- Amazon.co.jp ・電子書籍 (232ページ)
感想・レビュー・書評
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すごーく大局的な見方で世界を分析したもの。読んでいて愉快というか、ふしぎ。
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本題ではないけど、十字軍の位置づけをこの本で初めて知った。歴史をもっと勉強しようと思った。
ウチとソトを分けて、ウチを繁栄させる
ということが出来なくなってきている、という考え方は非常に納得。
先進国にいるから、とか、特殊な言語圏にいるから、とか、そういう逃げ場がなくなってきた。
いままでのタテの帰属意識よりも、企業や国や人種を超えた
たくさんの横のレイヤーに属した個人を意識していくべき、ということでしょう。 -
図書館でたまたま手に取る。情報文明論とか情報社会論に近い論考をとてもわかり易い表現にまとめている。
ウェストファリア体制によって生まれた国民国家や、民主主義のブームがおわり、「超国籍国家」が作る<場>に個人がぶら下がるというのが主張。
そのレイヤー化した世界が決してユートピアではないということを繰り返し説明しているところが真面目だなとおもった。ジャーナリストらしくないというか。
超国籍企業が(国家から)軍事力を奪うという章はまるごと主張に無理がある。そのあたりをサイバーセキュリティの研究で補完できるかかもしれないなと思いながら読んだ。
全体的にすごいいい本だし、筆者のスタイルに共感するところ多し。 -
『国民国家であること。
国民国家のウチの結束を固め、強い軍隊を持つこと。
国民国家のソトを利用し、経済を成長させること。
そして国のウチでは、民主主義でみんなで国を支えて行くこと。
これは、ソトがあるからこそなりたつシステムだったのです。国民国家というシステムは、このソトの発明こそが真髄だったといえるでしょう。中世の帝国には明確な境界はなく、ソトを持ちませんでした。帝国は無理にウチとソトを分けず、帝国の領土を無限に広げていくという考え方で成り立っていたシステムだったからです。』
国民国家の終焉、民主主義の矛盾、資本主義の緩やかな崩壊、その先にある超国籍企業〈プラットフォーマー〉が経済活動を支配するレイヤー化した世界とは。
世界史を紐解きながらの考察で、なかなか面白かった。
それほど新しい話ではないんだけど、丁寧に論じている点で読む価値があったなぁ〜。 -
よかった。ジャーナリズム。とくに批判するとこはなかった。まだまだ勉強不足か
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ボヤッとしてた歴史認識(トレンド)の解像度が上がった。よくまとめられてる。
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全体3部構成のうち前半2部は現在の状況に至る歴史的経緯・必然を丁寧に説明している。当然、著者の論点は第3部に集中し、そこに多くの含蓄ある視点で書かれ、他書に類例をみないだけに面白い。ただ、ページ数の制約等のためだろうが、前2部が丁寧だっただけに、更に掘り下げが欲しいところ。本テーマの更なる探求に期待。
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国民国家・民主主義の崩壊を歴史的流れから紐解く。世界は均質化するのではなく、それぞれの属性によってゆるーくつながりながら、細分化し、富は世界中に分散する。それらを推し進めるテクノロジーとうまくやっていこうよという話。
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ずっと前に買って、やっと読めた。
批判する人も多いけど、自分には得るものが多かった。
忙しいけどちゃんと本は読んでいきたい。 -
レイヤーという言葉を使っているくらいで、特に筆者独自の考え方が展開されているわけではない。植民地などの例を挙げ、ウチとソトの性質を利用して、ウチはソトから富を搾取してきたが、産業革命が終了してその成長が止まってしまうと、今までの仕組みは崩壊すると主張する。人々は今までの或を超えてつながりだし、権力構造は上から押しつけるスタイルから、下から管理する構造に転換する。人々の生き方は歯車のような人生からアメーバのような人生に代わっていく。自立しよう。。。。という内容。
前半は世界史の教科書のようで膨大な情報量がつめられているため忍耐力を要するが、知識のない自分にとっては本書は大変勉強になった。