ザッポスの奇跡(改訂版)~アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略~ [Kindle]

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  • 2013年7月21日発売
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感想・レビュー・書評

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  • ザッポスという名前は以前から聞いたことがあったが靴をネットで売るくらいの認識しかなかった。本書の最初の方で書かれている、顧客へWoWを届ける、利益よりも顧客満足度を第一とするという経営方針を読んで、日本にも同じような会社があることを思い出した。それは長野県のタクシー会社、中央タクシーだ。自宅からわずか数十メートル先にある病院まで老人をタクシーで送る、タクシーの中で客がセーターを汚してしまい捨ててくれと頼まれたが翌日に洗濯して届ける、タクシーに乗らない車椅子を1時間かけて分解して乗せる、等々。ザッポスに負けない会社だ。

    本書の中盤から後半は読むのが辛くなった。ザッポス流、あるいはアメリカ流というのか、ユニークな採用手法やオフィスの環境作りや、ザッポス経営からの学びなど、心に響くものがないから面白くないのだ。ザッポスのように何もはめを外してド派手にやらなくたって中央タクシーのように実直な会社経営を行なっている成功例だって日本にはある。それからザッポスに学ぶ会社経営。僕が本書を手にしたのはザッポスという会社がどういう会社でどういうユニークな経営を行なっているのかということであって、ザッポスをケーススタディとしたビジネル論にはまったく興味がない。評論家に結果論を聞いているのではない。当事者が何を考え何を思い何をしているか、それをリポートしてくれればそれでいい。

  • 人への理解と、人へのエンゲージメント、そして人のエンパワメントを追求している組織であることがよくわかる。
    米国の会社だし、靴にまったく興味がないのでその凄さは、歴史上の理想郷の伝説の王国の物語でも読んでいるかのようだ。実際にザッポスで働いている人、元ザッポス社員、Amazonの人から見えるザッポスについても知りたくなった(Quoraにそういう質問ありそう)。

    トニー・シェイCEOの「会社は建築に似ている」という言葉が印象的。
    彼のザッポスを経営する前の専門はコンピュータ・サイエンスと投資ではあるが、建築物が利用者の行動を言葉で明示するのでなくデザインで促す(アフォーダンス)ように、組織文化を仕組みを総動員して醸成していることがよくわかる。

  • Amazonが買収したことで有名な、靴のネット販売会社のザッポスが、なぜ究極ともカスタマーサービスを提供できるようになったのか、その企業文化に迫ります。

    とにかく強調されるのは、その圧倒的な企業文化へのこだわり。どれほど実績があっても企業文化が合わなければ採用はされない。その中で選ばれた社員は、とにかくザッポスに傾倒し、顧客に”WOW!!”と感じさせるようなサービスを提供するために尽くす。
    いいなーと思う一方、やはり靴という難しい製品を取り扱う以上、なかなかこれでは利益は出しにくいんでしょうねえ。それでもきちんと人件費を出しているからこそ、社員のやりがいは保たれているんでしょうね。一回入ってみたい。

    本としては、途中から企業文化への礼賛ばっかりで、なんというか一面的だと感じました。それでもザッポスへの興味は高まりますし、”企業文化”という点に関心も高まりました。

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著者プロフィール

ダイナ・サーチ代表、ロサンゼルス在住コンサルタント

「2016年 『アメリカで「小さいのに偉大だ!」といわれる企業の、シンプルで強い戦略』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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