闇金ウシジマくん(24) (ビッグコミックス) [Kindle]

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  • 小学館
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  • 闇金ウシジマくん24 2012

    『闇金ウシジマくん』(やみきんウシジマくん)は日本の漫画家である真鍋昌平による漫画。2004年から2019年まで『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で不定期連載された。
    2010年10月より、山田孝之主演で毎日放送(MBS)の制作によりテレビドラマ化され、その映画版が2012年8月25日より公開された。また2014年1月にはドラマの新シリーズが放送された他、5月16日には新作映画が公開された。詳細はテレビドラマの記事ならびに映画の記事参照。

    概要
    10日5割(トゴ)の超暴利闇金融『カウカウファイナンス』の経営者である丑嶋馨とその従業員の日常と、カウカウファイナンスに訪れる客、およびその関係者の様々な人間模様と社会の闇を描いたストーリー。物語は各エピソードの中心となる人物の視点で進み、丑嶋はそれらの人物に接触する狂言回し的存在である。そのため丑嶋が全く登場しない回も多い。なお「○○くん」というタイトルは、当時流行した「むじんくん」(アコム)、「お自動さん」(アイフル)などのサラ金の自動契約機のネーミングから着想を得ている。
    2022年3月時点で累計発行部数は2100万部を記録している。
    第56回(平成22年度)小学館漫画賞一般向け部門受賞作品。
    連載を終了した理由として、作者は「闇金業者という犯罪者の視点で描く話に限界を感じていた。『突き詰めて描けば描くほど読者が離れる』」と述べている。その後、弁護士を主人公とした『九条の大罪』を連載開始した

    「生活保護くん」編

    佐古 彰(さこ あきら)
    本エピソードの債務者。都内のアパートに住む29歳の無職の青年。少年時代のストレスと、社会人になってからの超過労働が原因で過敏性腸症候群になり、緊張するとたびたび脱糞する。新しく職に就いても病が原因で長続きしないため、家賃や電気代も払えないほどの貧困に陥る。本来は他人想いの誠実な好青年であったが、失職後は食べて寝て自慰するだけという無為な日々を送っている。生活保護を申請するも却下されるが、ネット掲示板で「NPO法人 貧困ネットワーク ふれあい」の存在を知り、主催者の嘉瀬の協力によって再度申請したところ、生活保護を受給できるようになる。
    頑固な父との不仲や優秀な兄への劣等感を引きずっており、実家の家族とは関わりを避けている。外部の人間関係においてもうまく立ち回ることが出来ず「幼稚園でも小学校でも友達は1人も出来なかった」「修学旅行ではクズの集まりの班だった」と述懐している
    ある日、唯一のリアル友達であるよっしーに無為な生活ぶりを詰られて関係が悪くなり、自分も何か社会に貢献しようと、SNSで犯罪自慢を行うアカウントの個人情報を特定する「DQNバスター」を名乗る。犯罪自慢をした剛田の自宅の写真をネットにアップロードして称賛されることに喜びを感じるが、逆に剛田に自宅を突き止められ、自らの糞を食べさせられるなど散々な目に遭って殺されかけたことで「どんな相手であっても、人の人生を左右する行為は自分も背負わなければならない」と反省し、ネットに実名と素顔を公表してDQNバスターを辞めることを決意する。
    めしあについていく形で訪れた新潟の田舎町での老人たちとの交流を切っ掛けに本来の優しさを徐々に取り戻し始め、意を決して家族に会いに行こうとした矢先に父の死を知らされる。しかし、葬式において父親が本当は自分を気にかけていたことを兄から伝えられ、さらに嫌いだったはずの兄がその場に現れた丑嶋たちに自分の借金の利子を完済させる計らいを目の当たりにし、今までの自分を悔い涙を流した。家族との和解後は真剣に生きることや働くことを本格的に意識し始め、最終的には自ら立ち上げたビジネスでよっしーに借金を返済できるまでに成長した。

    めしあ
    本名:飯野(いいの)。22歳から3年間、生活保護を受け続けている。SNSで知り合った佐古に起業の話を持ちかける。小学生のころにイジメにあい不登校を経験している。定時制に通っていたころに佐古にそっくりだった唯一の友人が自殺してしまったことを機に友達を失いたくないという思いが強くなり、佐古に借金を肩代わりさせて浮いた金で遊ぼうとしていた希々空に激昂し、出せるだけの金を佐古に返させた。

    ぬ〜べ〜ぬーべー
    めしあの高校時代からの友人で生活保護の受給者。インターネットもまともに見ることが出来ないほど集中力が無い。ただし、集中力が無いというだけで性格自体はまともであり、希々空に肩代わりさせられたウシジマからの借金を何とかするために金を借りようとした佐古を、「俺を友達だと思っているのなら、金の貸し借りはやめよう」と諭している。

    よっしー
    佐古の唯一のリアル友達。かつては運送会社で働いていたが借金を背負い、バイトを3件掛け持ちしながら返済を目指している。
    運送会社の宅配員として佐古の家を訪れるが、生活保護受給者で自分からも借金しているのにもかかわらず、レアもののフィギュアを買う佐古に憤慨し罵倒したことから、図らずも彼をネットの自警行為に至らせるきっかけを作る。
    しかし、佐古が自ら立ち上げたビジネスで得た資金で自身に借金を返済したことで彼を見直し、「ありがとう、お互い頑張ろうな」と礼を言っていた。

    希々空(ののあ)
    めしあのセックスフレンドで24歳。生活保護受給者だがウシジマに借金があり、その利息をたまたま居合わせた佐古に肩代わりさせる。佐古が借金の返済を求めると怒鳴り、たまたまいた姪のオムツを佐古に買いに行かせる。自己肯定感がかなり低く、奇矯な振る舞いが目立つ。物語最後には、障害者施設に入居している。障害者施設では部屋の中でも傘をさし、電子レンジに恋愛相談をしている。

    藤代 彩花(ふじしろ あやか)
    佐古がストーキングしている女性。デザイン関係の会社に勤めている傍ら、ドラッグストアでアルバイトをしている。作中で引っ越してしまい、SNSのアカウントに鍵をかけるが、それが間接的に佐古の自立を後押しする要因の一つとなった。

    三橋(みはし)
    佐古の担当のケースワーカー。生活保護を受けられるようになった佐古に働くよう提案するが、屁理屈で拒否され何も言えずに帰ることになる。
    その後、働き始め、やがて生活保護に頼らなくても済むようになりそうだと言う佐古を見て、その変わり様を嬉しそうに坂本に話した。

    坂本(さかもと)
    三橋の同僚のケースワーカー。女性の生活保護者を多く担当しており、卑弥子のような悪質な生活保護者に対しては辛辣である。

    卑弥子(ひみこ)
    35歳の元風俗嬢で、生活保護を受けていながらウシジマに借金している。自分の借金の利息を希々空から取り立てるように責任逃れをする。風俗嬢になろうとする女性に「講習」を行い、金を得ている模様。
    坂本の弁によると「継母がトラウマで働けないと偽り、密かに売春で金を稼いで築地で刺身や新しいバッグを買ったりしている。そうしたことをグループホームの職員に突っ込まれて退所を迫られたら、3階建てのマンションから飛び降り、命がけで生活保護にしがみついている」とのこと。

    丸井(まるい)
    新潟の田舎町でNPO団体『なんでもかんでも』を主催する男。元引きこもり。最初は挨拶の仕方も分からなかった佐古にきつく当たり「すぐに逃げ出すだろう」と見くびっていたが、佐古が雪かきやパソコン教室などで老人たちの信頼を得ていくと彼を評価していくようになる。
    元は引きこもりだったこともあり、子供のころからの経験が足りなさ過ぎてゲームや漫画に興味も示せず、銀行通帳一つ作れない仲間の引きこもり達のことを憂いて守ろうとする責任感の強い一面もある。ただし自身のNPO団体の収入は、自身の給料分しかなく、従業員の給料は補助金で賄っているのが現状。

    剛田 照己(ごうだ てるき)
    有名大学に通う悪羅悪羅系読者モデル。SNSで犯罪自慢を行ったことが原因でDQNバスターになった佐古に目をつけられ、ネット上に個人情報を暴露される。報復のため佐古を罠に掛け、自宅を突き止める。佐古に自らの人糞を食べさせ、その動画をネットにアップすることで報復を成功させたかに見えたが、一方で佐古の機転によりその一部始終を録画され、逆にネット上に晒されてしまう。その結果、大学から退学処分になったことを逆恨みし、工事現場から工具を盗んで、佐古の殺害を図るも、佐古が自分の身を守るために、自ら自身の個人情報をネットに公開したことを知り、本気の狂人であると呆れ果て、殺害を放棄する。

    以上のようにWikipediaで紹介される作品。
    真鍋昌平氏による著作。
    週刊ビッグコミックスピリッツ2012年第1号〜第7号、第9号〜第13号掲載作品。
    2012年5月2日初版第1刷発行
    電子書籍制作会社 株式会社昭和ブライト

    生活保護くん1~10

    冒頭でおばあさんに追加で3万円を貸す丑嶋であるが・・・家から出てきた孫にばーちゃん昼飯は?と聞かれ、知るかと答えるばあさん・・・
    ネグレクトの一種と言って良いだろう。
    ばーさんも母もくそ。
    以前のトレンディーくん編で出てきたテルミの子供達の食事も酷かった。その時は家にあるその辺のポテチを勝手に食えと指示していた。この知るか、と答えるばあさんの方がより酷いかもしれない。日本のド底辺とはいかなるものか。子供の食事など知ったことではない人間たちなのだ。
    その子にさりげなくパンを食べさせている丑嶋と高田。
    闇金ウシジマくんのさりげないワンシーンであるが、非常に印象深い場面である。

    生活保護くん・・マダオ(まるでだめなおっさん)ダメ男の極致といった感がある。
    役所に生活保護の申請に行くがあっさり却下される。
    鬱になった一因を親だと言う。
    もちろん完璧な親はいない。
    物足りない。もっとより良い指導や言い方のある親がいたことも事実だと思う。
    ただどの時代、どの国家に生まれていたとしても完璧なものはない。
    与えられた環境、与えられた能力でベスト、ベターを尽くしていくしかないのも現実だと思う。
    もちろん公務員やその組織に問題があるのも事実であると思うが・・・
    うんこ漏らしすぎやろ。
    この主人公。

    デザイナーで仕事している藤代 彩花(ふじしろ あやか)。事務職もそうだけどキラキラ職種は結局、人手不足時代と言われる今でも常に満席状態だ。彼女がドラックストアでダブルワークしているのもデザイナー会社の残業代が無いことも影響している。
    冷静に考えるととんでもないブラック企業だ。
    事務職希望とかキラキラ職種希望とか言わないこと。
    これが就職、転職における重要なことだと思う。



    印象に残った点

    あんたらだって人の税金で食ってるくせにエラそーじゃないか!
    俺の払った消費税分は俺の為に働けよ!バカ!

    君達は被害者だ。佐古くん。
    派遣社員をコキ使って、経済が傾いたら簡単に派遣切り。
    職をなくし、自信を奪われ、生活が破綻して勝手に生きなさいなんて勝手が許されていい訳がない。
    憲法が定めた生存権に基づき、国民の最低限の暮らしは国が保証するべきだ。

    毎日毎日オナニーして食べて寝るしかすることがない・・・

    あれこれ考える前に行動を起こさないと何も始まりませんよ。

    人と会わなかったり、外に出なくなると働く意欲もなくなるし、本当の寝たきりになってしまいますよ?

    今、世論では生活保護受給者に対して風当たりが強い。
    報道で不正受給者を扱ってる番組が増えたのも国民感情煽って法律を変える前フリと見ている。

    正直生活保護は1年でヤになる。
    生殺し、生きてるけど生殺しだお。

    元気がなくって暇なのは絶望的。
    どんどん気力がなくなるお~。

    人がいらなくなる世の中で、やりたい仕事はコネのある奴か本当に才能のある奴にまわっていく。やりたくない仕事をするくらいなら、生活保護のまま寝ていた方がマシ。
    でもそれでいいのか?
    それで生きていると言えるのか?
    僕らには時間がある。
    時間は使い方次第だ。

    汚れた世界にまみれてしまった朝は、清らかな世界に触れたい。

    アホ。金貸しは生かしてなんぼの世界だ。
    (搾り取れる内はな)

    動かなかったら機械はサビてダメになる。
    人間も一緒だ。
    俺は働いてるほうが気分イイよ。

    同業者集まると愚痴増えるけど理解者って大事だなと痛感。

    メンヘラは医者に作られるんだ。
    いい加減な精神科医は3分診断してすぐ薬だす。
    回転率上げて常連を増やし儲ける為にな。

    薬は依存するからやめたほうがいいのに、ヤブ医者は金儲けの事しか頭にねえ。
    あいつらがSランクのベンツ乗り回して愛人はべらせてるうちに、患者の人生が病んでいく。
    俺も心が病んでいた。
    でもここまで病むと思ってなかったし、医者を信じた結果、生活保護になった。
    生活保護受給者を支える側の納税者が疲弊している国で現状維持は無理だろう。
    だからって俺らのやりたい仕事もできる仕事もない。

    これ(薬)1シート4000円で売れるんだ。
    医療費タダだから仕入れ値はゼロだお。

    ネットで売ると足つくから知り合いに2000円で卸している。
    クラブとかレイブで知り合った奴らに売れるんだって。

    さこちんも医者からもらって金儲けしな。
    他人名義の通帳用意してやるお。

    生活保護者は15万円以上の貯金はアウトだ。
    福祉事務所が銀行預金には目を光らせてるからな。
    金の管理は気を付けないとな。

    さこちんもこれ売って起業の資金作ろうぜ!

    お金の使い方、管理の仕方で詐病か、本当に苦しんでいる人か分かる。

    本当に病気の人は絶対、贅沢品買わない。

    法律では(トラックドライバーは)4時間に一度休憩入れろって言うけど無理な話だよ。走行しながらペットボトルにオシッコして寝る暇もなく走り続けたよ。
    アラレちゃんのオートバイ小僧みたいに死ぬまで走り続ける感じ?

    俺はただの配達員だけど、誰かの役に立っている。

    生まれてきたからには誰かの役に立ちたい。

    2023/11/12(日)記述

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著者プロフィール

漫画家。神奈川県出身。1998年、『憂鬱滑り台』で「アフタヌーン」(講談社)四季賞夏のコンテスト四季大賞を受賞、同誌同年9月号に掲載され商業誌デビュー。2011年、『闇金ウシジマくん』(小学館)で第56回小学館漫画賞一般向け部門を受賞。その他著書に『スマグラー』『THE END』(講談社)などがある。

「2017年 『THE END クライマックス編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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