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感想・レビュー・書評
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高校時代、読書感想文の為に購入。
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この本って大体どこの図書館にも置いてありそうだけど、どんな話か知らなかったし、手に取ったこともなかった。
児童文学だし軽く読めるだろう、と思って読んでみたが、兄弟の中で末っ子のにんじん少年だけが母親から差別的待遇を受けている出来事が羅列されており、こんな本を子どもに読ませて大丈夫か?という内容だった。
読みやすい文章でわりと淡々と書いてあるので読むこと自体はしんどくはない。
にんじん少年が、母親からの折檻の雰囲気を察知しただけで身を竦めて、言葉もしどろもどろになってしまうのが悲しい。
一方で、にんじん少年の言動もかなり心が病んでいることを感じさせるところがあって、そこが母子が相容れない要因となっているようにも思える。父がうまいこと間に入ってくれれば良いのだが、この父親も家族の関係に関しては何にもしない。
ラストでは一応今後の関係が変化しそうな出来事が起こるのが救い。ここで父親がやっと動くのだが、こちらの期待とは違うことを言う。なんなんだお前は。
にんじん少年の主観による物語であるためか、母親がなぜそのような態度でにんじんに接するのかが明らかにされていないところが、モヤモヤとした読後感として残っている。いろいろ語りたくなるうまい手法。
母親の指に釣り針が刺さる場面があるが、そこがスプラッタ映画顔負けの痛い描写。
こういうのをスプラッタではないくゴアというらしい。 -
”私の心の底を、私はどうしても見ることができない。そこではローソクの灯が消えてしまう。清純な空気がないので。 ”
人間には多様な面があることがよく描かれていると思った。 -
にんじんと呼ばれる末息子。母親をはじめ家族からの愛情に飢えている。何を読み取ればよいのだろうか…少し難しかった。