質問力――話し上手はここがちがう (ちくま文庫) [Kindle]

著者 :
  • 筑摩書房
3.71
  • (6)
  • (12)
  • (11)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 158
感想 : 18
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (168ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 最近、すごく質問上手な同僚と一緒に仕事をしています。
    煮詰まった会議において、彼女が発するひとつの質問で場が再度盛り上がる、なんて状況を何度も目撃し「これは彼女の才能なの? それとも何かウラがあるの?!」と疑問に思っていたところに「質問力」というワードを目にし、飛びつきました。

    彼女の質問は何か特別な単語が使われるわけでもなく、奇を衒った表現になっているわけでもないのに、なぜか会議メンバーの口を開かせるパワーがあるんです。
    この本を読み、それが「具体的で本質的な質問」になっているからだ、と気づき目からウロコがポロポロ!

    彼女にとって天性なのか、磨きをかけてきたスキルなのかは分からないですが、少なくても才能に欠ける私としては、この本を熟読して実地で練習して、うまい質問を繰り出せる人間になりたいなぁと思うところです。

    コミュニケーションスキルを学びたい方にもとてもオススメです。

  • 齋藤孝さんの著書。
    コミュニケーションを円滑に行うテクニックで答え方が重視する本が多い中、質問を主題にし、初めて会う人とであっても有意義で濃密な対話を行うための質問力を鍛える方法と実際の質問力が高い人たちの対談の一部が示された一冊。

    序盤はいい質問とはどんな質問かを3つの座標軸を使って解説している。
    1つ目は横軸を具体的・抽象的、縦軸を本質的・些細で示したもの。「具体的かつ本質的な質問」が最もよい。
    2つ目は横軸を自分が興味がある・ない、縦軸を相手が話したい・話したくないで示したもの。「自分も相手も興味があり、話したくなる質問」が最もよい。
    3つ目は横軸を相手の経験に沿っている・沿っていない、縦軸を現在の文脈に沿っている・沿っていないで示したものである。「相手の経験に沿いながら、今の話の流れにも沿っている質問」が最も良い。
    これら3つの座標軸を介して質問を分析することで質問をレベル化し、技としてとらえることができるようになる。そうすることでようやく「質問力」を実体化し、鍛えることができるようになる。

    中盤から後半にかけては著者が厳選した良い質問を実際の対話の一部を抜き出してどこがすごいのかを解説し、質問力を上げるために意識するポイントを解説している。

    終始難しい内容が続き、ページ数は少ないもののかなり濃密な内容になっているので、少しづつ嚙み砕きながら読み進めることをお勧めする。おそらく何度も読み込まなければ理解しきるのは難しいと感じた。
    特に中盤から後半の厳選した良い質問の考え方はいままで意識してきてない考え方なので、理解するには時間がかかる。たまに読み返して繰り返し理解に努める必要があった。

    質問力はビジネスマンだけでなく人と関わる全ての人が身に着けておくべき力なので、1段レベルアップしたコミュニケーションをしてみたい人はぜひ読んでみてほしい。

    本書のキーフレーズ
    質問は思いつくものではなく、練り上げるもの。

  • [いい質問とは]
    ・具体的×本質的
    ・自分の関心×相手の関心
    ・過去の経験×現在の文脈
    [いい質問をするために]
    ・「好き」偏愛マップ、共通項・共感
    ・「苦労」寄り添う・共感する、専門性を引き出す
    ・「変化」ターニングポイント、過去と現在
    ★勉強と準備➡️信頼
    [最高の質問とは]
    ・本人にインスパイア(勉強・準備➡️テーマ)
    ・偉人をつくる(孔子、キリスト)

  • 私はカウンセリングやコーチングをお仕事にしているので、この内容は、自分が身につけたいポイントを得るためにサラッと読む一冊という感じでした。

    専門家ではなくても、コミュニケーション能力の長けた人は、自然とやっているでしょうし、そういう対談をピックアップして特徴を述べてくれているのもわかりやすくてよかったです。


    自分の本音を引き出してくれるのは、質問のちから。
    私自身も、自分で自分に的確な質問をしながら、自分の潜在意識・潜在能力を最大限に活用させて生きていきたいものだと思います。

  • ○3色ボールペンによる質問力強化
    ○具体的かつ本質的などその質問の立ち位置を
    常に理解しながら質問をする
    ○沿いつつずらすは変化を
    ○谷川俊太郎33の質問

  • 相手が苦労している事柄で表に出にくいポイントに関して聞く

  • 仕事でもプラベートでも、円滑な関係性を築くために必要なコミュニケーション能力の質問について、具体的に書かれている本です。

    私も話し手から多くの話題、情報を引き出すために聞き上手になることが大切だと日々感じており、
    聞く姿勢(傾聴力)を身につけて質問力を高めることで、自分より人生の経験値の高い方、知識が豊富で知的な方と話す機会が増えました。

    また、機会が増えると会話から質問の質(能力)も高まり、成長に繋がります。
    自分自身がステージを上げていくとより様々な事業の経営者の方々、素晴らしい経歴をお持ちの方々と縁ができ、お会いする機会も増えました。
    聞き手に徹しながら、何か事業拡張に活かせる事はないか、どうしたら好転的に進むか、何かヒントはないかと考えることを意識し、一期一会の出会いを大切にしてます。

    現在、コレド日本橋でセレクトショップstyle table、治療院事業であるR& -ランド-を立ち上げて会社経営をしています。
    質問して聞き手に徹して、もっとよりよいサービスを提供できるよう、日々事業に取り組んでいきます!

    東京にstyle table コレド日本橋店を出店していますので、お近くに来た際は足を運んで頂けるとありがたいです。

    https://styletable.jp/shoplist/coredo-nihonbashi/

    昨年 品川・五反田エリアにて、"治療院「R&-ランド-」"をリニューアルオープンしました。

    https://rand.atti-daihyo.com/

    地元広島では介護事業 及び 女子サッカーチームのサンフレッチェ広島レジーナのスポンサーにもなりました。

    https://www.sanfrecce.co.jp/news/regina/6782

    どの事業も一人一人の力が大切で、
    密なコミニューケーションをとりながら
    優秀なスタッフと共に目標を達成した結果です。
    スタッフの皆には日々とても感謝しております。
    「日本一の経営者になる」という目標に向けて行動していきます。

    株式会社アッティ
    代表取締役CEO
    梁燦久(リャンチャング)

  • 対談は回答する人の答えにばかり注目していたけど、それを引き出した質問にも注目して見るようにしていきたいと思った。

  • 相手の興味と自分の興味が重なる質問。
    質問力が高いと有益な情報を引き出せる。
    宇多田ヒカルの事例が興味深かった。

  • - [ ] 感想
    社会人の方だと、ああ、そうかという内容ではあるが、この本の最も優れていることは、多くの人が無意識に通り過ぎているコミュニケーションの極意を言語化したところだと思う。
    それで、この文庫本というのは安すぎると思います。


    - [ ] メモ
    - [ ] 良い質問とはなにか
    - [ ] 具体的かつ本質的な質問
    - [ ] 「美とは何でしょうか?」「最近美しいと思ったことは何でしょうか?」
    - [ ] 相手が話したくて自分が聞きたい質問
    - [ ] 例えば、頭を整理させてくれる質問
    - [ ] 質問とは、相手の状況、相手の興味、関心を推し量り、自分の興味や関心とすりあわせてするものである
    - [ ] 現在と過去が絡み合う質問
    - [ ] 今ここでたった一つ許される質問はなにか?
    - [ ] 沿う技
    - [ ] うなづき、あいずち
    - [ ] オウム返し
    - [ ] 相手と自分の共通点(=好きなもの)を探す(手塚治虫の虫の話)
    - [ ] 苦労したことを聞く
    - [ ] 褒める;「今の話で大事なことが20個ぐらい出てきたので全て打ち返すのが難しいですが…」「〜さんは素晴らしい美意識をお持ちですが、〜さんからみて映画の美とはどのようなものでしょうか?」
    - [ ] 言い換え;「これは別の〜と似ていますか?」→持ってきたものが相手の経験世界にもあれば「よくぞわかってくださいました」となる。
    - [ ] ハイレベルな沿う技
    - [ ] 相手の話の中のキーワードを見つける
    - [ ] さらに、「自分のキーワードで言えばこういうことだと理解しました」と伝える
    - [ ] 構えづくりの技;谷川俊太郎の「相手が上機嫌だったらってありますが…」
    - [ ] 身体的な言葉を使って距離を縮める;「クソジジイ」
    - [ ] 相手を勉強したからこそできる沿う技
    - [ ] 相手の変化についていく;古田
    - [ ] 1つだけ脱触発されないが2つ並べると見えてくる
    - [ ] 劇的に変わった瞬間は相手は熱く語る:工夫したり、努力したことがある
    - [ ] 本質的かつ専門的な質問
    - [ ] 苦労話を引き出すことができる;カメラワーク、羅生門の雪など
    - [ ] 素朴だが本質をついた質問;少年のような質問
    - [ ] ずらす技
    - [ ] 具体的にどういうことなんですか?
    - [ ] ずらすコツは抽象と具体の往復
    - [ ] いきなり抽象を聞くというのもあり
    - [ ] 小熊英二;村上龍に対するタコが着陸する共同体はあるのか、という話
    - [ ] 相手の言葉を自分に引きつける:「そのうちどこかで引っかかってください」
    - [ ] 「私個人の話になりますが…」と断っておくことで、話題を自分の方に持っていないと伝える
    - [ ] 「私個人の暦の話になりますが」
    - [ ] 引きつけて絡ませることができる
    - [ ] クリエイティブな質問力
    - [ ] 答えている当人が思いもしなかったことを導き出すような質問
    - [ ] 共感を呼ぶ質問:「同じニューヨーカーとして〜」「同じ作りてとして聞くが〜」
    - [ ] 物事の結果より経緯について聞くほうが得ることが多い
    - [ ] テーマを持った質問は話を深める可能性が高い:アクターズスクール:「子供の目を通して作品を〜」
    - [ ] その人の根幹をなす本質的なテーマ
    - [ ] 質問が短いのに答えが長いのは、パワーを持った質問である
    - [ ] 相手について勉強していて他の人が気づかないようなことを聞くのが信頼を得る一つの方法
    - [ ] 相手が苦労しているが表に出ないのは大事な方法

全18件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在明治大学文学部教授。教育学、身体論、コミュニケーション論を専門とする。2001年刊行の『声に出して読みたい日本語』が、シリーズ260万部のベストセラーとなる。その他著書に、『質問力』『段取り力』『コメント力』『齋藤孝の速読塾』『齋藤孝の企画塾』『やる気も成績も必ず上がる家庭勉強法』『恥をかかないスピーチ力』『思考を鍛えるメモ力』『超速読力』『頭がよくなる! 要約力』『新聞力』『こども「学問のすすめ」』『定義』等がある。

齋藤孝の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×