しんちゃんの映画何作か見たけどこれが今のところ一番好き。
「B級」の名に恥じない、肩の力を抜いて楽しく旨そう〜って言いながら見れて、最後はちょっとホロリとくる、っていう絶妙な内容だと思う。何回も見ちゃった。
B級グルメを潰そうとA級(高級・格式高い)グルメが襲ってくるっていう、設定だけ聞くとバカバカしくていい。
最初一流シェフとして登場した川越シェフが後にB級として再調教されてるシーンとかもう、よくOK出たよね!(爆笑)
この映画がただのB級で終わらないのは悪役グルメッポーイの描写が絶妙なところ。
A級グルメラヴァーズたちを率いる美食家って顔してるんだけど、素顔はどこか子供っぽい。実は彼は厳しい両親によってB級グルメを憎むように育てられていた…。
そんなグルメッポーイがラストシーンで、自分の意思と力で焼きそばを食べ「やっぱり美味しかったじゃないか」と涙をこぼすシーンは、見ているこっちも涙をこらえきれなかった。ずっとずっと、B級グルメも美味しいんじゃないかと思う気持ちを、親の教えに従って抑えてきて、やっとその束縛を否定できた。彼は大人になる一歩を踏み出せたんだなと思ってめちゃくちゃ泣いた。
グルメッポーイは自分勝手で他人に迷惑をかけたわけなんだけど、そんな彼を受け入れてくれたソースの健さん、恨みもせず送り出してくれたA級グルメラヴァーズたち、とエンディングのシーンはできたての焼きそばのように温かい。
見れば卵焼きの乗った肉野菜焼きそばを食べたくなる素晴らしい映画である。