貧乏はお金持ち 「雇われない生き方」で格差社会を逆転する (講談社+α文庫) [Kindle]
- 講談社 (2011年3月22日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (339ページ)
感想・レビュー・書評
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1人会社=「マイクロ法人」設立という人生の選択肢を提示した書。2011年刊行(単行本はリーマンショック直後の2009年刊行)。
本書で著者は、法人=株式会社の会計・税務・ファイナンスの基礎知識を分かりやすく解説すると共に、節税法(経費の二重控除、家族を役員や従業員とのすることによる控除、赤字化等)や中小向けの超お得な優遇税制・融資制度など、法人化のメリットを多数紹介している。
著者によれば、「マイクロ法人は、国家を利用して富を生み出す道具」だ。そしてそのミソは「会計操作で無から有が生まれる仕組み」=「財務諸表の最適化によって税務上は存在しないはずの利益が生まれる」仕組みにある(普通のサラリーマン、マスオさんは、法人化して様々なメリットを享受することにより手取りが何と300万円も増えるのだ!)。
法人制度を含む日本の社会制度が、自営業者や農業従事者、中小企業経営者に対し如何に有利に働いているか(逆に、サラリーマンが如何にそのツケを負わされているか)、身にしみて分かった。こうした制度の恩恵をサラリーマンにも開放したい、会社員になれなかった若者や途中で会社を解雇されてしまった中高年に対して、「労働基準法で守られ、雇用契約でがんじがらめに縛られたサラリーマンに比べ、複数の人格を使い分けられるフリーエージェントがけっして不利な選択ではない」ということを伝えたい、という著者の思いに強く共感した。
それにしても、(法人化した)個人事業主の既得権、ここまで大きかったとは! 「中小企業の社長が四年落ちのベンツを買う」理由が、大きな節税メリットを得るためだったとは!
個人で起業するかどうかは別としても、「ファイナンシャルリテラシー」、この激動の時代を生きていく上で必須の知識・教養なんだと改めて思い知らされた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
マイクロ法人を設立してお金持ちになる。
というシンプルメッセージであるが、その根拠を詳しく示してくれている。
サザエさんを例にして「もしマスオさんがマイクロ法人を作ったら」という世界はイメージしやすくて良かった。
そして、何よりもお金持ちになるためにはファイナンシャルリテラシーを高め続けなくてはいけないという事実に改めて気付かされた。
「黄金の羽根の拾い方」と併せて何度も読み返すべき一冊。 -
10年以上前の著者だが、マイクロ法人を作ることで国家を利用して会社員では得られない優遇の合法的メソッドはとても参考になりました。
また、いまだに残る、日本企業の年功序列がどうして成り立つ社会になったのかも描かれていて面白かったです。 -
節税のためのマイクロ法人設立について詳しく説明されている。
5年位前に読んだ時は、さっぱり意味が分からなかったけど、今は半分くらいは理解できた。
不動産投資のための法人設立にあたって読んでみたからちょうど良かった。
特に融資を受けることの本当の意味が理解できた。
借金=悪と決めつけていたが、きちんとした計画と知識があるなら、むしろ積極的に利用すべき。
サラリーマン個人が自由に生きるためには、法人を節税とキャッシュ・フローのための道具として利用し、そして、法人をうまくまわすための道具として国家を利用するという発想は痛快。
それにしても、やはり会計簿記の知識は必須だなと改めて思った。 -
マイクロ法人に限らず、中小企業が受けられる税制優遇について学ぶことができた。
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読もうと思った理由
副題「雇われない生き方で格差社会を逆転する」に引かれて興味をもったため
マイクロ法人、税・社会保険料のしくみ、徴税のカラクリ、節税、家計と企業のキャッシュフローの対比、ファイナンスの重要さなどためになりました。国家に依存するな・国家を道具として使えは名言と思います。その通りと共感する内容は盛りだくさんで面白かったです。数年ぶりに再読しました。 -
サラリーマン、法人の税金について書かれた本。
国や法律についてただ知識を並べるのではなく、筆者の意見が多く書かれており、面白い。
税については法改正も多く、10年も前のこの本はそのまま役に立つものではないと思うが、ひとつの考え方として参考になった。 -
日本の雇用問題を解決したいという想いから書かれた意欲作(多分)