薄紅天女[下] (徳間文庫) [Kindle]

著者 :
  • 徳間書店
3.92
  • (3)
  • (5)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 48
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (303ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 下巻はある少女が主人公。それは内親王の苑上である。彼女は兄の皇太子が怨霊に病み疲れていることに悲しんでいる。なんとか兄を元気付けさせたいと望んで居る。また、蝦夷の地で阿高は自分の出自を知った。チキサニの勾玉を持った阿高はその玉を輝かせることができる。本来は乙女だけが受け継ぐことができるはずであった勾玉を。武蔵の藤太達とともに都人の坂上田村麻呂がやってきた。そして皇に取り付いている怨霊と対決するために阿高達は都に向かった。

  • 「白鳥異伝」よりだいぶ時代が下り,神秘的な感じは薄らいでしまったが,一方で実在の人物がたくさん登場するので,史実とフィクションの融合感が面白い。桓武天皇の頃の出来事をあまり知らなかったので,そういう意味でも楽しめた。

  • 薄紅天女は結局誰だったのか。怨霊が去って都は長岡から平安へ。勾玉三部作というには前の2作と離れすぎている気もしたが、三部作の中で一番面白かった。苑上はやんごとなき身分でありながら前2作のヒロインと違わず芯を内に秘めたしっかりした性格。そして皇女をさらっていこうというのに竹芝の青年達の清々しい気楽さ。『白鳥異伝』に出てきた伊津母の菅流たちが何でも楽しもうとするのとよく似ていた。勾玉はあるべき場所へ帰って、物語は心残りなく終わったという感じ。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

荻原規子・東京生まれ。早稲田大学卒。『空色勾玉』でデビュー。以来、ファンタジー作家として活躍。2006年『風神秘抄』(徳間書店)で小学館児童出版文化賞、産経児童出版文化賞(JR賞)、日本児童文学者協会賞を受賞。著作に「西の良き魔女」シリーズ、「RDGレッドデータガール」シリーズ(KADOKAWA)『あまねく神竜住まう国』(徳間書店)「荻原規子の源氏物語」完訳シリーズ(理論社)、他多数。

「2021年 『エチュード春一番 第三曲 幻想組曲 [狼]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

荻原規子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×