零戦撃墜王 (光人社NF文庫) [Kindle]

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  • 潮書房光人新社
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  • 昭和30年に没した岩本徹三氏がノート3冊に書き留めていた手記を本として出版したもの。秦郁彦氏が監修している。今日の話題社の本を文華堂で購入して読んだのが20年以上前。電子書籍を購入して久しぶりの再読。

    最近は軍艦に対する知識が広まっているおかげで、前半の母艦搭乗員時代の話もよく頭に入ってきた。瑞鶴搭乗で真珠湾、インド洋、珊瑚海海戦を戦っている。

    興味深いのは、多くの日本人パイロットが零戦についてあまり細かく記録しないのに比べ、本書では何型か、番号は、マーキングは、などについてある程度の記述がある(まったくない手記の方が多い)。

    大陸から瑞鶴乗組みのため内地に帰って、そこで96艦戦から零戦21型に乗り換え(この部分は記述なし)。

    真珠湾から帰国後、鈴鹿の三菱の工場で零戦32型を受領。以後珊瑚海海戦まで瑞鶴の戦闘機は零戦32型と分かる。また、この型から無線電話を搭載。

    ラバウルではふたたび21型となり、高空性能の不足を指摘している。

    ラバウルで昭和19年まで戦っているのでどこかで52型に変っているはず。22型も搭乗した可能性がなくはない。無線電話搭載機は22型以降と考えられる。

    沖縄に夜間単機の偵察に出たとき、13mmを発射しているので52型丙に搭乗していたことが分かる。

    以後13mmの記述はなく、終戦まで通常の52型だった模様。

    大戦中の空中戦の常で、実戦果はおそらく記述の1/3程度とは思われるが、撃墜確認も数多く記されており、岩本氏がトップエースの一人であることは疑いない。空中戦のときの判断や行動もそれぞれ理に適っており、撃墜戦果の実際がどうあれ優れた兵士であることは間違いない。

    この苛烈な戦いの記録より国を守る者の誇りと国土の平和をいつまでも大切にしてゆきたい。

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