くちづけ [DVD]

監督 : 堤幸彦 
出演 : 貫地谷しほり  竹中直人  宅間孝行 
  • TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
3.90
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感想 : 50
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988101173518

感想・レビュー・書評

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  •  知的障害者の自立支援施設”タンポポ荘”に住み込みのスタッフとして、休業中のマンガ家”愛情いっぽん”とその娘のマコが新たに入所する。二人は施設のスタッフや他の入所者とも打ち解けるのだが…

     俳優さんの演技がどの方もすごかったです。いっぽん役の竹中直人さんはじめ、入所者の家族や施設のスタッフ役の人たちはもちろんなのですが、
    マコ役の貫地谷しほりさんをはじめ知的障害を持った入所者の役を演じた俳優さんたちの演技がどれも真に迫っていたと思います。

     障害者同士のピュアな恋愛、父親の愛情、姉弟の絆などヒューマンドラマとしても秀逸な作品ですが、鑑賞後心に残ったのは知的障害者をめぐる現状でした。

     障害者年金を使い込む保護責任者、自活することができず犯罪を犯したり、浮浪者となってしまう障害者、偏見にそして介護の問題…、西暦は2010年を越えたのに未だに問題は山積みです。

     映画の中のセリフで印象的だったのが「抱えることの大変さを知っているから、簡単に誰かを頼れない」といった趣旨のセリフでした。

     その大変さを、誰かと簡単に共有できることができる社会が来れば、上記の問題も映画内で起こった悲劇も起こらなかったのかもしれません。

     目をそらしたくなる問題に触れた作品ではあるのですが、それでもいろんな人に見てもらってほしい映画でした。

  • 大好き!
    の気持ちが、こんなにも嬉しくて幸せで、なのに重くて悲しくて、どうしようもなくて切なくて
    とても泣けて泣けた作品だった

    うーやんやマコちゃんたちのピュアさが可愛かった

    マリコさんの「奇跡が起きたの、奇跡が」と心底驚くところが好き

    (見てないはずなのに、なぜかあらすじを知っていて、すごく不思議な気分で見た。なんだろう、テレビで特集か何か見たのかなぁぁ)

  • バリからジャカルタに行く飛行機の中で見た映画。

    その時は、日本ではまだ未公開の映画だった。

    今までで一番泣いたかもしれない映画。

    最初はかなり面白い。途中までもかなり面白い。

    でも最後に近づくにつれて涙が止まらなくなる。

    たぶん、お父さんは責任感が強すぎて、1人で抱え込みすぎちゃったんじゃないかな。

    人に頼るのが苦手な、不器用な人なのだと思う。

    なんだか、もう半年前に見た映画だけれど、

    すぐ思い出して、悲しい気持ちになってしまうが、

    この映画は、絶対見た方が良いと思う。

  • あぁ、ただただ、涙がとまらなかった映画でした。
    どうして…何で…。どこかに救いを求めることは難しかったのでしょうか。
    うーやんの演技すごいなぁと思って調べたら、もとは彼の脚本で舞台の作品なんだ!
    だからつくりが演劇ぽかったんだな~。

    それにしても、障害のある人を支える余裕がこの社会に無くなってきているのかなぁ。みんな自分のことで精一杯で。
    私はいっぽん先生がしたこと、あってほしくないけど、絶対に間違いだ!と言うことも出来ない。
    本当は、障害のある子のお父さんお母さんが、安心してさきに旅立てる社会だったらいいのにね。

    気づけば私、橋本愛ちゃんが出ている映画をたくさん観ているけど、怒る演技がいつも同じような…。ツナグの時の絶叫はすげぇ!!!って思ったけど、今回はちょっと浮いてた感じだったな。

  • この映画を観た翌日まで、気分が晴れない、モヤモヤとした、悲しい気持ちで胸がいっぱいになりました。登場人物の誰一人として責められるような人がいないのです。悪者がひとりでもいれば、この悲しい気持ちをそいつのせいにしてスッキリしてしまえたのに。橋本愛ちゃんのクラスメイトの発言も、きっとそう。彼女も悪者ではありません。
    実際に起こった事件をもとにしたということもあって、社会問題の提示がたくさんあります。ハッピーなパッケージとは裏腹にたくさんの現実を突きつけられます。一種のドキュメンタリーです。

  • 「はじまりのみち」「くちづけ」を同じ日に鑑賞したが、種類は違うがどちらも泣ける作品だった。映画観て泣いたのひさしぶりだった。
    とにかく劇場予告を観て以来、気になっていた作品。

    「ちりとてちん」のヒロインだったことは知りながらも、朝の連ドラ観ていなかったので、
    個人的には「パレード」以来の、その存在感が気になっていた貫地谷ちゃん。
    意外にもこれが映画初主演ということと、知的障害という難しい演技をどのようにするのか、
    ストーリーも含めて興味津々だった。

    映画の公開と前後して、ニュース「アンカー」で特集していた、同様のテーマについての特集も観ていたので、いいタイミングだったと思う。

    ストーリーに関して、何の予備知識も入れずに観に行ったのだが、
    途中から、勘の悪い私でも、ぼんやり悲しい結末が待っている事にようやく気づかされ、
    どうしようもなく涙したが、ただのお涙頂戴ものではなく、
    はっきりとテーマがあり、それを作品として我々に投げかけてくれた、
    貴重な作品だと思う。

    もともとお芝居だったものを映画作品にしているということで、
    「キサラギ」以来の密室系?ワンステージものだったのが新鮮だった。

    貫地谷ちゃんはもちろん、宅間孝行を、この作品を通じてはじめて知ることになるのだが、
    これまたすごい人がいたものだ!
    うーやん。
    歴代忘れられないひとりになりそう。

    ちょうど時期的に観ていた、過去の作品ではあるけれど、「SP」にて重要人物を演じていた平田満氏が、ここではとってもいいお医者さんの役でほっ。
    橋本愛ちゃんも、あまちゃんでのユイちゃんとはまた違った高校生をピュアに好演。

    折に触れ、また観たい作品。

    http://onionmovie.jugem.jp/

  • TVにて
    流石の宅間孝行(舞台と違って表情が少し大げさな感じがしたけれど)悲しみの中にも笑いあった時間が確かにあったことを歌い上げている.実際にあった事件がベースにあること,とても考えさせられた.

  • 私にとっての良い映画とは、鑑賞後に大きな余韻が残る作品です。何かを考えさせられたり、大きく感情を揺さぶられたりする映画のことです。異論はあれども。

    今作はそのどちらも満たす名作でした。知的障害の娘は一人で生きていけるのか、死期が近い父親が娘の今後の生き方について悩む様が描かれています。孤独になった知的障害者は刑務所やホームレスになってしまうのか。そんな不安も父親は吐露します。

    鑑賞後、自分が父親(いっぽん)だったらどうしただろう、と自問してみます。自分の娘を手にかけることはできないと言い切ることができるのか、正直分かりません。自分が死んだあと、孤独に荒んだ生活を娘が歩むのを分かっているのであれば、本人の幸せのためにも、今が幸せならば尚更いま手にかけるというのも分かります。分かりますが・・・どこかで「いや違う」という感情も自分にはあって・・・という風に鑑賞後も考えてました。

    また出演者陣の演技も秀逸でした。自分はあまり知的障害者と接する機会は無いので、演技がリアルかどうかは判断できませんが、知的障害者らの目線の動きや細かな挙動は、違和感なく見れました。また父子の愛情がとても深いことが各シーンで描かれており、それが終盤のシーンに活きて涙を誘います。

    本作では知的障害者に対する社会の支援も必要ではないか、という問題提起も父親の口から語られます。社会全体でサポートがいまだ十分に行き届いていない、と言うのは簡単ですが解決するのはまだ難しいように感じます。それでもこうした作品に触れるだけでも、福祉の問題について考えるいいきっかけとなるのではないでしょうか。

  • 2013

  • 言葉にならない。すごく考えさせられる作品。
    できるだけ多くの人に見てほしい。

    俳優さんの演技が抜群。

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