玩具修理者 (角川ホラー文庫) [Kindle]

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著者 : 小林泰三
  • KADOKAWA / 角川書店 (2002年12月13日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (121ページ)

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玩具修理者 (角川ホラー文庫)の感想・レビュー・書評

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  • たぶん、お姉ちゃんが考えた壮大なドッキリなんだよ。そう思わないと、怖すぎる。

  • 「酔歩する男」が好き。これほど恐ろしいタイムリープものを初めて読んだ。

  • 猟奇的で不気味な玩具修理者の話が淡々と語られる表題作の「玩具修理者」は、大変私好みの話でした。
    自らの世界が壊れてしまうようなラストが良いです。
    「酔歩する男」はタイムリープもの。
    哲学や物理系が苦手なので小難しい話にくらくらしつつも読了。
    時間を移動する、なんて、良いもんじゃないです。ホントに。

  • 表題作は、奇妙な描写がどんどん頭の中で想像が膨らんでいって、とても楽しめた。
    オチはありきたりと言われればそうかもしれないけど、あまり勘繰らず読んだので素直にドキッとした。

    もう一作は、なかなか頭が付いて行かず少し理解に苦労をしました…
    物語の大枠は理解できるけど、理屈的なことを完璧には理解できなかった。理系の話が苦手なもので…

  • 角川ホラー強化月間。今回は、表題の短篇1篇はホラーかな?(怪談?)という話だけど、もうひとつはやや長編SF。

    表題作は、ちょっと怖い話。ホラー文学賞短編賞ってのを受賞しているらしいが、横溝正史などで有りそうな話。問題は(?)もう1篇の長編だ。過去の過ちを修正するため、脳内に粒子線(開頭しないのに?)を当てることで、過去や未来に意識を飛ばすことができるようになる。そこにシュレディンガーの猫の話を絡めて、平行宇宙(パラレルワールド)の解釈もなかなか面白い。

    実のところ短編の方もだが、一番影響を受けたであろう、一番透けて見えるのは、夢野久作だ。「タイムトラベル」とは言いつつ物理の話も絡めるのだが、基本は考え方をひね繰り返しているような文章。さらに、物知り気な謎の人物が現れたりするあたりもそれっぽい。

    途中で「時間を逆行したら食べ物を口から出したり」みたいな文章だけ、表現も含めて話に馴染んでおらず嫌な意味で引っかかったが、全体にはよく出来たSF作品といえる。

    文章も一人の語り文で、わざと古臭くしているのだろうが、これが意外に読みやすいから不思議なものだ。読みやすいので、電子書籍版でもオススメ。

    この作家の作品は、もうちょっと探してみようと思う。

  • 小林泰三氏のデビュー作である表題作「玩具修理者」を含む短編2作。

    「玩具修理者」
    壊れたラジコンカーでも死んだ猫でも、なんでも直してくれる玩具修理者。ある日、赤ん坊の弟を死なせてしまった私は、玩具修理者のところへ弟を連れていく。

    どろどろ、ぐちゃぐちゃで気持ち悪い。
    クトゥルフ神話かと思った。
    最後の1行で背筋が凍る。

    「酔歩する男」

    知り合いだと名乗る男に話し掛けられる血沼。
    しかし、血沼はこの男のことを知らなかった。
    男はいう。男は血沼のことをよく知っているが、血沼が男のことを知らないというのであれば、二人は知り合いではない。

    もうわけわからん。

    タイムトラベルもので、男は眠るたびに時間を超える。でも、未来なのか過去なのか、自分がいつの時代へ飛ぶかはわからない。
    過去へ飛んで過去を変えれば未来も変わるが、次に過去へ戻ればすべてはやり直し。
    死んでも死んだ瞬間に時間を超えるという無限ループ。
    救われない。

  • キャラクターもの以外で、文句なしに面白い!と思った本は久しぶり。
    表題作は、玩具をなんでも修理してくれる怪しげな人間(なのか……?名前も性別も年齢もわからないという不思議な存在)に、誤って死なせてしまった猫を修理してもらおうとする友達、という時点で想像できる通りの展開でした。グロテスクな描写が苦手なので読むのが辛かったです。また、男女が過去のできごとを話している形で話が進むのですが、男の方の台詞がいちいち倒置法なのが気になって読みにくい。そういうキャラクターなのだと思いますが、その特徴づけは必要だったのか。おはなしとしてはありがちなような気もして、どうオチをつけるのかと思っていたら最後がうまい。

    表題作は短編で、もうひとつ収録されている中編の「酔歩する男」の方がこの本の主役だと思います。タイムトラベル?パラレルワールド?説明が難しく、物語の中でもその全てが解明されているわけではない設定のSFでした。全く知らない相手が自分をよく知っている、という奇妙な状況を、頭のおかしい人間の戯れ言だろうと無視することができず詳しく話を聞いてしまったがために日常が崩壊してゆく。読んでいて脈が速くなり、読み終えてからもどきどきして眠れませんでした。オバケも出てきませんし血なまぐさい場面が目立つわけでもありませんが、これは確かにホラーだと感じました。当たり前だと思っている法則や日常を疑い始めると気が狂いそう。しかもそれを否定できるだけの絶対的な材料ってないのかも。頭の良い(学歴の高い?)人ほど宗教に傾倒しやすい、なんて言われたりしますが、案外そういうものかもしれないなと思うようなおはなしでした。

  • 「玩具修理者」と「酔歩する男」の2話。
    生物と無生物の境目の話。
    時間軸と脳と意識の話。

    ちょっと普通じゃないことを考えたいときはオススメ。

  • 著者のデビュー作にして日本ホラー小説大賞短編賞を受賞した表題作の短編「玩具修理者」と、意識によるタイム・トラベルを描いた中編「酔歩の男」を収める。Amazon のセールで買ったまま積ん読だったものを、ふとしたはずみで読了。

    「玩具修理者」は、子供が無生物(おもちゃや人形)と生物(ペットや弟)を同一視してしまうというよくあるプロットで描かれた作品だが、衝撃のラストが印象的な一遍。「酔歩の男」は、学生時代に恋焦がれた女性を探すために時の感覚を失うという奇想天外な方法を取った男達の物語。ラストは「玩具修理者」と似た味わいで、この 2編で単行本を編んだのはなかなかセンスがいいと思う。

    ちなみに文中に出てくる不思議な名前はクトゥルー神話由来だそうだ。

  • 表題の「玩具修理者」と「酔歩する男」の二編からなる不思議なホラー。どちらかといえば「酔歩する男」のほうが長編だし、ショッキングな内容でした。ある夜、見知らぬ男から「私はあなたの大学時代の親友です。」と告げられた血沼。小竹田(しのだ)という見知らぬ男が語りだした血沼の過去。血沼と小竹田、二人の大学生が手児奈(てこな)という不思議な女性を巡って対立するところから始まる時間の迷走。果たして現在の自分はいったい誰なのか?!

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玩具修理者 (角川ホラー文庫)の作品紹介

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。壊れたものを一旦すべてバラバラにして、一瞬の掛け声とともに。ある日、私は弟を過って死なせてしまう。親に知られぬうちにどうにかしなければ。私は弟を玩具修理者の所へ持って行く…。現実なのか妄想なのか、生きているのか死んでいるのか-その狭間に奇妙な世界を紡ぎ上げ、全選考委員の圧倒的支持を得た第2回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作品。

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