暗い宿 「火村英生」シリーズ (角川文庫) [Kindle]

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  • 宿を題材にした短編集でどの作品も違った趣があった。怪談話のような「暗い宿」、切ないラストの「ホテル・ラフレシア」、本格らしい短編の「異形の客」、ちょっと変わり種の「201号室の災厄」。作家アリスシリーズの哀愁漂う雰囲気はいったい何なのだろうか?どの作品を読んでも自然とその世界に入ることができ、少し昔の時間を楽しむような懐かしいかんじがたまらなく好きだ。

  • 火村英生シリーズ10冊目、宿がテーマの中短編集■「暗い宿」廃線跡、棄てられたトンネル…とムードたっぷり。宿の女主人も怪しく、畳みかける推理と表題作も納得の快作「ホテル・ラフレシア」石垣島舞台の南国サスペンス「異形の客」郊外の温泉旅館とは言え、透明人間コスの客は怪し過ぎ。とっちら感が若干残念だがストレートな本格、部長刑事は相変わらず。まったく、わけが判らないよ…まどマギ以前か「201号室の災厄」ヒムラーせんせのスリラー。なかなかハラハラさせられ、良い感じでした■サブテーマはリピーターだったかも(2001年)

  • 有栖川有栖と火村英生の「宿」シリーズ4編。
    多分再読なハズだが、完全に忘れてた。
    時代背景が今と違うので、いろいろと歯痒いものがあるが古さは感じない。
    年を経て改めて有栖と火村の距離感を見ると、職業の違いもあるが大阪と京都というだけでなく、泊まるときも同室にはならないし、意外とべったり感無かったんだなと認識した。
    201号で思いがけずアグレッシブな火村と逢えたのが嬉しかった。

    ◆暗い宿
    廃線(未成線?)跡地を巡っていた有栖は体調を崩し、古ぼけた宿に投宿を願う。
    一週間後、廃業されていた宿が取り壊され、そこから白骨が発掘された。
    有栖が夜中に聞いた物音との関連は。

    ◆ホテル・ラフレシア
    石垣島のホテルでのミステリーイベントに編集者の片桐から誘われた有栖と火村。
    行き届いたサービスの素晴らしいホテルと、日常からかけ離れた景色の裏に寂寥感が漂う。

    ◆異形の客
    大阪からちょっと足を延ばした山中の温泉宿に、帽子とサングラスとマスク、顔に包帯を巻いた男が宿泊した。
    翌日、温泉につかりたくなった有栖がその宿にふらりと訪れる。
    温泉と料理を満喫した翌朝、チェックアウト前に仲居の悲鳴が響いた。

    ◆201号室の厄災
    それぞれの仕事の都合で東京で落ち合った有栖と火村は飲みかわしながら、宿に現れる幽霊についてディスカッションし、それぞれのホテルに引き上げる。
    火村はホテルのバーで少し飲みたし、酔った体で部屋に戻ろうとすると日本公演を終えたロックスターと出くわした。
    自分がフロアを間違えたことに気付き出直そうとしたとき、その部屋に死体を見つけて軟禁される。

  • 宿・ホテルを舞台にしたミステリ4編。

    1:解体される古い宿の下から白骨死体が!
    2:石垣島の豪華ホテルで行われるミステリーナイトイベント
    3:怪しい透明人間風装束男の正体とは?
    4:誰がジュリを殺したのか?

  • 読んでいると、旅行にいきたくなる。そんな不思議な味がある中編集。とても読みやすく、一気に読んでしまった。
    中でも他の作品と雰囲気のちがう「201号室の災厄」が印象に残った。
    火村先生が一人で奮闘するのもおもしろい。

  • 作家版アリスシリーズの宿を舞台にした短編集。
    なぜか、3作目の「異形の客」だけ読んだことある作品だった。
    雑誌を買ったのかな( ˘ω˘ ) ??
    *
    有栖川有栖さんの本は短編も長編も面白くて、ぐいぐい読めます。
    そして、終わり方が好き。
    今回のも短編だけど、余韻が残る。
    なにより、火村先生格好良いしね!
    *
    火村先生と言えば、ボクシングやってたのねー!
    前にもそんなシーン出てきたかな?
    思い出せないけど、ますます格好良いわ!

  • これも再読。ドラマの2話が異形の宿をモチーフにしてるらしいのでもう一度読んでみた。
    この本は、ホテル・ラフレシアが印象的なんだよなぁ。そして最後の「201号室の災厄」、これ、ドラマ1話で使われてたトリックだ。たしかに、ドラマは、原作へのオマージュがたくさん散りばめられてるんだな、と感心した。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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