ダークホース リア獣エイブの恋 【DVD】

監督 : トッド・ソロンズ 
出演 : ジョーダン・ゲルバー  セルマ・ブレア  ジャスティン・バーサ  ミア・ファロー  クリストファー・ウォーケン  ドナ・マーフィ 
制作 : ニック・クエステッド  テッド・ホープ 
  • トランスフォーマー
3.05
  • (2)
  • (6)
  • (7)
  • (3)
  • (3)
本棚登録 : 43
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4522178009983

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • キャッチコピーは「オレもまだ本気出してないだけ。」

    コメディの棚にあったのにコメディじゃなーい。
    …一応ブラック・ジョーク枠なんだろうが、わらえねーよ。

    この監督(トッド・ソロンズ)の作品、
    「ハピネス」を見たことがあるんだけど
    どっか病んだ複数家族を描いていて、
    中でも普段はまともな医者として世間に接していた父親が
    幼い息子の友人である少年をレイプしていて、警察に捕まる前に
    その事実を息子に淡々と説明するシーンは印象深かった。
    ただ、コメディとして笑えたもんじゃなかった。

    そしたらまただよ!

    主人公のエイブはデブ・ハゲ・オタクの中年男。
    能力もなく、父(クリストファー・ウォーケン)の経営する不動産屋に
    席は設けてもらっているが、まともに仕事もできない。勿論独身。

    しかもその出来ない事をすべて人のせいにして、省みることが無い。
    家では母親、会社では同僚のおばちゃんが同情して面倒見てくれるが
    それをいいことにつけ上がり、金を巻き上げたり、仕事をやってもらったり。
    しかも金の巻き上げ方がセコイ。
    ゲーム(バックギャモン)の勝敗に金をかけているんだが、
    負けそうになると言い訳してトンズラ。

    趣味のフィギュアに関しては、傷物のフィギュアにあたり、
    トイザラスへクレームを言いに。
    「これは欠陥品だろ!」
    「はい…でも開けてしまってはもうどうにもならないんですよ…」

    この辺の店員とのやりとりが店のポリシーと合わなかったのか、
    トイザラスの看板は画像処理でボンヤリ見えないようにされてますね。
    しかし、この映画で言いたいのは実はこれだったりするんですけどね。

    さて、このエイブ君。
    ある結婚式で見初めた女性、ミランダに猛烈アタックを開始します。
    ミランダはミランダで、常に呆けている感じの、アブナイ痩せぎす女です。
    受け答えもきちんとしておらず、いつも上の空。
    明らかに薬かなんかやってんだろコイツ、って感じの女性です。

    演じるは、ヘルボーイのサラ役、セルマ・ブレア。

    この明らかに病んだ女に対して、とにかく喋りまくり(主に自分のことばかり)で
    押しまくった結果、なんとお付き合いOK。
    キスまでこぎつける物の、「アタシ実はB型肝炎。絶賛治療中」。
    キスでうつしちゃったかもだぜ。

    おまけに同居・新居を買うで揉めたり、出来る弟(医者)と揉めたり。
    結婚についても悩んだ所、よりによって元彼を紹介されて訳ワカメ。
    思わずぶん殴ってしまったり。

    そんな荒れ模様で、ついには父から首を言い渡されてしまう。
    車での帰り道、エイブの周囲に様々な人が妄想で現れては彼を責めて行く。

    わかってる、自分の人生がポンコツな事はわかっている。
    だからこそ、そこから目をそむけ、人のせいにしないと
    やっていけなかったのがエイブの人生なのだ。

    妄想で再びトイザラスの店員にクレームをつけるエイブ。

    「こんなもの、欠陥品だろ!」
    「はい…でも開けてしまってはもうどうにもならないんですよ…」

    ここでやり取りしている商品はフィギュアではない。彼の人生だ。
    レシートなんか大事にいつまでも持ってたって、取り換えは効かない。

    …目を覚ますと、エイブは病院にいた。
    会社からの帰り道、事故を起こしていたのだ。
    2か月の昏睡から覚めたエイブは両足を失っていた。

    彼を見守る家族や縁者の中、
    ミランダのB型肝炎は完治、子供を身ごもっているとの事だった。
    勿論(?)子供の父はエイブではない。

    その後、エイブの方がB型肝炎を発症。
    まっ黄色になってしまう。
    そんなエイブに付き添う職場のおばちゃんに、無理やりキスをし、
    道ずれにしようとするエイブ。
    最後の最後まで糞野郎です。

    そして死ぬ。

    なんだこの糞カス男が成長も会心もせずただ死ぬ映画って。
    亡くなるエイブの走馬灯(?)では、張り替えられた実家の壁紙をはがしてみると
    そこには背比べの後と、父親の「エイブ。私のダークホース」という書き込みが。

    自分は遅咲きなんだ、やれば出来るんだ、ダークホースと期待されていたんだ。
    そんなレシートみたいなもんに後生大事にすがってもロクな事はない。

    それで自分が特別な気になっているのかもしれないが、そんなレシート、
    誰もが持っているもんなんだぜ。

    取り返しの効かない人生、そんなもんとっとと捨てて今自分の出来る事、
    やらないことをガンバらないやつはエイブみたいになっちゃうぜ。

    …っていうね。非常に重い話で別にそれはそれで心に残る(刺さる?)話ではあるんだけどさ。
    「コメディ」のコーナーに置くな、っつーんだよボケが!

    仕事の疲れとかストレスとか忘れたくてコメディで笑おうと思って借りたってのに
    なんなのこの仕打ち!!

    しかも最後なぁ。

    エイブの埋葬に縁者が集まるわけだが(ミランダは赤子を連れて)
    デキル兄「あれ、死亡日まちがって彫り込まれちゃってるよ」
    父「まぁ、いいじゃんそんなの(にこり)」

    全く救いがなさすぎて嫌んなるわ。

  • くだらない映画
    つまらなかった

    …が嫌いでは無い作品
    トッド・ソロンズ監督の、"暗めの人物"を描写するの毎度すごいなぁと思う

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×