コンテナ物語 [Kindle]

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制作 : 村井 章子 
  • 日経BP社 (2007年1月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (431ページ)

コンテナ物語の感想・レビュー・書評

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  • 概要: コンテナが海運をどのように変えたか; 既存の海運会社や労働者(沖仲仕)の抵抗; リスクをとる強い起業家; 標準化におけるデジュールとデファクトのせめぎあい; 港の間での設備投資競争
    思ったこと:
    - たとえメリットが大きくても技術革新が普及するには時間がかかる
    - 運輸コストの低下はグローバリゼーションの進展に大きく影響したといえる。別の国で作ったものをローコストで運べるようになると同一労働同一賃金に近づく。

  • 最近、IT業界では、クラウド技術の中核として、Dockerコンテナーが流行っていて、何と無くノリで買ってしまったが、非常に考えさせられる内容で満足。

    1950年代に先見の明があるマクリーンによって、それまでの船による輸送の効率化にコンテナーが使われるように。それまでクレーンとかも整備されておらず人の力で、船からの荷下ろしなどをするモデルだったところに、荷物をコンテナーに入れて、クレーンで荷揚げ荷降ろしをするモデルに変え、大量輸送によるコスト削減を実現。
    当然ながら、旧来のモデルでご飯を食べていた沖仲仕などからの反対などにあいながらも少しずつ発展していった。

    この新しい輸送の発展で、利益を得たのが日本の電機産業というのは知らなかった。アメリカからコンテナーで物が届いて、空のコンテナー送り返すの無駄なので、輸送料金も安くして日本からの電化製品をアメリカに送ってたらしい。

    コンテナー普及には、コスト削減が発展の為のドライバーになっていて、その裏の計算には、コンピューターの採用も有ったらしい。最適化とかはまだ出てきてない頃の話。

    しかしながら、コンテナーによる覇権は、一社によらない所が切ない。発展の為の規格が、スイッチングコストも限りなく下げてしまった。努力しても安い方が選ばれてしまう。顧客にとってはありがたい話だけど。

    IT業界も既にAmazonによってクラウド領域は、非常に低価格の価格競争に陥っているが、ここにDockerコンテナーが普及することで、Microsoft ,google,IBMなどレッドオーシャン必死。インフラ構築のSEと沖仲仕が被って見える。
    コンテナーの発展の影響をうけて企業のサプライチェーンが高度化していった辺りは、IT業界に起きている変化の次を考えるポイントになりそう。

    この本は、IT業界の人は読むと良いかも。

    本自体は、中盤の記録的記述がおおいので、流し読みで良い感じ。






  • コンテナが導入されることで物流が変わり、企業は国内生産から人件費の安い場所へ国境を問わずに工場を作るようになる。伝統的な港湾労働者は仕事を失っていく。
    いかに、一つのシステムの形成によってエコシステムが変わっていくのかがみえて興味深い。

  • 機械化の歴史はストライキとの戦い
    経営者はいかに人を使わずすすめるか

  • コンテナという発明により、工場は立地に縛られる事がなくなり、輸送コストは激減した。導入部の展開は面白そうではあったが、アメリカ国内の労働組合、利権との関連などそこまで興味は惹かれなかった。時間があるときに再読したい。

  • 20世紀最大の発明であるコンテナの歴史を追ったもの。コンテナという標準化された規格と、それに最適化された機械装置や物流システムというのは、考えてみれば確かに大変なことだと思う。それが現在のかたちとなるまでには様々なプレーヤーの思惑やそれ同士の対立があったけど、それでもわずか半世紀で世界中に普及し物流のパワーバランスをガラリと変えてしまほどにコンテナの威力は凄まじかったわけで。
    ただ、いかんせん長い。コンテナをめぐるあれやこれやを微に入り細に入り活写するのでなかなか進まない。流石にもう少し切り詰めてくれてもいいんじゃないか。半分の長さだったらすごく面白かったんだろうに。

  • セール時に購入.10年以上前に書かれた本でもしかしたら機を逃したかもと危惧していたが全く杞憂だった.ありふれたコンテナが物流革命をテーマに圧倒的スケールで語られており,一気に読了してしまった.こんなに面白いのであればもっと早く,少なくとも韓進海運の破綻前に読んでおけばよかった.また,「テロ・コンテナ」「人間コンテナ」という興味深い話は最後にちょっと出てくるだけだが,これは他で調べるに値するテーマだろう.今年読んだ中で一番面白かった一冊の有力候補.おススメ.

  • ■勉強になったこと
    マルコム・マクリーンがすぐれて先見的だったのは、海運業とは船を運航する産業ではなく貨物を運ぶ産業だと見抜いたことである。今日では当たり前のことだが、一九五〇年代にはじつに大胆な見方だった。この洞察があったからこそ、マクリーンによるコンテナリゼーションはそれまでの試みとはまったくちがうものになったのである。輸送コストの圧縮に必要なのは単に金属製の箱ではなく、貨物を扱う新しいシステムなのだということを、マクリーンは理解していた。港、船、クレーン、倉庫、トラック、鉄道、そして海運業そのもの─つまり、システムを構成するすべての要素が変わらなければならない。そう理解していたマクリーンは、運輸業界で何年も先を疾走していたと言えるだろう。マクリーンが引き起こす変化のインパクトには、コンテナの普及を後押しした国際コンテナ協会の専門家でさえ驚いたものである。彼らの一人はのちに、「あのときはアメリカで革命が起ころうとしていることをわかっていなかった」と告白している(原注32)


    当時の多角企業の常としてリットンも成長指向が強く、海軍からの請負しかないインガルス造船所(ミシシッピ州パスカグーラ)で早く商船を建造したいとじりじりしていた。マクリーンは船はほしいがカネがない。リットンはカネは余っているが、こと造船に関する限り仕事がなかった。  この両社の間で商談が成立し、リース会社であるリットン・リーシングが誕生する。一九六四年一一月五日、シーランドはリットンにコンテナ船九隻を二八〇〇万ドルで売却し、それを銀行借入金三五〇〇万ドルの返済に充当。一方、リットンは購入した船をただちにシーランドにリースバックした。続いてリットンは、ウォーターマン海運(かつてマクリーンが手放した会社)に所属する船を買い上げ、改修に着手する。幅と長さを拡げ、船倉にはコンテナ用のセルを設けたうえで、シーランドにリースするためである。この巧みな取引で、資金繰りに窮していたシーランドは、リース料一四六〇万ドルと引き換えに四年間で一八隻ものコンテナ船を手に入れることができた。しかもありがたいことに、リットンは自社の転換社債とマクリーン・インダストリーズの株式八〇万株とのスワップ取引に応じてくれた。これで、シーランドのバランスシートには六八〇万ドルの資産が計上されてた(原注26)

  • 貨物を箱に入れて運ぶ、言ってみればそれだけの話が世界の工業、経済、雇用を一変させた。組合による抵抗や政府の規制など、一筋縄では進まないが、本当に有効な改革は世界中に広がるのだなと。リバプールの凋落、日本の家電メーカの躍進もコンテナが果たした役割は大きい。

  • そういえば就職活動の時マースクを受けたと懐かしみながら読みました。コンテナにより国際物流のコストが劇的に下がったため、僕たちの世界は常にデフレ圧力を受けるようになったのですねえ。とても興味深い内容の本です。

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