産霊山秘録 (祥伝社文庫) [Kindle]

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著者 : 半村良
  • 祥伝社 (2008年4月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (347ページ)

産霊山秘録 (祥伝社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 荒唐無稽伝奇娯楽小説の傑作。文庫版で500ページを超える大作だが、成田からジャカルタの飛行機の中で一気に読めた。

    本作は連作小説という形式をとっていて、主人公は皇室の存続を第一の使命とする「ヒ」一族。彼らは、テレポートやテレパシーの能力を持つ異能集団。本作は戦国時代、幕末、終戦の混乱期、冷戦といった動乱期の中での彼らの活躍および暗躍を描く。

    SF的要素もあるが、本作はまさに伝奇小説。例えば本能寺の変にはこういった裏の事情があったとか、アポロ11号の月面着陸のとき、なぜ中継にトラブルが発生したのかとかというエピソードが中心。ややもすれば、噴飯ものになりそうな題材であるが、話は練りに練られていて、妙に納得してしまった。
    また、戦争のない平和な世の中を目指す「ヒ」一族であるが、内部には悲しい矛盾を持っていて、ストーリーに厚みを与えている。
    とにかく面白い。

  •  名前はつとに聞いているもののこの人の作品を読むのは初めて。物々しいタイトルからしてまずは伝奇小説だなとの予想は当たったけれど、想像以上のスケールというか型破りさに驚いた。頃は室町末期、古代から伝わるヒ一族なる超能力をもった一族が暗躍を始める。やがて織田信長の天下取り、それに荷担した明智光秀もその流れであって実は本能寺の変の真相はという話につながる。その後の関ヶ原合戦から江戸幕府までの家康の隆盛もまた陰の力あってこそ、というあたりのスケールの大きな話になって前篇は終わる。そこまではいい。さて後篇はとなると突如時代は江戸中期に飛ぶ、さらに幕末の志士の時代がでてきてなんと次は太平洋戦争末期から戦後へと舞台はどんどん飛ぶ。どこがどうつながっているかというとヒ一族の類い稀なテレポーテーション能力は時として時空を超えてタイムスリップしてしまうからだ。かくして安土桃山から昭和へ飛んだ男があり、またなんと月面まで飛んでしまった男ありというものすごい話になっている。さすがにこのあたりはついていけん。前篇くらいでまとめておけば伝奇小説としてまずまずの出来だと思うけど後半はなあ。すごいというよりは支離滅裂なのでは。

  • 角川文庫上下巻で持っていたのがいつのまにか下巻が消失していたので、Kindleで購入して再読。
    高皇産霊神の末裔であるヒの一族が日本の歴史を影で支えていたという設定で、信長の時代から現代までの変遷を描いた壮大な話。
    昔読んだときは荒唐無稽ともいえるストーリーやヒ一族の超能力にただワクワクしたが、今回はそれよりもヒやオシラサマの苦悩を通じて語られる著者の哲学というか生命観が印象に残った。『妖星伝』にも通じたところがある。何にせよ、伝奇SF小説の傑作。やっぱり半村良はいい。

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