アンチヴァイラル [初回生産・取扱店限定] [DVD]

出演 : ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ  サラ・ガトン  マルコム・マクダウェル 
  • カルチュア・パブリッシャーズ
3.42
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本棚登録 : 99
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4532612110427

感想・レビュー・書評

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  • 「うっひゃー、なんか変な映画だ~」と思いつつ、「このテイストは『ビデオドローム』とかに似てるよなぁ」とか考えていたら、なんとクローネンバーグの息子が作ったそうで、びっくり。お父さんよりも息子のほうがセンスがあるかもしれない。
    どういう話かというと、セレブに憧れるお金持ちたちがこぞって行くクリニックがあって、そこではセレブが持っているウィルスをお金を払って注射してもらうというわけです。たとえば美女がかかった口唇ヘルペスのウィルスを買って、それを自分の唇にぶちゅーと注射してもらって、「同じ病気になったぞ!」と大喜びする。
    これは異常なことに見えるけれども、でも、たとえば今の日本でもアイドルと握手するためにはいくらお金を使ってもいいというファンがいるし、壇蜜の生パンティをほしいというファンもいる。握手したところで、パンティをもらったところで、そのスターと仲良くなるわけではないけれども、なんか達成した感じになるわけですよね。その非合理性とこの非合理性は五十歩百歩だなと思うのですね。この設定だけでも、かなりたいしたものだと思う。
    で、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ演じる主人公はそういうクリニックで働いているわけですが、彼自身もそのスーパーセレブのハンナさん(完璧な美女)に憧れているのですが、たまたまチャンスがあってクリニック専属のハンナさんの血を採取する。そうすると、もう我慢ができなくなっちゃって、それをついつい自分にそれを打っちゃうわけですね。
    ところが、そこから彼の身体の調子がおかしくなり、と同時に、彼が崇拝してやまないハンナが死んでしまって・・・という展開になる。そこから先の話自体の骨格はよくあるサスペンスではあるのですが、こういう発想はとにかくたいしたものだ。ビジュアルもかなりセンスあると思いますわ。

  • 数年まえ新作で観て、二度目の鑑賞。前より面白く観れた

  • スゴイスゴイ
    なんて世界観の作品作りよるんだ!ええ〜
    才能って遺伝するのかな…

    憧れのセレブに近づくために、
    風邪や病気のウイルスを体内に取り込むなんてどっからどう出てくるアイデアなんでしょうか?
    面白過ぎる。

    ケイレブ-ランドリー-ジョーンズの怪演っぷりには脱帽ですね。まぁ彼らしい病的なキャラクターですけども…(笑)いい意味で彼にしか出来ないようなキャラクターですね。少しばかり歪んでる印象があるケイレブだからこそかな〜

    あんまり評価高い作品じゃないみたいだけど、独特な世界観でいい作品だったなぁ〜ブランドンクローネンバーグ監督の違う作品もチェックしないとダメだな〜

  • 「変態」。
    世界観も、そこに生きる人も、すべて「変態」だ。
    最高。

    画面は無機質で美しく、まるで美術館の1角でインスタレーションを眺めている気分。
    その中で繰り広げられる偏執の応酬には、背徳感と恍惚が掻き立てられる。その一方で、個人へのフェティズムで回る世界が少し恐ろしくもある。

    何となく、江戸川乱歩の作品を読んでいるような気分になった。

    ちなみにお父さんの作品はまだ観たことがありません。

  • 有名人を歪んだ形で崇拝する人は多いが、その異常さがそれなりに市民権を得たらこんな感じの社会が世の中のどこかに生まれそうな気がする。

    例えば、有名人のDNAをもとに肉を培養して販売するビジネスは実在している。感染ビジネスは存在こそしていないが、ただ細胞を接種するのではなく病気という素材を用いているのはとても商売的だ。症状があることでより強い一体感が生まれるだろうし、事実確認もしやすい。
    異常な嗜好が根っこにあるから精神的な意味での理解はしづらいが、ほんの少し世の中が違ったら、有り得る世界だと思う。

    よくできた世界観、よくできたストーリーだ。
    主人公の演技もよい。

    ただ唯一不満なのはタイトル。抗ウィルスとしての役割や価値観はどこにあったんだろう。
    そこだけ納得がいかないというか、腑に落ちない。

  • なんとデヴィッド・クローネンバーグの息子さん!
    期待に違わず変態性が受け継がれている。

    ひとつには異様にフェティッシュな小道具。
    ウイルスの識別ならバーコードにすればいいのに、
    なぜか異様に歪んだ人の顔(フランシス・ベーコンふう!)にし、そこに情報が詰まっているとこじつける。
    歯でできた銃に連なる映画的小道具だ。

    そして唐突に不条理に巻き込まれる恐ろしさ。
    そもそもが憧れセレブと同じ病気にかかりたい! という狂気が社会全体に広がっているという設定が、どうかしている。肉とか。
    ……いや。うん。好きです。

    背景も素敵。(「時計じかけのオレンジ」や「ガタカ」っぽいか。ちなみにデヴィッド・リンチふうの場面もあり)(そういえばマルコム・マクダウェルが登場!)

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