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- / ISBN・EAN: 4988101174294
感想・レビュー・書評
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制作年:1975年
監 督:鈴木則文
主 演:菅原文太、愛川欽也、夏純子、中島ゆたか、佐藤允
時 間:98分
音 声:日:モノラル
日本列島一人旅と意気がる11トントラックの運転手・星桃次郎は、家を持たず金財産をトラックに注ぎ込んでいる。
そんな桃次郎の世話を何かと焼いているのが未亡人運転手のモナリザお京。
桃次郎の相棒は4トン半の松下金造で、金造は川崎の安アパートに女房君江と息子4人娘3人の9人家族で住んでいる。
桃次郎と金造は、東北のドライブ・インで新顔ウェイトレスの洋子を知り、桃次郎は洋子に一目惚れ。
桃次郎がストリップ小屋で知り合った調子者の万田千吉を助手にしたことから金造との仲がおかしくなった。
そんな時、西日本一を誇る関門のドラゴンと称する竜崎勝が、桃次郎の飾りとハンドル裁きに挑戦して来た。
勝は偶然にもお京の兄だった。車体の飾りは互角だったが、スピード競争は千吉が桃次郎の足を引っぱり負けてしまった。
このレースの後、千吉が金造の悪口を言ったために、怒った桃次郎は彼を破門にした。
桃次郎と金造の友情が回復したある日、3歳になる捨て子を拾った二人は、その子が“ねぶた祭り”を記憶しているので青森まで親捜しに出かけた。
何とか子供の身元を探し当てたが、子供の父が土木工事の事故で数日前に死んでしまっていた。
ところが、かつてはトラック運転者だったその子供の父が日雇い作業員になった原因というのが、花巻の鬼代官と運転手たちに恐れられていた警察官、つまりかつての金造の執拗な取締りに引っかかったからだった。
責任を感じた金造は、暴走して台貫場へ突っ込み、重傷を負った。
その金造を見舞いに来た洋子が、桃次郎に自分の身上話をした。
彼女には明という婚約者がいるが、彼が車の人身事故を起こし賠償金の負担の重さに挫折してしまったというのである。
そして、4時間後に明が漁船で日本を脱出するのだ。
洋子に恋を囁こうとした桃次郎だったが、彼女に明との再起を促すと、彼女を乗せて漁港までフルスピードで突っ走るのだった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
別途
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満を持しての本シリーズ、デビュー!(笑) しかも銀幕にて鑑賞の機会を得るとは!!
Japan Societyでの「月イチクラシックシリーズ」、先月の高倉健に続き今月も追悼の意を込めての菅原文太作品登場。上映前の紹介にて相方を演じる愛川欽也もつい先ごろ後を追ったことを改めて知らされる。よく調べれば本作監督の鈴木則文も昨年だ。まさにトリプル追悼である。
オープニングから大興奮、その昔「東映まんがまつり」なんかで育ててもらった世代としては懐かしい波濤バックの東映ロゴも、今となっては数年前に訪れた銚子は犬吠埼という記憶にすり替わっていたりもしたのがその理由。
昨年末からの「マイ寅さんブーム」も貢献し、この頃の時代背景がよく見えるようになっている。既に15本を盆正月に繰り出してきていた松竹の「男はつらいよ」シリーズを避けるかのように75年の盆も一段落した頃に本作品は公開されている。当時の東映のワンマン社長岡田茂はある公開予定の作品が流れざるをえなくなった結果、以前に却下していた企画を「あれでいいから撮れ。」とゴーサインを出したらしい。それ以前には「トラックの運ちゃんの映画なんか誰がみるか!」と社長自ら酷評していたこの企画はどっかん8億円を稼ぎだし、その社長はあたかも彼の読みが当たったかのように「正月はあれでいけ。トラ食う野郎で!」と「男はつらいよ」に勝負を挑むようになったというエピソードがあるらしく、この頃の世相を現しているようで微笑ましい。
そんなこんなで「男はつらいよ」のアイデアを無断借用しまくりな感じが心地よい(笑) 一方で「男はつらいよ」を観まくってから本作を観ているがゆえに、シリーズ当初「とらや」と呼ばれていた寅さんちのだんご屋が、後年「くるまや」という屋号に変更せざるをなくなった背景を知りながら、本作で大事な舞台となるドライブインの名が「くるまや」だったという偶然の皮肉な一致をみつけると、これまた裏パクリ的手法にも思えて愉快である。
桃次郎とジョナサンの海岸でのシーンは今の御時世で観ると全く違ったものにみえてしまうのもオツだった(苦笑) 脇役陣は超豪華で枚挙にいとまがないが、個人的にはなんだかここ数年いっぱい観てきたような状態になっている春川ますみ、ATGでもいい仕事をしていた小松方正、クレジットには名前が出ているもののどこにも登場しない大泉滉(笑)あたりがツボ。ダブルマドンナ的扱いの中島ゆたかと夏純子はどちらも自分にとっては映画女優としてはノーマークながらどこかでお会いしたことがあるような気がするのは同時期のTV出演歴に秘密が隠されているのかもしれない。
とにもかくにも肩肘張らずにリラックスしてゲラゲラ笑ってあちこちに突っ込みながら鑑賞したい、そんな作品。全十作とのことなのでさらっと観てから「誠意ってなにかね。」に戻ってくるべきか。またあらたなロードマップがここに登場した。
そしてラ・セーヌの星Tシャツの下りは是非富野監督にも観ていただきたい(笑) -
菅原文太さん追悼。菅原文太と言えば『仁義なき戦い』シリーズだけど『トラック野郎』シリーズも菅原文太のコメディの才能が爆発した名作シリーズ。もちろん時代を感じる描写やベタベタな演出は多々あるけれど素直に面白かった。仁義なきとは違う菅原文太の喜怒哀楽が出た表情の数々がとにかく新鮮。
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長距離トラック運転手のコンビが繰り広げる笑いと涙の珍騒動。ドライブインのウェイトレス・洋子にひと目惚れの桃次郎。洋子の婚約者の存在を知った桃次郎は彼女を男のもとへ送り届ける。ヤクザ映画のスター・菅原が新境地を切り開いたシリーズ第1弾。
制作年: 1975年
収録時間: 98分