沈黙の町で [Kindle]

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著者 : 奥田英朗
  • 朝日新聞出版 (2013年2月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (187ページ)

沈黙の町での感想・レビュー・書評

  • 中学生が校内で転落死するという『ソロモンの偽証』と似た設定で物語は始まります。
    しかし、そのあとの展開は全く違い、どこまでも現実的でシリアスです。
    登場するのは、皆、どこにでもいるごく普通の人たち。それぞれが、真剣に悩み考えているのですが、人への厚意が空回りしたり、思惑が絡まり合いながら、人と人との間の溝はどんどん広がっていきます。人間関係って本当に難しい。
    そして、中盤からは過去の時系が物語と並行して進みながら、最後に事件の真相が明らかになります。
    一人一人の心理描写が見事です。

  • なんとなく強化月間的になってきた奥田英朗作品をKindleにて。
    中学2年生男子が部室棟の屋上から転落し死亡。彼はいじめにあって
    いたことが明らかになる。
    その時にあらゆるコミュニティ・・・教員・警察・同級生・親たち・・・で
    起こった波紋が、それぞれの角度から描かれている作品。

    いわゆるいじめ関係の作品だと思い込んだまま読んでいた所為か、
    徐々に明らかになっていく事実に対する震撼度が激しい。奥田作品に
    よく見られる語り部の細かな変遷がそれに拍車を掛けており、単に
    ミステリーという括りだけで見ても一級品であることは間違い無い。
    しかし・・・。

    この内容があまりに重すぎる。
    全ての登場人物が基本的に自分のことしか考えていない人間ばかり
    なのに辟易する。最後の最後には全員がヒールな状況に陥り、
    その存在のくだらなさしか印象に残らない。
    ・・・ある意味で斬新ではあるのだけど。

    ただ、そのくだらない人間たちの括りに、間違い無く自分も入って
    居るような気がしてしょうがない。印象は最悪なのにとにかく読み
    進めてしまうのは、誰もが持っている卑怯な部分を、盛大に刺激
    してくるテクニックが、あまりに高いレベルにある、ということ
    なんだろうな・・・。

    ハッキリ言って問題作。
    重すぎる展開に耐えられる人でなければ、読破自体も難しいかも。
    ・・・万人にお奨めは出来ないな、やっぱり。

  • 読了後もやもや。
    これも嫌ミスのうちに入るのかも。
    なんだか道徳の授業の教材のような小説だと感じた。
    それぞれのいい所と悪い所を見せつけて、さて、誰が一番悪いのでしょうか?と。

    中学生の幼い残酷さとか、仲間意識。
    大人たちの自分の子供さえよければというちょっと違うんじゃないかと思うくらいの愛情。
    読んでいて嫌な気持ちになるけれど、それがリアルな感情に近いのかもという思いも浮かぶ。

    名倉少年の思いだけはどう考えてもわからない。
    ちょっと、いじめられても仕方ないかも。という気にさえなってしまう。
    小説中の女子中学生と同じ気持ち。


    【中学2年の男子生徒が部室棟の屋上から転落し死亡した。
    事故? 自殺? それとも他殺なのか……?
    やがて生徒がいじめを受けていたことが明らかになり、小さな町に波紋がひろがり始める。】

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