- Amazon.co.jp ・電子書籍 (196ページ)
感想・レビュー・書評
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もし森茉莉さんが今もご健在だとしたら、食べてもらいたい料理や食材が頭に色々思い浮かんできます。いったいどんな感想を綴ってくれるのか。想像したら少し楽しくなってきます。
かつてのフランスでの思い出話や日常の食事風景からどの時代も外国の料理や風習は興味深くみえて、時間が経っても輝いて見えるんだなぁと。
何度も登場する父親に溺愛された思い出話は微笑ましく、おばあさんの歳になっても若い娘さんのような雰囲気が伝わってくる可愛らしい女性だと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
毛利鴎外の娘、森茉莉の食べ物にまつわるエッセイ集
父母から大切に育てられて育んだ「伸びやかな(ある意味伸びやかすぎる)自尊心」を体現したような森茉莉さんの主張が楽しい
粋を大切に思いながら、刺し身をめぐって知人の子供に本気で腹をたて、自分には常識がないのかも、と表面的には嘆きながら「まぁ、あたしはこうだから仕方ないわね」くらいの大胆な諦めをかます森茉莉さん
表記のせいか(バターはバタア、など)出てくる料理やお菓子の描写がどれも美味しそう
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森鷗外の長女の,食に関わりのあるエッセイなどを集めたもの。この方のことは全く存じ上げなかったが,個性的な人となりが伝わってきて,面白かった。あと,さまざまな著名人との交友の様子とか。著作権が鷗外の死後30年で切れて,「本屋だけが儲けるようになった」という視点は遺族ならではで,そういう考え方をしたことがなかったので新鮮だった。そう考えると,出版社というのはアコギな商売だ。