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感想・レビュー・書評
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2013 8/29読了。Kindle版をiPhoneで読んだ。
今後、一緒に仕事をすることあないであろう友達に心から薦めたい、素晴らしい本。そして今後一緒に仕事をするかも知れない人には存在自体をひた隠しにしたい危険な本。
哲学専攻の教授が、やらんきゃいけないことをつい先延ばしにしてしまう悪癖について、どうせなかなか治りやしないんだし、先延ばしにしている間だって何もしていないわけじゃなくて優先順位の低い仕事をしているんだから、気に病まないでうまくつきあっていけばいいじゃん、ということを説いていく。
ポジティブに考えようぜ、という話の後、かえってプラスに働くこともあるし、うまいつきあいかたもいろいろあるし、と展開していく。
優先順位をつけてやること(やっちゃいけないこと)リストを作っておくと、上の方にある大事なことをつい後回しにして下の方のことをやるけど、でもなにかはやってるんだし、上の方の大事なことも先延ばしにしても案外何とかなるしかえって良かったりもするよ、と。
自分も現在、〆切過ぎそうだったり過ぎてたりな仕事がいっぱいありつつこのレビューを書いている状態なわけだが、そんなときにこの本を思い出すと罪悪感はありつつも自己嫌悪感は確かに軽くなる。いい本だ。
なので、自己啓発の本だと思って買うと肩透かしをくらうと思う。
これは大学教員の体感的に5分の4くらいが罹患している「先延ばし」癖を持っている人に向けて、「まあそう落ち込むなよ」的なことを言う本であって、その癖がない人が読んでも「いや気に病めよ!」って思うだけだろうし、癖を治したい人にも一応紹介されている内容はあるけど著者自身の「治らないと思うよ」感が半端ない。
自分が兼ねて提唱している「やることいっぱい抱えれば仕事の現実逃避に仕事するよ」メソッドや、タスクリストはタスクをいっぱい消化していることを可視化して「なんだ自分いっぱいやってるじゃん」と思って心を軽くするためにあるんだメソッドについても語られていて、先を越された感が凄い。ぐぬぬ。それにしても、さすがに起きてコーヒーを入れるまではリストに入れたなかったので敗北感もある(洗濯や掃除は入れているけど)。
そんなわけで素晴らしい本なので多くの人に薦めたいんだけど、一緒に仕事をしている相手がこの本読んで気に病むことなく先延ばしを謳歌することを考えるとうーん、となるので、万人にはお薦めしたくない。
どうせ読もうが読むまいが先延ばしにする人はするんだけど、心軽やかにされるのは癪である。
・・・ちなみにこの本を知った契機は某先生が某MLに「こういう本もあるし」と紹介されているのを見てなので、業界で3番目くらいにこの本の存在を知って欲しくない人にはもう・・・。
1、2番を占める先生方に伝わらないことを願うばかりだが、伝わろうが伝わるまいが状況は変わらないだろうな(以下ループ
なお一応、ビジネス書っぽい体裁ではあるけど、いやそれゆえか、分量がそんなにあるわけでもないし中身も軽くてメモとるような類の本ではないので、電子書籍で1時間もかけずにスラスラ読める。安いので紙より電子買う方がおすすめ。