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- / ISBN・EAN: 4988105067707
感想・レビュー・書評
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加藤剛、八千草薫など豪華な俳優陣が脇を彩る。昭和?の辞書作り。令和の今とは全く異なる仕事の在り方、進め方。淡々かつ繊細に物語が進んでいく。
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NHK-BSでドラマが始まっていて、それがあまりにもステキなので、小説を再読して、松田龍平主演の映画も改めて観た。
「言葉」とは何かを考えさせるすっごく良いコンテンツ。右を説明せよ、という問いに松田龍平は「西を向いたときに北が右です」と答えたんだけど、池田エライザは「朝日を見ながら泣いたとき、暖かい風に吹かれて先に涙が乾く側のほっぺた」って言って、何じゃそりゃって思ったんだけど、直後に野田洋次郎が言った「なんてステキな右でしょう」っていう台詞に泣きそうになった。そんな説明(定義)は、ほんとに思いつかないしステキだ。
そもそも辞書の本質である『モノゴトを言葉で定義する』ことは、ある意味で『無理筋』なのだ。例えば、犬を定義しようとしたら、それはおそらく「4本足の動物で、猫でもなく馬でもなく狼でもなくキリンでもなく…」ということになってしまうのだ(生物学的なイヌ科の定義はさておき)。端的に一対一で言い当てることは難しいわけで、辞書は他の言葉で説明する『連鎖』にならざるを得ない。犬は可視だからまだマシとして、色とか感情とか概念の単語を説明するのはさらに難しくて、実際に僕が「青」だと思っている色調が実は他の人の「青」とは異なるかもしれないのだ。
でも言葉というモノはすごく大切で、「舟を編む」では「誰かが誰かに何かを伝えたくて伝えたくて、必要に迫られて生まれてきたのです」って言ってたけど、言葉が無いと、僕たちは世界とか現実とかを説明できない。「雨」という言葉があるおかげで「空から水の粒が落ちて来る」現象を説明できる=認識できる=記録できるんだけど、その空とか水とか落ちてくるっていう言葉がないと始まらない。
野田洋次郎や柴田恭兵の台詞が、そして辞書を作るという「厚さ8cmの闘い」に何十年もかけるいろんな人たちの立ち振る舞いが、池田エライザの「変わっていく姿(=生きる)』が、昨今のドラマとは一線を画すクオリティだと思う。 -
分からない
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広辞苑などの大きな辞典を生むときの苦しみが惜しみなく描かれていて,とても感動した。恋愛の話も,そんなに前面に出るわけでもなく,物語の邪魔にならない。いやそれどころか,馬締と香具矢のつかず離れずの関係が,物語の静謐さを引き出させているようにも思う。
学生の頃から『新明解国語辞典』を引き出しに入れていて,40年は使った。もちろん,背表紙は消えてしまって見えないほど。『広辞苑』にも数冊お世話になり,今では,パソコンに「第七版」が入っている。辞書は,大好き。言葉の解釈や,用例収集など,頭が下がるよ。
自分的には,今,俳句入門の季節。ちょっと言葉に興味を持ってきているので,ピッタシのいい作品でございました。
《NHKプレミアムシネマの解説を転載》
© 2013 「舟を編む」 製作委員会
松田龍平、宮﨑あおい共演。三浦しをんの小説をもとに、辞書づくりに取り組む人々を、石井裕也監督がユーモアを交えて描く心温まる感動のドラマ。出版社の営業部員・馬締光也は、言葉への鋭いセンスを買われ辞書編集部に引き抜かれる。個性的な面々に囲まれ、光也は新しい辞書「大渡海」の完成へ向け編集にのめり込むが、ある日、下宿先の大家の孫娘・香具矢に一目ぼれ。口下手な光也は彼女に思いをうまく伝えられず苦悩する…。 -
穏やかな映画。しみじみほっこりしたいときに。最近貫禄出てきて忘れてたけど、そう、オダジョーってこういうおちゃらけてるけど実はいいやつみたいなキャラが合うよね!と思い出した。
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1冊の辞書ができるまでの編纂部の人々の物語。12年の年月。院卒言語学専攻マジメ君役の松田龍平がいい。営業でなかなか押しがきかずにいるマジメ。辞書編集部にやってきて、「ここは保健室じゃない」などと言われ、ああ、けっこうこういう見方をされてる部署ってあるんだなあ、などと思ったり。でも12年たち、監修者(加藤剛)が引退し、先輩(オダギリジョー)が異動になって、どうなることかと思ったが、ちゃんと指揮をとれるように成長していた、そこがよかった。
辞書ができあがったのはもちろん、マジメ君が好きな人と結婚できたのがよかった。他のメンバーもそれぞれよかった。
なにかじんわりと満足感がある映画だった。
2013公開
2022.12.12BSプレミアム -
コロナに罹患した。熱は無かったのでまさかコロナとは思わなかったが、家人にコロナ検査を勧められ受けたら陽性。在宅の中抜けで病院に行ったが、今日から仕事は休みにした。
時間があるので映画でもと思い以前から見ようか気になっていた「舟を編む」を選ぶ。
本はめちゃめちゃ面白かった。でも、原作が本の映画は面白いことがほとんどないが躊躇、でも宮崎あおいさんが主演だからなー見たいなーと思っていた作品。
辞書を作る主人公の話だとは記憶していたが、終始こんな話だったっけ?映画用にエピソードを追加したか?感。なんかメインストーリーが削られ、サブエピソードの分量が多く描かれているように思ったけどどう?
時代を感じさせる背景や、オダギリジョーさんも池脇千鶴さんも好きなので彼らの演技が見れたことは楽しい。またほとんど原作を覚えていなかったので、比較せずに見ることもできたのもよかったのかな。最後もふいてしまった。