リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす [Kindle]
- 日経BP (2012年4月16日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (389ページ)
感想・レビュー・書評
-
ベンチャー戦略のDay6の推薦本
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
検証による学び、リーンに立ち上げる、構築・計測・学習の考え方は好き。一回で正解が出せるような質ではない問いに向かう時の良い経典になりそう。
ただ、これだけだと具体的な方法論がなく思想だけが抽象的に残るので今のところ星3。関連書を読んで、自分の肌に合うものを1つ決める。 -
「リーンスタートアップ」とは、エリック・リース氏の登録商標で、顧客開発とアジャイルソフトウエア開発方法論とリーン手法(トヨタ生産方式;いわゆるカンバン方式)を統合したものです。カンバン方式はもとより、アジャイルも野中郁次郎先生の論文を読んで米国人が発想したものですので、実はほぼ日本発の方法論なんですよね。でも、こういうのを統合して一つの方法論にして、魅力的なネーミングを付けて普及させるのは海外が得意ですね。
「リーンスタートアップ」とは、まだうまくいくかどうかわからないアイデアを低コスト、小規模にビジネスモデルとして試験的に実行し、小さな失敗から多くのことを学びながら、ビジネスモデルを改善して成長させ、大きなビジネスに育てていく手法ということになるかと思います。もっと小さい規模になると、デザイン思考でのプロトタイピングになると思います。
この本だけで読むよりも、アッシュ・マウリャ(著)の「Running Lean ―実践リーンスタートアップ (THE LEAN SERIES)」と「図解リーン・スタートアップ成長戦略」の2冊を併せて読むと、リーンスタートアップについてよく理解できると思います。 -
もはや古典になりつつありますが根底にある考え方は、全て本書から学びました。
正解がない中で、少ないサンプル数でファクトを確認しながら仮説を作り(仮で答えを作る)、そして多くのサンプル数で検証する。
今でも年に数回はパラパラと読み返してます。 -
* 「持続可能な事業に出来るか?」はキーワードに感じた。製品、特にソフトウェアやSaaSは出して終わりではなく、出してからが勝負だろう。持続可能にするには、出してからも検証し続ける必要があり、常に顧客に価値を提供し続ける必要があると感じた。
* 価値を提供するもの以外はすべてムダであるというリーンの考え方に、今まではほとんどが反してると感じた…。顧客に使われてる機能は全体の20%ほどであり、80%がムダだと聞いたことがある。つまり80%、コスト換算してもムダなことをしていることになる。盛大に作り込み失敗する前に、必要な分だけ小さく作り、検証し、また必要な分だけ小さく作り、検証し…を繰り返すことでムダを省けるイメージはたしかに出来る。ただこれを実行するのは思っている以上に難しい。リーンな考え方とは違う働き方で来ている人が多いので、マインドセットを変えないといけないし、変化を受け入れる必要がある。個人レベルでも組織レベルでも。
* アーリーアダプターをどう捕まえるか?はとても大事だと思う。たくさんのフィードバックを得られるというのが1番大きい。失敗に対して寛容であるかは、その顧客の外部環境やドメインにもよりそうだが、コミュニケーションでリスクをコントロールしていくのかなと思う。
* MVPという定義は人によってばらばらの認識があるイメージがある。本書では製品であり、成功したらすぐに出荷できること、という定義である。つまり試作品ではいということで、作るものはその前提に立たないといけないし、作るチームは全員が認識を揃えないとうまく進まないと思う。
* MVPは自分が思っている以上にシンプルなんだと思う。学びのプロセスを始めることが目的であり、それに貢献しない機能は不要。デザインや技術検証をするものでもないので、不要。ほんとシンプルなので、これをユーザーに当てるのは勇気がいるし、丁寧なコミュニケーションが必要だろう。ブランディングのリスクは気をつけないといけないのかなと思った.
* ピボットもすごく勇気いると思う。投資家になんて説明するんだろ?サンクコストと捉える人もいそうだし、、一旦しゃがむけど後にリターンを見せて、投資の一部と捉えてもらう、とかなのかなぁ
* お客さんがお客さんを呼ぶ、持続的な成長は目指したい
* バッジサイズを小さくし、フィードバックループをどんどん回す方が事業リスクを下げることができる。納得。正解かわからないものをどかっと作って、一気にリリースすることが結構多い気がするが、それは不確実性の高い今の時代では合わない -
トヨタのリーン生産方式をルーツにし、起業に転用したマネジメント手法
「検証による学び」
自動車の運転(継続的に調整・操縦)↔ロケットの発射(複雑な計画)
⇒比喩でマネジメントを「ステアリングを握る」とも言うなぁ
顧客にとって価値を生み出している部分↔無駄な部分
誰が顧客なのかわからなければ、何が品質なのかもわからない。
革新会計の観点は、サブスクの観点と似ている。
「サブスクリプションで売上の壁を超える方法」で述べられている。
新規流入顧客やアクティベーション、成長のエンジンなどの切り口。
方向転換ピボットを戦略的仮説として捉えている部分も。まぁ軌道修正という普通のことを盛った表現にしているだけでもある。
サンドボックス(砂場)とMVP(実用最小限製品)は堂々巡りになっている。
砂場で遊んで学べる人材が居ないと、成り立たない理論に思う。
遊んで学べる人材は、砂場でなくてもやっていると思う。著者自身も含めて。
本書の内容が、遊んで学べる人材や組織の育成でもないところが消化不良である。
ジャストインタイムで倉庫が小さくなるのは、道路を倉庫代わりにしているからだと思う。なぜなぜをダレと解釈しているけど、著者はトヨタ信者で盲目的な側面を感じる。後半はトヨタの紹介になっている。
洋書の特徴であるピンとこない実例がダラダラとページを割いている印象。