- Amazon.co.jp ・電子書籍 (178ページ)
感想・レビュー・書評
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「玩具修理者」(小林 泰三)を読んだ。
いつ購入したのかまったく覚えてない。
「玩具修理者」と「酔歩する男」の二篇収録。
表題作はラストで『おっと、そうきたか!』と心の中で拍手。
二篇目の方はなかなかの力作。
ではあるが、正直に言うと『手児奈』が何者だったのかがよくわからないのだよ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「酔歩する男」が好き。これほど恐ろしいタイムリープものを初めて読んだ。
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表題作は、奇妙な描写がどんどん頭の中で想像が膨らんでいって、とても楽しめた。
オチはありきたりと言われればそうかもしれないけど、あまり勘繰らず読んだので素直にドキッとした。
もう一作は、なかなか頭が付いて行かず少し理解に苦労をしました…
物語の大枠は理解できるけど、理屈的なことを完璧には理解できなかった。理系の話が苦手なもので… -
小林泰三氏のデビュー作である表題作「玩具修理者」を含む短編2作。
「玩具修理者」
壊れたラジコンカーでも死んだ猫でも、なんでも直してくれる玩具修理者。ある日、赤ん坊の弟を死なせてしまった私は、玩具修理者のところへ弟を連れていく。
どろどろ、ぐちゃぐちゃで気持ち悪い。
クトゥルフ神話かと思った。
最後の1行で背筋が凍る。
「酔歩する男」
知り合いだと名乗る男に話し掛けられる血沼。
しかし、血沼はこの男のことを知らなかった。
男はいう。男は血沼のことをよく知っているが、血沼が男のことを知らないというのであれば、二人は知り合いではない。
もうわけわからん。
タイムトラベルもので、男は眠るたびに時間を超える。でも、未来なのか過去なのか、自分がいつの時代へ飛ぶかはわからない。
過去へ飛んで過去を変えれば未来も変わるが、次に過去へ戻ればすべてはやり直し。
死んでも死んだ瞬間に時間を超えるという無限ループ。
救われない。 -
「玩具修理者」と「酔歩する男」の2話。
生物と無生物の境目の話。
時間軸と脳と意識の話。
ちょっと普通じゃないことを考えたいときはオススメ。 -
著者のデビュー作にして日本ホラー小説大賞短編賞を受賞した表題作の短編「玩具修理者」と、意識によるタイム・トラベルを描いた中編「酔歩の男」を収める。Amazon のセールで買ったまま積ん読だったものを、ふとしたはずみで読了。
「玩具修理者」は、子供が無生物(おもちゃや人形)と生物(ペットや弟)を同一視してしまうというよくあるプロットで描かれた作品だが、衝撃のラストが印象的な一遍。「酔歩の男」は、学生時代に恋焦がれた女性を探すために時の感覚を失うという奇想天外な方法を取った男達の物語。ラストは「玩具修理者」と似た味わいで、この 2編で単行本を編んだのはなかなかセンスがいいと思う。
ちなみに文中に出てくる不思議な名前はクトゥルー神話由来だそうだ。 -
とにかく怖いという噂は前から聞いていた。
どこかで手を出そう、と思っていたら、Kindle版を発見したので
迷わず購入。
日本ホラー小説大賞短編賞を受賞した表題作「玩具修理者」と、
少し長めの「酔歩する男」の2篇を収録。ハッキリ言って噂に
偽り無し。マジで怖い。
とにかく、文章の書き方からして既に不気味。
特に何でも直す男が登場する表題作の思わずゾクッとする描写は
しばし端末から目を背けてしまうくらいだし、そこに死んだ弟を
持ち込んで修理を依頼する少女なんていうキャラが出てきてしまう
のだから、もうなんと言えばいいか・・・。
残酷なシーン、グロテスクなシーンはほぼ出てこないのに、文章
だけでここまで怖い。これこそがホラー小説の正しい形なのかも。
ただ問題も若干(^^;)。
正直、「酔歩する男」の方は展開がいちいち面倒くさい。
アカデミックな雰囲気は満点なのだけど、物理とか化学の話が延々
と続くのは個人的にちょっと(^^;)。まぁ、それがリアリティに拍車
を掛けているのだから、全く要らないとも言えないのは歯がゆいなぁ・・・。
とはいえ、変わったホラーを探している人は是非ご一読を。
しかし、クリスマスイブになんて本の書評書いてるんだろうなぁ。オレ(^^;)。