リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす [Kindle]

制作 : 伊藤 穣一(MITメディアラボ所長) (解説) 
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感想・レビュー・書評

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  • ベンチャー戦略のDay6の推薦本

  • スタートアップ=とても不確実な環境にいて、新しい製品やサービスを作り出さなければいけない人
    試す機会が1つだけ→自分のアイデアを通そうとする政治家が生まれる
    試す機会が沢山→全員が全員自分のアイデアを試すことができる

  • 検証による学び、リーンに立ち上げる、構築・計測・学習の考え方は好き。一回で正解が出せるような質ではない問いに向かう時の良い経典になりそう。
    ただ、これだけだと具体的な方法論がなく思想だけが抽象的に残るので今のところ星3。関連書を読んで、自分の肌に合うものを1つ決める。

  • 「リーンスタートアップ」とは、エリック・リース氏の登録商標で、顧客開発とアジャイルソフトウエア開発方法論とリーン手法(トヨタ生産方式;いわゆるカンバン方式)を統合したものです。カンバン方式はもとより、アジャイルも野中郁次郎先生の論文を読んで米国人が発想したものですので、実はほぼ日本発の方法論なんですよね。でも、こういうのを統合して一つの方法論にして、魅力的なネーミングを付けて普及させるのは海外が得意ですね。
    「リーンスタートアップ」とは、まだうまくいくかどうかわからないアイデアを低コスト、小規模にビジネスモデルとして試験的に実行し、小さな失敗から多くのことを学びながら、ビジネスモデルを改善して成長させ、大きなビジネスに育てていく手法ということになるかと思います。もっと小さい規模になると、デザイン思考でのプロトタイピングになると思います。
    この本だけで読むよりも、アッシュ・マウリャ(著)の「Running Lean ―実践リーンスタートアップ (THE LEAN SERIES)」と「図解リーン・スタートアップ成長戦略」の2冊を併せて読むと、リーンスタートアップについてよく理解できると思います。

  • もはや古典になりつつありますが根底にある考え方は、全て本書から学びました。
    正解がない中で、少ないサンプル数でファクトを確認しながら仮説を作り(仮で答えを作る)、そして多くのサンプル数で検証する。
    今でも年に数回はパラパラと読み返してます。

  • * 「持続可能な事業に出来るか?」はキーワードに感じた。製品、特にソフトウェアやSaaSは出して終わりではなく、出してからが勝負だろう。持続可能にするには、出してからも検証し続ける必要があり、常に顧客に価値を提供し続ける必要があると感じた。
    * 価値を提供するもの以外はすべてムダであるというリーンの考え方に、今まではほとんどが反してると感じた…。顧客に使われてる機能は全体の20%ほどであり、80%がムダだと聞いたことがある。つまり80%、コスト換算してもムダなことをしていることになる。盛大に作り込み失敗する前に、必要な分だけ小さく作り、検証し、また必要な分だけ小さく作り、検証し…を繰り返すことでムダを省けるイメージはたしかに出来る。ただこれを実行するのは思っている以上に難しい。リーンな考え方とは違う働き方で来ている人が多いので、マインドセットを変えないといけないし、変化を受け入れる必要がある。個人レベルでも組織レベルでも。
    * アーリーアダプターをどう捕まえるか?はとても大事だと思う。たくさんのフィードバックを得られるというのが1番大きい。失敗に対して寛容であるかは、その顧客の外部環境やドメインにもよりそうだが、コミュニケーションでリスクをコントロールしていくのかなと思う。
    * MVPという定義は人によってばらばらの認識があるイメージがある。本書では製品であり、成功したらすぐに出荷できること、という定義である。つまり試作品ではいということで、作るものはその前提に立たないといけないし、作るチームは全員が認識を揃えないとうまく進まないと思う。
    * MVPは自分が思っている以上にシンプルなんだと思う。学びのプロセスを始めることが目的であり、それに貢献しない機能は不要。デザインや技術検証をするものでもないので、不要。ほんとシンプルなので、これをユーザーに当てるのは勇気がいるし、丁寧なコミュニケーションが必要だろう。ブランディングのリスクは気をつけないといけないのかなと思った.
    * ピボットもすごく勇気いると思う。投資家になんて説明するんだろ?サンクコストと捉える人もいそうだし、、一旦しゃがむけど後にリターンを見せて、投資の一部と捉えてもらう、とかなのかなぁ
    * お客さんがお客さんを呼ぶ、持続的な成長は目指したい
    * バッジサイズを小さくし、フィードバックループをどんどん回す方が事業リスクを下げることができる。納得。正解かわからないものをどかっと作って、一気にリリースすることが結構多い気がするが、それは不確実性の高い今の時代では合わない

  • トヨタのリーン生産方式をルーツにし、起業に転用したマネジメント手法
    「検証による学び」
    自動車の運転(継続的に調整・操縦)↔ロケットの発射(複雑な計画) 
     ⇒比喩でマネジメントを「ステアリングを握る」とも言うなぁ

    顧客にとって価値を生み出している部分↔無駄な部分
    誰が顧客なのかわからなければ、何が品質なのかもわからない。

    革新会計の観点は、サブスクの観点と似ている。
    「サブスクリプションで売上の壁を超える方法」で述べられている。
    新規流入顧客やアクティベーション、成長のエンジンなどの切り口。
    方向転換ピボットを戦略的仮説として捉えている部分も。まぁ軌道修正という普通のことを盛った表現にしているだけでもある。

    サンドボックス(砂場)とMVP(実用最小限製品)は堂々巡りになっている。
    砂場で遊んで学べる人材が居ないと、成り立たない理論に思う。
    遊んで学べる人材は、砂場でなくてもやっていると思う。著者自身も含めて。
    本書の内容が、遊んで学べる人材や組織の育成でもないところが消化不良である。

    ジャストインタイムで倉庫が小さくなるのは、道路を倉庫代わりにしているからだと思う。なぜなぜをダレと解釈しているけど、著者はトヨタ信者で盲目的な側面を感じる。後半はトヨタの紹介になっている。
    洋書の特徴であるピンとこない実例がダラダラとページを割いている印象。

  • フライヤー
    骨太やけど、絶対読んだ方がいいらしい

    ・スタートアップの目標:できるかぎり早く、顧客が欲しがり、お金を払ってくれるモノを突きとめること
    →リーン・スタートアップはそのためのマネジメント手法


    ・仮説の段階をクリアしたら、できるだけ早くMVP(実用最小限の製品)を作るべきだ。リーン・スタートアップは、構築―計測―学習のフィードバックループを中心にモデル化されている
    ← のちのち必要になる必須機能さえなくてもかまわない
    →最初の顧客:アーリーアダプター
    ←ここが求める以上のものは時間とリソースの無駄

    ・普通の会計では、不確実性が高すぎて、精度のよい予測や目標が得られない
    →革新会計
    (1)会社の現状を示すデータを、MVPから得る
    (2)ベース・ラインの状態から理想状態へもっていくための、エンジンのチューニングを進める。調整は少しずつ何回でもおこなうことになるだろう。
    (3)理想状態へ向けて、できるかぎりの微調整や製品の最適化を終えたら、今度はピボット(方向転換)するか辛抱するかの決断

  •  

  • 【目的】
    積読消化。選択科目Marketing for Innovation内の推薦図書、Reading課題 2013年Harvard Business Review "Why the Lean Start-Up Changes Everything"でも触れられた関連項目の為、このタイミングで読了。起業・イノベーションの21世紀トレンドの基礎部分を学んだ。
    アントレ関連で有名な本書だが、総論的で具体的なイメージがわきずらかった。
    以前読んだ、リクルート出身の麻生氏が書いた「新規事業の実践論」で社内新規事業開発(≒起業)という点で既に学んだ内容が多かったため、感動が少なかったのかもしれない。また、そちらの方が、日本のビジネスに沿った事例が出てくるため理解しやすかった。

    【メモ】
    ■リーン・スタートアップの5原則
    1. アントレプレナーはあらゆるところにいる
    2. 起業とはマネジメントである
    3. 検証による学び
    4. 構築ー計測ー学習
    5. 革新会計

    ■3部構成
    Ⅰ「ビジョン」
    ・機能ごとに部門として専門分野で成績を上げるように求めるのではなく、機能横断的なチームとしてLearnig Milestoneを達成するように求めるべき
    ・リーン・スタートアップとは、サイクルタイムの短縮と顧客に対する洞察、ビジョン、大望に気を配りながら、「検証による学び」を通して画期的な新製品を開発する方法
    ・事前に仮説に基づいて複雑な計画を立てるのではなく、フィードバックループをハンドルとして継続的に調整を行う。(×ロケット打ち上げ ○自動車)
    ・Pivotすべきか、Persevereすべきかこの操作プロセスを通じて学ぶ
    ・リーンな考え方における価値とは顧客にとってのメリットを提供するものをさし、それ以外はすべて無駄だと考える
    ・何をどれだけ作っているかではなく、投入した労力から検証による学びをどれほど多く得ているのかを基準にする
    ・×「この製品は作れるか」○「この製品は作るべきか」、「このような製品やサービスを中心に持続可能な事業が構築できるか」

    Ⅱ「舵取り」
    ・構築ー計測ー学習のフィードバックループ
    構築⇒(製品)⇒計測⇒(データ)⇒学習⇒(アイデア)⇒構築
    ・スタートアップ計画で最もリスクが高い要素は挑戦の要(Leap-of-faith)となる仮説。中でも重要度が高いのが価値仮説と成長仮説
    ・仮説の次は最初のステップである構築フェースに入り、出来るだけ早くMVP(Minimum viable product)を作る
    ・計測フェーズでは、管理会計、財務会計とは別に革新会計により、製品開発が本当の全身に繋がっているかを測り、学びの中間目標(Learning Milestone)を設定すrう
    ・ループを回り終えたとき、ピボットの是非を判断する
    ・総顧客数を始めとする「虚栄の評価基準」を捨て、事業や学びの中間目標の判断に使える「行動に繋がる評価基準」を採用する
    ・ピボットの様々なタイプ
     ズームイン型、ウームアウト型、顧客セグメント型、顧客ニーズ型、プラットフォーム型、事業構造型、価値補足型、成長エンジン型、チャネル型、技術型

    Ⅲ「スピードアップ」
    ・スタートアップにおける価値とは、モノを作ることではなく、検証を通じて持続可能な事業の構築方法を学ぶこと。
    ・バッチサイズの縮小による効率化(○封筒1つ1つ織り込み ×1工程ずつ纏めて作業)
    ・大企業で社内のイノベーションをスピードアップしたい場合、実験のプラットフォームは経営幹部が責任をもって用意しなければならない
    ・成長のエンジン:スタートアップが持続的に成長するために必要とするメカニズム(口コミ、利用に伴う宣伝効果、有料広告、リピート)
    ・3種の成長エンジン(粘着型、ウイルス型、支出型)
    ・破壊的イノベーションの醸成方法
    社内スタートアップは経営幹部の支援なしの組織構築は難しい。3つの特質(確実な資源の用意、自分たちの事業を興す権限、成果に個人的な利害がかかっている)
    ・スタートアップチームは、守備範囲内で自由に新製品を開発しマーケティングする権限が無ければならない。実験もm、計画から実行までに必要な商人が多すぎてはならない。
    ・成果と個人的利害を結び付けるには、誰がイノベーターであるのかを明確にし、成功時、その製品を生み出したのはその人だと認めてあげる。(トヨタでいう主査・チーフエンジニア)
    ・スタートアップチームが自立行動をとる際に守る基本原則を定める。(親組織を守る方法、マネージャーに責任を問う方法、成功したイノベーションを親組織に組み戻す方法)
    ・イノベーションの文化を長期にわたって保つためには、皆の前でイノベーションチームが力を発揮できる仕組み、具体的には「サンドボックス」を作る

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