が自然の摂理なのか、そうではないが政策によって強制されたのか、この本を通じて繰り広げられる仮説の数々により、自らが知っていることと新たな見地をリンクさせることができるでしょうし、なぜ現代の都市文明において少子化が悩まれるのか、根本的に考える取り掛かりになるでしょう。

    原題は‘Why is Sex Fun?’で、日本語訳初版では原著の意向を汲んで『セックスはなぜ楽しいか』でしたが、文庫版に際してより全体を正確に表現する題名に改められています。しかし、本の主題がやはり‘Why is Sex Fun?’にあり(文庫版の書名は女性の読者にも大学の副読本としても手に取ってもらえやすいように配慮したようです 笑)、本の至るところでそのエッセンスが垣間見え、特に最後の問題である、なぜヒトのオスのペニスは大きいのか、などは最後にして真骨頂、ヒトのペニスが『へんないきもの』に収録されても違和感の無い奇妙な進化を遂げてセックスを楽しませているように思えます。私たちヒトは平凡な種なのか非凡な種なのか、どういった点で非凡なのか、思いをはせる楽しみのために読んでみてはいかがでしょうか。

  • 難解に感じる記述が多く,自分にしては珍しく所々飛ばしながら読んでしまったが,それでもとてもおもしろかった.
    オスとメスと性の不思議と,いろいろなことが「投資した労力とその見返り」によって説明されるのは,シンプルで綺麗だなと感じた.
    一番おもしろかったのは,なぜ人間の女性は排卵を感知できないかについての部分.なんというかいろんな意味で生々しくて,でも納得せざるを得ないなと思った.

  • 言われてみれば、人間の生殖行為は他の生物が行うものからするとかなり奇妙であることが分かります。
    その理由の学説や考察などが興味を引く形で書いてあるので、参考になります。

  • あのジャレド・ダイアモンドということで読んだ。もちろん興味深いテーマ、取り扱いだが、うーん、今ひとつ得るところはなかった。

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著者プロフィール

1937年生まれ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校。専門は進化生物学、生理学、生物地理学。1961年にケンブリッジ大学でPh.D.取得。著書に『銃・病原菌・鉄:一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』でピュリッツァー賞。『文明崩壊:滅亡と存続の命運をわけるもの』(以上、草思社)など著書多数。

「2018年 『歴史は実験できるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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