半藤一利と宮崎駿の 腰ぬけ愛国談義 [Kindle]

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  • 文藝春秋
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感想・レビュー・書評

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  • こちらの本を読んでいる真っ最中に半藤一利さんが亡くなった。いつか講演があれば直接お話を聴いてみたいと思い、憧れていた方なので残念でしょうがない(当書籍あとがきに「わたしは演説や講演は好みません)とあり、どおりで今まで機会がなかったわけだと納得、、、)
    様々な経験をされ、調査・勉強をされ、そしてそれをわかりやすくアウトプットすることのできる偉大な人物。昭和の歴史や日本語の語彙は、学校教育以上に半藤一利さんから教えていただいた。
    まだまだ読めていない書籍はたくさんあるので、これからも読んでいきたい。

    心よりご冥福をお祈りします。

  • 今の日本は「山雨来らんと欲して風楼に満つ」。前途暗澹にして不安。政治家は期末利益優先の株式会社の論理で国家を運営しており、とにかく目先の利益優先、自然資源や医療や教育や自活の方策など、国民再生産の重要課題は後回しに。日本の美しい山河が失われたあとどうするのか?人口の激減はどうするのか?そんな未来は今の日本の指導者たちは考えないようだ。でも「国家百年の計」と言うように百年スパンで事を考え構想し、それへ一歩踏み出すのが国家運営の責任を持つ人たちの仕事ではないか(半藤一利)。漱石の「草枕」を愛読。

  • 宮崎駿が希望して実現した半藤一利との対談を書籍化した一冊。ともに漱石のファンだという話からスタートした対談が、とても初対面とは思えない盛り上がりになったことは容易に見て取れる。昭和初期から戦前戦後に関わる話は、年寄りの思い出話に陥ってもおかしくないところだが、そこは伝えることを生業としているお二人。読者を巧みに引き込んでくれる。
    目を引いたのは、宮崎駿の零戦に関する知識の深さ。これはもうマニアと言ってもおかしくないほどで、さすがの半藤一利もたじたじ。宮崎駿が自分の父親を意識して堀越二郎を描いた点などと合わせて、『風立ちぬ』は生まれるべくして生まれた映画なのでは、という思いを強くした。
    一方、半藤一利の語りの中では母上の話が印象に残る。「私は100歳まで生きる」と宣言してどんどん元気になっていき、実際に100歳の誕生日を迎えた後、「もう生きるのはやめた」と言って、ひっそりと亡くなられたとのこと。「昔の人は覚悟の定まった潔い生き方をしていた」という宮崎駿の言葉がずしっと来た。

  • 堀辰雄、堀越二郎と『風立ちぬ』関連を立て続けに読んで、半藤さんの『昭和史』ときたらついついこれをクリックしちゃうよね。
    NHKで観た対談の詳細版でもあり、純粋にヲタク討論としても楽しかった!

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著者プロフィール

アニメーション映画監督。1941年東京都生まれ。学習院大学政治経済学部卒業後、東映動画(現・東映アニメーション)入社。「ルパン三世 カリオストロの城」(1979)で劇場作品を初監督。1984年には「風の谷のナウシカ」を発表。1985年にスタジオジブリの設立に参加。「天空の城ラピュタ」(1986)、「となりのトトロ」(1988)、「魔女の宅急便」(1989)、「紅の豚」(1992)、「もののけ姫」(1997)、「千と千尋の神隠し」(2001)、「ハウルの動く城」(2004)、「崖の上のポニョ」(2008)、「風立ちぬ」(2013)を監督。現在は新作長編「君たちはどう生きるか」を制作中。著書に『シュナの旅』『出発点』『虫眼とアニ眼』(養老孟司氏との対談集)(以上、徳間書店)、『折り返し点』『トトロの住む家増補改訂版』『本へのとびら』(以上、岩波書店)『半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義』(文春ジブリ文庫)などがある。

「2021年 『小説 となりのトトロ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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