楽しい古事記 (角川文庫) [Kindle]

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著者 : 阿刀田高
  • KADOKAWA / 角川書店 (2006年7月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (175ページ)

楽しい古事記 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

  • 阿刀田高の古典解説シリーズ、古事記版。このほかにも、新/旧約聖書やギリシャ神話、源氏物語、イソップ物語など、あるようです。
    この阿刀田さんシリーズは、聖書とギリシャ神話は、10代の頃に読んだ記憶があります。そのおかげだけではなく、聖書とギリシャ神話に関しては、なんだかんだ言って有名なエピソードや有名な神様の名前くらいはなんとなく知ってるんですよね。聖書はミッション系女子校に通っていたときに本体に触れているし、ギリシャ神話は、子供の頃よく読んでいた星座の本に物語が紹介されていました。それから最近でいうとまんが「聖☆おにいさん」とか。
    それにひきかえ、日本の神話って私知らない!という思いがずっとありました。プレステのゲーム「大神」は日本の神話を基にしたRPGで、主人公はアマテラス(姿は可愛い犬ですが)、スサノヲがオロチからクシナダちゃんを救う話があったり、最終ステージは高天原、因幡の白ウサギなんかも出てきました。で、その大好きだったゲーム「大神」が日本の神話をもりもり使っていることは明らかなんですが、元ネタ知らないなーというもやもやはずっと感じていました。
    またこの「たのしい古事記」の中では、「童謡でも有名ですね」とか言って歌詞を引用している箇所もいくつかありましたが、それらの歌も不思議と知らない・・・。
    聖書やギリシャ神話の物語にはなじみがあるのに古事記の物語は知らないって、日本人としてどうなのかしら。人はどこで古事記を知るものなの?「古事記」「日本書紀」というタイトルは歴史の時間に覚えるけれど。
    わかりやすくい解説本があれば読んでみたいと思いつつも、極端に、天皇家万歳!系の本や、逆に天皇家嘘ばっかりや!系の本にあたってしまっても嫌だしなー。と思っていたら、聖書等で読んだ実績のある阿刀田高さんが古事記も書いていることを知り、これ幸いと読んでみました。

    以下、自分用備忘録。本書の構成とは無関係に、古事記の上中下巻に分けて記述。

    ■上巻
    [国生み]
    *イザナギ・イザナミがまぐわって子(島)を産む。淡路島、四国、隠岐、九州、壱岐、対馬、佐渡、本州の順に。古代、日本の中心は西日本だったんだなーという感じがします。
    [黄泉の国探訪]
    *さらにたくさんの神様を産む。火の神を産んだときにイザナミ、命を落とす。イザナギ、イザナミに会いに黄泉の国へ。イザナミに、私の姿を見てはいけないと言われたのに見てしまい、イザナギはイザナミとその(黄泉の国の)仲間たちに追いかけられ、やっとの思いで大きな岩を転がして黄泉の国の出入り口をふさぐ。イザナミ「この恨み、忘れないわ、あなたの国の人間を1日に1000人ずつ殺してやるから」イザナギ「そっちがその気なら、こっちは1日に1500人ずつ誕生させてやるから」こうして人口が増加していったらしい。
    [三柱の有名な神様誕生]
    *イザナミを振り払ったイザナギが、日向の国の河口で身を清めていると、またもやぽこぽこと神様が生まれる。最後に顔を洗うと、左の目からアマテラス大御神(女)、右の目からツクヨミ(男)、鼻からスサノオ(男)が生まれる。アマテラスは高天原(天の国)を、ツクヨミは夜の国を、スサノオは海原を治めなさいということになる。
    *が、スサノオは黄泉の国のママに会いたいとごねたため、イザナギに高天原から追い払われる。イザナギは3人の子供に未来を託して隠居生活に入る。近江の国の多賀神社がその隠棲の地と言われる。
    [天岩戸]
    *高天原から追放されたスサノオは姉アマテラスに挨拶にいく。しかしアマテラスは、弟がまた悪さをしに来たと思い込み武装して迎える。そんなつもりはないスサノオだが全然信じてもらえず、ここで子産み対決。これは神々が行う誓約(うけい、と読む)という習慣で、誓いを立てて神に祈って天意を問... 続きを読む

  • 1300年も昔に書かれた古事記について、分かりやすくユーモアたっぷりに語るエッセイ。
    職場の、世界遺産と旅行が好きな同僚の方に「世界史の本を読もうと思ってるんだけど…」という話をしたら、「世界史よりまず日本史を読みなさい」ということで、この本を推薦いただきました。
    実際に読み始めてみて、確かにこの本はとても読みやすく、「古事記」のとっかかりとして優れているなぁと感じています。
    神様の子供がのちの天皇だったり、神様が放り投げた岩が遠く離れた地の神社で祀られていたり、神話と日本の歴史が交錯する、歴史と地理の勉強になりつつも興味深い。
    物語と歴史が渾然と入り混じっている古事記。やっぱりお話しとして面白いのは、個性的な神様たちが活躍する前半部分かな。天岩戸のお話しなど、小さい頃に読んだ話もでてきて、懐かしさもかんじました。

  • 古事記ってちゃんと読んだことはなくて、でも今さらちゃんと読む気もあんまりしなくて、解説本も本屋でたまに平積みされてたりするけどいまいち面白そうなのがなくて、、という状況でまぁこの本なら読んでみてもいいかなと初めて興味をそそられた本。

    阿刀田高の本は初めて読んだんだけど、
    語り口が軽やかでなかなか楽しかった。
    さすが楽しい古事記。
    解釈とか歌の訳とかけっこう思い切ってるんだろうとは思うけど、
    登場人物の感情を強調してくれてるのでとても読みやすです。

    古事記自体はちゃんと読んだことなくてもやっぱり知ってる話は多いもんでした。神話の時代なんかは特に。時系列は知らなくても話しとしてはほとんんど知ってた。
    そして読みながら思い出したのは手塚治虫。あぁ、あれ古事記から取ってたんだ。みたいなのがいっぱいあった。

    政治的な意味はありつつも伝説、伝承的な意味合いも強い。
    いろいろ想像する余地があるとやはり楽しいものです。

  •  阿刀田高さんの、古典解説的読み物シリーズです。
     ちなみに2014年現在79歳だそうです。この本は2000年の出版。
     是非長生きしてゆっくりでも執筆活動を続けて欲しいものです。

    「ギリシャ神話を知っていますか」も面白かったですが、コレも、面白かったです。

     つまり、古事記の面白そうな要点部分を、楽しく読ませてくれる本。語り口が分かりやすく、文字通り楽しく読めました。

    無論のこと、

    「書かれてることが史実なわけはなくて、
    古事記が作られた当時の権力者さんが、
    都合の良いように書いているんでしょうね。
    そういう意味では嘘って言えば嘘だけど、
    きっと事実の影が潜んでるんでしょう。
    それに、嘘だとしても、
    その当時の人が想像して創造できるものって、
    こうだったんだなー、と思うと面白いですね」

     という感じなわけです。

     とにかく面白かったのは。
     古事記が作られた当時。まあ、天武天皇時代くらいなんでしょうか。その時代の日本の権力者たちは、まだきっと、仏教を形だけ取り入れたくらいですね。
     まだ、体系だった宗教や思想というのは、全くなかったんでしょう。様々な民族が不条理に迫害し合って、結束や存在意義を問われるような、そういう大陸的な苦難や受難は、無いわけですから。
     だから、こう、戒律というかモラルというか、まだまだそういうの無いんですよね。
     僕も不勉強ですが、その後、日本では日本なりの大らかな仏教がもうちょっと根を下ろしますね。きっとその、かなり日本的になった仏教、がモラルをリードしたんでしょう。
     そして平安末から鎌倉にかけて、地方の生産性がやや上がってくる。つまり、地元の人でも多少、力のある人が出てくる。武士の誕生ですね。
     そうすると、富の分配について、京都の貴族の一極集中が無理になってくる。だって理不尽だもん。それに対抗する「地元利益誘導型の代議士」みたいな武士の棟梁が出てきますね。
     そこで恐らく、「土地に密着して土地を持つ者」が、以前より増えたぶん、ムード的な曖昧な仏教の上に、そういう武士階級の資産保全に利するモラルが出来るんでしょうね。つまり結局は、

    ●資産保全(=棟梁親分一家のパワーバランスの維持)
    ●資産相続(男尊女卑、長男優先、家名最優先)

    ですからね。

     閑話休題。
     何が言いたいかっていうと。
     古事記を読んで思ったのですが。

     日本はキリスト教じゃないです。仏教も、まあ雰囲気だけしか日常の戒律としては意味がないです。

     やっぱり、上記の鎌倉時代以降に本格的に浸透してくる、儒教。主に江戸時代なんですが。その、日本的に解釈された儒教~朱子学的な考え方が、唯一モラルなんです。まあつまり、それ以外は、家の保全のための、利害のための、なんとなくの道徳っぽいものしか、ない。
     それが良いか悪いかという話ではありません。

     儒教、というお話で言いますと。
     想像ですが、鎌倉時代は元寇とかあるし、そもそも中国側もモンゴルの延長の「元」だったりするんで。
     その前の、平安時代。つまり空海・最澄・遣唐使時代。それから平清盛&日宋貿易時代。それから、南北朝室町の、「明」帝国の時代。その辺りで、日本人の中のインテリ層には、最新のモラルとしての儒教が徐々に入ったんじゃないかと思うんですね。
     まあつまり、「論語」です。「孟子」です。宋学です。朱子学です。

     それが、江戸自体に一気に日本国内でも濃く醸造される。鎖国と、

    「徳川家維持の為には、都合の良い保守的な思想だったから」

    ですね。

    ●親に孝行。従う。
    ●夫に貞操。従う。
    ●兄に従順。従う。
    ●君に忠誠。従う。
    ●体制上目上年上のものに、とにかく... 続きを読む

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