零戦 その誕生と栄光の記録 (講談社文庫) [Kindle]

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  • ジブリの映画「風立ちぬ」を観ようとおもい、映画のモデルとなった
    堀越二郎さんが著した零戦関連の本をKindle版で購入、読みました。
    読評はどれも高くて、「零戦」という日本の名機を生み出した
    日本の技術と完成者の努力を称賛するものばかりです。
    でも実際は、零戦は兵器です。異論はあるかもしれませんが、
    戦いに使う道具です。それによってなくなった人たちもいるわけです。
    (ご存知のように、特攻隊を含めて)
    そのような道具を、開発者自身が両手を上げて絶賛していいのか
    という気持が、読んでいる間に沸き起こってきました。
    原著は昭和30年代、高度成長まっただ中の時期に書かれたので
    著者の「戦争に負けても、日本はここまで復活したんだぞ!」
    という気持があったことは、行間から十分に伺えます。
    それならなおさら、零戦の開発及び戦闘中になくなった人たちへの
    鎮魂の念が表されてもよかったのではないかと思います。

    ちなみに戦争末期にロケット特攻機桜花を設計した三木忠直さんは
    のちに新幹線開発設計に携わっていますが、その理由を
    以下の様な言葉で残したそうです。

    とにかくもう、戦争はこりごりだった。
    だけど、自動車関係にいけば戦車になる。
    船舶関係にいけば軍艦になる。
    それでいろいろ考えて、平和利用しかできない
    鉄道の世界に入ることにしたんですよ。

著者プロフィール

1903年、群馬県生まれ。東大卒業後、三菱重工業に入社。零式艦上戦闘機を含め、雷電、烈風と、後世に語り継がれる名機の設計を手がけた。

「2012年 『零戦 その誕生と栄光の記録』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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