小倉昌男 経営学 [Kindle]

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  • ヤマト運輸 2代目社長の経営論。

    戦後から平成(書かれたのは1999年くらい)の怒涛の時代変化の中、
    『宅急便』という 今まで郵便局しかいなかった、絶対に採算が取れないとどこの運送会社もやってこなかった個人宅配業務に参入、確立、拡大まで
    何を信じて何をしてきたのか
    経営者の視点で惜しげもなく書かれている本。

    正しいと思うことを誠実に
    勇気を持って優先順位をつけ
    企業は社会的存在だから 過疎化した村だろうが翌日配達したいという需要はあるし 供給されるべきだ、という考え のもと きっと損益分岐点は超える!という信念で 
    労働組合とも行政とも戦い
    全国の宅配ネットワークを樹立した。
    『サービス第一、利益が第二』(社長だから言える、からこそ社長が言わねばならない、とのこと。素晴らしい)の精神。
    人事考課は「人柄」の360°評価らしい。今でもそうなのかな。

    今のヤマト運輸にこの精神はどれだけ残っているんだろうか。気になる。

  • ・社員との信頼関係構築
    ・“ユーザーが求めているもの”に耳を傾け実現する
    ・必要であれば相手が誰であろうとも徹底して闘う
    この3つを感じました。

  • - なぜ宅急便ビジネスが成功したのか、徹底的な状況分析から戦略を立てていくプロセスを非常に論理建てて説明している。
    - ***
    - 営業所を新設したらプラスかマイナスか。そんなことは議論の余地のない問題である。宅急便を始めた以上、荷物の密度がある線以上になれば黒字になり、ある線以下ならば赤字になる。したがって荷物の密度をできるだけ早く“〝 濃く”〟 するのは至上命令である。そのためには、サービスを向上して差別化を図らなければならない。コストが上がるから止める、というのはこの場合、考え方としておかしい。サービスとコストはトレードオフだが、両方の条件を比較検討して選択するという問題ではない。どちらを優先するかの判断の問題なのである。  だから、手間ひまかけてメリットやコストの計算をするのはやめてほしい。それよりも、サービスを向上するためにはどうしたらよいか、それだけを考え、実行してほしい――。私は皆にそう訴えた。そこで「サービスが先、利益は後」のモットーを作ったわけである。
    - どんな工場にいっても「安全第一」の標語が掲げられていないところはない。しかし安全第一の言葉は、マンネリの代名詞のようなもので、どれだけ実効を上げているか疑問である。というのも、第二がないからである。 /// だが“〝 第二”〟 がなく、“〝 第一”〟 ばかりあるということは、本当の第一がない、ということを表してはいないだろうか。  何でも“〝 第一”〟 の社長は、「戦術的レベル」の社長である。うちの会社の現状では何が第一で、何が第二、とはっきり指示できる社長は、「戦略的レベル」の社長である。  社長の役目は、会社の現状を正しく分析し、何を重点として取り上げなければならないかを選択し、それを論理的に説明すること、つまり戦略的思考をすることに尽きると思う。
    - 経営とは論理の積み重ねである。なかには成功した他社の真似だけをしている駄目な経営者もいる。だが、なぜ他社が成功したか、自社の経営に生かすにはどこを変えるか、論理的に考える必要がある。考える力がなければ経営者とはいえない。

  • クロネコヤマトの宅急便サービスを始めた小倉昌男さんの著書。

    “経営者にとって一番必要な条件は、論理的に考える思考を持っていることである。なぜなら経営は論理の積み重ねである”

    生産が合わないと言われていた宅急便。しかし、開始までは緻密な予測と準備がありました。その上での黒字でしたが、その後、何も考えず参入してきた35社は一社を残し全て撤退したそうです。

    論理的に考える。(他人のマネではなく)
    経営者になる。このマインドが強い会社に必要だと説いております。

  • どうやって今の物流を作り上げたんだろうってことで読んだ1冊。
    そもそも宅急便ができてなかったら、今のAmazonやら楽天やらのネット販売とかも成り立ってない訳で。

    ちょっと古い(1999年著)ってこともあってか、なかなか想像し辛い部分もあったけど、
    「安全第一、営業第二」っていう標語では、第二がないと、意味がないよねっていうのだったり、「サービスが先、利益は後」っていうのをやりきる姿勢。やっぱトップの思い込み(いい意味)とやりきる力はやっぱり重要なんだなと。

    …多分今でもなにかあるはず。

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