シアノタイプ

アーティスト : ハルカトミユキ 
  • SMAR (2013年11月5日発売)
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感想 : 3
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  • / ISBN・EAN: 4547403020670

感想・レビュー・書評

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  • 詩人・ハルカ(Vo/Gt)と奇人・ミユキ(Key/Cho)によって結成された
    オルタナ・フォークデュオによる
    2013年発表のメジャー1stフルアルバム。

    あちらこちらでプッシュされていたので知ってる人も多いだろうけど、
    去年から今年にかけて
    とにかく聴きまくったし
    どっぷりハマったアーティストです。

    穂村弘に影響を受け
    本人も歌人でもあるハルカが書く歌詞が
    とにかく刺さる刺さる(笑)

    同じ世代の大森靖子にも通ずる
    僕という一人称で書かれた怒りや憎しみ、
    生きろではなく死を、
    表層的な光ではなく、
    闇の中にある希望を、
    声高に叫ぶのではなく
    冷ややかに綴った鋭利な言葉。

    共感を得られる歌詞や
    安易な人生応援歌のような言葉全盛のこの時代に
    逸脱した魂のためだけに綴ったナイフのような言葉は
    未来の価値観を提示してくれる。

    サウンドはノイジーでいて繊細。
    そしてフォークを基調にしたからこその普遍性を持った
    美しくメロディアスなメロディーが
    一聴して耳を惹きつける。

    伝えたい言葉をちゃんと持ってるミュージシャンが最近増えてきたけど、
    ハルカトミユキの強みは
    それをアングラ表現ではなく
    あくまでもPOPに
    キャッチーに
    誰が聴いても分かりやすい
    美しいメロディーで表現しているところがカッコいいし、
    支持される理由なんじゃないかな。


    絶望的状況下での無力感を
    幻想的かつエモーショナルに歌ったインディーズ時代からの名曲
    『ドライアイス』、

    彼氏に対する不満や嫌悪感を
    軽快なモータウンビートで歌った試みが面白い
    『Hate You』、

    未来への期待を綴った歌詞を
    美しい旋律と共に激しく歌う
    『シアノタイプ』、

    ニューウェーブテイストでスピード感溢れる
    『振り出しに戻る』、

    恋する女性の揺れ動く心情を切々と描いた歌詞に心奪われるメランコリックなナンバー
    『長い待ち合わせ』、

    痛みや悲しみの深さに傷だらけになりながらも
    他者との繋がりを希求する歌詞が胸に迫るスローナンバー
    『ナイフ』、

    切迫した心の叫びを
    静と動のコントラストを用いドラマチックに描いた
    こちらもインディーズ時代からの名曲
    『Vanilla』、

    など破壊的でいてPOPな美メロに酔いしれる
    バラエティーに富んだ全12曲。

    ゆとり世代の戯れ言かと侮ってると
    痛い目に遭いますよ~(笑)

  • ハルカトミユキは「何回も聴いたらよさがわかるよ」とかいうんじゃなくて、1聴目でメロ歌詞のよさがわかる聞き取りやすさを持っているのでこちらとしてもすすめやすいんだけど

    今フルで4周くらい聴いてるけどほんとにクオリティたっっっっっかい!
    すばらしい!
    私の中の語彙という語彙をすべて使って褒め称えたい!

    「マネキン」
    はハルカトミユキの最初のワンマンライヴではじめて聴いて、大好きだったから音源化されたのとても嬉しかったー!でもライヴで聴いたときの圧とか勢いとかはやっぱり消えてて、やさしい感じにまとまってたので、そういう狙いなのかなーとおもいつつ、ちょっと不満どころ

    「mosaic」
    そう!こういう荒々しさ!悲痛な感じっていうか、わたしはハルカのこういう搾り出すような高音とか泣きそうな歌い方に魅力を感じてるんだとおもう
    『大体そう 教えてもらうほど 頭悪くない』 すっきり!!って感じ笑
    間奏の口笛(ライブでのミユキのトゥールールー)も違和感しかなくて好きだな

    「Hate you」
    PVがもえすぎる カワイー!!!なにおどってんの!かわいー!w
    ライヴでもミユキがおどっててかわいい。
    二人ともあんまり、かわいいとか言われるの好きじゃなさそうだけど笑
    こういう趣向の違うアッパー曲にこういう歌詞を載せちゃうのも、本人たちがまず違和感だったっぽいけど笑、
    わたしは単純に幅広いなーとおもわされました。すごい。別にハルカトミユキらしくないわーとか一切おもわなかったな。

    「シアノタイプ」
    表題曲らしい名曲。イントロからもういい曲だってわかるし、一小節目から期待値上げられまくるのにどんどん期待超えてくる感じ!聴いててうれしい。あとなんかなつかしい。

    『こころからひとを愛せるなら隙間は埋まる気がしていた
     もしかしてそれが君ならば 努力したっていいなんてさ』

    この部分大好きだし、このフレーズだけで泣きそうになる。忘れられない恋のこと思い出す。そんなのもう恋じゃないんですけど、ただのすりこみであろうとおもうんだけど。脳がまだ恋って勘違いしてるから、それを思い出す。

    『ひとりじゃだめなんて言っても ひとりで立つふりもできるし いいさ』

    できるし、いいです。なんかほんとうに代弁してもらってる感じなんだよね。いちいち、わたしとハルカなんて到底似た人生でもなかろうに、言い得てもらえるの、嬉しいし救われる。わたしが言葉にできなかったことをこんな風にすてきに歌に昇華できるハルカはすごい。

    「長い待ち合わせ」
    実体験と言っていた気がする。「みんなありますよね」みたいな感じだったっけ?お別れのうた、

    『どうしても見せたい本と 言いたいことがたくさんあって』
    『少しずつ 諦めて ひとりで帰る』
    『疑いの意味も知らない少女は好きな歌を歌った
     あれからもう何年過ぎて今度は誰のことを待ってる』

    適切な言葉選びが相変わらず好き。早く新譜聴きたいなー

  • 特に「Hate you」なんかは、なかなかない歌詞で、それでも日常っぽい感じがする。
    歌詞が特に気に入ってます。

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