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感想・レビュー・書評
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・「好きな哲学者はいますか?座右の銘はありますか?哲学者のどんな名言を知っていますか?もしひとつも浮かばなかったのであれば、是非この本を読んでください!」
哲学を網羅的に記述したという本は、概ね哲学というよりも、哲学史になりがちで、知識を蓄えるための役には立ちますが、考え方を学ぶための導師としては力不足であることが多いものです。
しかし、甲田純生先生が、はじめて「哲学とは何か」という問いと正面から向き合った、と仰る本書は、長大な哲学史を新書というコンパクトな装丁にまとめながらも、エピソード記憶に残るような魅力的な話題に溢れ、それぞれ読者の中でバラバラに存在している哲学の知識を体系化し、それに基づいて哲学的思考を開始するための手掛かりになる素晴らしい本でした。
この本が単に哲学史を紹介する本と一線を画しているところは「理解と空間の密接な関係」「時間は決して流れたりしない」などに現れています。「理解」という営みは、頭の中に何らかの空間をイメージして、そこで概念を操作すること。とか、空間化してしまうと本質か損なわれるようなもの「持続」によってその本質を最もよく言い当てられる時間は、人間にとってそもそも理解することが難しいものなのです。という記述です。
因みに、私が好きな哲学者は……。哲学者じゃないかもしれないし、好きという気持ちとは違いますけど、とっても気になる人は、ラカンです。ラカンが考えていたことをもっと知りたい……詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
哲学は、奥が深い
ということかわかった。突き詰めていくことで、考えのベースとなる力を養うことがてきるのだろうか? -
哲学は1日学びなおせない・・・
色々な角度から哲学を考えなければそれもまた哲学ではないのである。 -
ピタゴラス、ソクラテス、プラトン、アリストテレス、デカルト、カント、ヘーゲル、ハイデッガーといった定番の哲学者が登場する。他にも出てくるが、それは本を手に取ってからのお楽しみ。
この本で感じたのは、哲学って、生命とものすごく関係しているな、ということ。哲学が、実は、生命だけのためにあるのではないかと感じさせられた。人間が生命で、人間がやるところだから、当たり前といっちゃぁ、そうなんだけどね。
初学者でも十分理解できる内容だと思います。著者も努力して書いたようで、それが伝わってくるようでした。 -
Kindle Unlimited。
ハイデッガーまでの西洋哲学の歴史がさらっと学べる。知らない人も出てきた。
それぞれの論のさわりだけなので、この本を取っ掛かりに、気に入った哲学者の本を読めばいいと思う。
私は岸田秀さんの唯幻論が好きやけど、一番似てるのはカントかな?カントについて、もっと知りたい。
ハイデッガーの『存在と時間』は、持ってるけど読んでなかった。近々読んでみよう。 -
哲学の入門書。ピタゴラス、ソクラテス、プラトン、アリストテレス、デカルト、カント、ヘーゲル、ハイデッガー(ハイデガー)といった古代から現代に至るまでの哲学の流れと、それぞれの哲学者の思考のエッセンスを学べる。物事の本質をつかむ思考を身につけたい読者におすすめの1冊。
新書という制約の多いフォーマットで書かれているにも関わらず内容が希薄になっていないのは、著者の力量によるものだろう。1日で通読することができる点が魅力の1つではあるが、人生を通じて何度も読み返したい1冊でもある。
本書の中では特に時間と空間に認識(タイムマシンはありえるか?)やヘーゲル哲学に関する部分が面白かったです。