パシフィック・リム ブルーレイ&DVDセット (3枚組)(初回限定生産) [Blu-ray]

監督 : ギレルモ・デル・トロ 
出演 : チャーリー・ハナム  イドリス・エルバ  菊地凛子  チャーリー・デイ  ロブ・カジンスキー  マックス・マーティーニ  芦田愛菜 
  • ワーナー・ホーム・ビデオ
3.72
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感想 : 173
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4548967036244

感想・レビュー・書評

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  • 以下より再掲載

    http://rapiya.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/neon-knights.html



    先週、現在公開中の映画『パシフィック・リム』を観てきました。
    今回はその感想をネタバレしない程度に。



    まず第一に。
    とても面白かったです。
    語りたくなる内容でした。
    そして思うところもありこうして珍しく筆をとりました。

    私がこの作品の存在を知ったきっかけは、確かTwitterで怪獣関係でフォローさせていただいている方のツイートだったかと思います。
    公開が近くなるとともにこの映画について口にする方が多くなり、それらを目にするにつけ、こりゃ怪獣特撮好きとしては観ておくべきと決意したのでした。
    ただ、ひとつ感じた点。
    以前サッカーW杯の際、あるサッカー好きの芸能人が「こんなに多くのサッカーファンが今まで日本のどこに潜んでいたのか」的な発言をしたことがあり、一部で顰蹙を買ったという出来事があったように記憶しますが、今回の私も似たような感覚を覚えたということです。
    これに関しては、私がTVをもう何年も見ておらず、世間の話題に鈍感なため、事前にどれぐらい・どのようにメディアで取り上げられていたかをあまり把握していないから余計にそう感じたのかもしれません。

    内容についてですが、至極端的に述べるとまず事前情報どおり日本の怪獣特撮・ロボットアニメなどに対する愛情や敬意が強く感じられる作品でした。
    敵対者であるモンスターの呼称が「KAIJU」である部分もうれしいです。
    反面、普段怪獣映画やロボットアニメに親しんでいる方には想定外の展開はほぼないのではないかと思います。
    自分の感じた範囲だと例えば「この場面だと日本の作品ならおそらくこのキャラは退場していただろう」といった意外性が何箇所かあった程度でそれ以外に驚かされる展開はほぼなかったように思います。(ちなみに後になってハムゴジにもこんな場面あったななどと思い出しました)
    誤解を恐れずにいえば、物語はバトル場面を盛り上げるための手段としてあえてシンプルに組み立てられているとも感じました。
    物語のうえで予想を大きく上回る点はなかったにせよ、とにかく前向きで数分ごと盛り上がれる場面があり、絶望的な場面の後でも希望が用意されているという娯楽映画のお手本のような、素直に楽しめる作品だと思います。
    131分の長尺ながら一瞬も飽きさせないのはさすがという他ありません。


    そういった面を踏まえ、やはり怪獣好きの自分としては日本の作品と比較して観ている部分が常にありました。
    鑑賞中は、この作品のこの場面は日本の作品でいうとなんだろうかと頭のどこかで考えていました。
    通してみると、おそらくエヴァンゲリオンが比較対象として最も近しいように思いました。
    前述した「前向き」な展開、こう感じたのはエヴァと比較して鑑賞していたからというのもあるのかもしれません。
    また、そう感じた他の一因に自分が日本の怪獣特撮の暗い面にも魅力を感じているから余計に比較してしまうという点はあるでしょう。
    例えばウルトラマン「故郷は地球」のジャミラ、ウルトラセブン「ノンマルトの使者」のノンマルト、帰ってきたウルトラマン「怪獣使いと少年」のメイツ星人、彼らには何も救いはなかったように思います。
    自分の人格形成において強い影響を与えてきたのは、彼らのような救われない敵対者の存在でした。
    彼らだけでなく、自分の観てきた怪獣特撮はどこか闇を内包しており、自分はそこにひかれていたのだと思います。(「怪獣」の出発点である初代ゴジラ然り)
    『パシフィック・リム』においてはそういった後味の悪さのようなアクはなく、そのような点では日本の怪獣特撮とは別物だと感じます。
    KAIJUという存在について考える場合、近しく感じたのはウルトラマンAの超獣ですね。
    詳しくは伏せますが、あくまで人類を害する目的の尖兵・兵器であり、孤独な巨大生物といった悲壮感を背負っていない点において近しいように思えました。(本作品中、KAIJUに強いシンパシーを感じていた登場人物はおそらく一人のみでしょう。)
    また、超獣ベロクロンやバキシムといった、感情を感じさせない異形の敵対者然とした風貌を先鋭化させたようなデザインからもそう感じました。
    とにかくKAIJUの恐ろしさの描き方は見事で、KAIJUの絶望的な存在感があるからこそ主役機の心強さが引き立つのでしょう。
    ただデザイン的な面でもうひとつ述べると、私はイェーガーにもKAIJUにもそれほど外見的魅力は感じませんでした。
    私が日本の(特に昭和の)怪獣の愛嬌があるところが気に入っているためでもあるかもしれません。
    その辺は個人の感性の違いですね。
    でも、序盤に主役機と戦ったKAIJUナイフヘッドのインパクトはすさまじく、このKAIJUとの戦闘場面は全体の中でも特に印象的でしたね。
    あとはロシアのイェーガー、チェルノ・アルファの無骨な外見と旧世代機という設定は、ガンダムのジオンの残党を彷彿させるためか割と好きだったりします。


    以下、蛇足気味ですが。
    この映画の公開後、絶賛の声を多く目にしましたが、その中で「日本の怪獣特撮と比較して抜群に優れている」といった旨の意見がたびたびありました。
    個人の感性なのでそう述べるのは構わないのですが、そう述べている方の何割が日本の怪獣特撮を語れるぐらい観ているのだろうと疑問に思いました。
    こんなまとめがあります。( http://togetter.com/li/553324
    これを見た私はこうツイートしました。


    これ本人は面白いつもりで言ってるのかもしれないけど、日本の怪獣特撮舐めすぎってのが何人もいてイラッとした。日本の怪獣映画,パシフィックリムどちらも未見で書いてる奴絶対いるだろ


    これが日本の怪獣特撮を腐して『パシフィック・リム』を持ち上げている方への私の正直な感想です。
    『パシフィック・リム』がいい映画なのは間違いない、でも日本の怪獣映画にだって負けない作品はある。
    私はそう思います。
    『パシフィック・リム』の映像はとにかく美しい、例えば夜の市街地でガッツンガッツン殴りあう殺陣は非常に見栄えがする、日本の作品が学ぶべき点が多くあることに異論はないです。
    しかし、ミニチュアやキグルミ・操演といった日本特撮の伝統芸が必ずしもこういったVFXの下位ではないはず。
    『パシフィック・リム』は日本の怪獣特撮の進化形ではなく、その要素を受け継いだ別のベクトルの作品だと私は感じました。
    仮にゴジラやガメラが今も新作を発表し続けていて、それらがこの作品のような、いわゆる誰でも楽しめるエンタメ作品になっていたかと考えると、全く違ったものになっていただろうと私は思います。
    少なくとも『パシフィック・リム』よりは観る側を選ぶ作品になっていたでしょう。
    (日本の怪獣映画のメイン観客層はおそらく子供とマニアが多くを占めているだろうという推測に加えて。)
    実際に『パシフィック・リム』が日本の作品には影響を及ぼすとしても、それが今後公開されるかもしれない怪獣映画への集客の導線にはならないでしょうし、復権に寄与するものでない気がします。
    今回映画館で多く見かけたカップルを、今後国産怪獣映画が公開されるとして再び見かけることはないと思います。
    作品の質を別にして、日本の怪獣特撮は良くも悪くも誰でも楽しめるわけではないところが特徴のひとつだと思いますし。
    私が日本の怪獣特撮を好きな点である暗さや後味の悪さも十分敬遠される理由になりうるでしょう。
    (もちろん人を選ぶ作品が、誰でも楽しめる作品に劣るとは思っていません。逆も然りです。)
    繰り返しますが『パシフィック・リム』は非常に面白い作品です。
    私もすごく楽しみました。
    でも、そういった意味も含めて悔しさを感じたのは否定できません。


    最後になりますが、ラストに本多猪四郎監督の名前が出たのは素直に感動しました。
    ハリーハウゼン作品も今後観てみようと思います。
    おそらくDVDも購入しますし、続編が公開されたら観にいくでしょう。
    内容にほぼ触れず、奥歯に物が挟まったような感想になりましたが、私を嫉妬させ、語らせ、今後散在させるには十分以上の作品でした。
    以上です。

  • 前からずっと気になっていたけどようやく見ることが出来た。

    怪獣と巨大ロボットへの愛がこれでもかと詰め込まれた映画。CGもふんだんに使われているけど、実写の部分も多くて、監督さんのこだわりを感じた。
    俳優さんたちは大変そうだったけど、そのぶん迫力があって面白かった。
    映画館で見ることが出来なかったのが悔しい。
    ストーリーもきれいな起承転結で、見ていて爽快だった。
    吹き替えは、声優さんに疎い私でも分かるくらい豪華なのも良かった。

  • ロケットパーンチ!
    劇場で観たとき、ギリギリにチケットを取ったら
    大人気で席が前方しか空いておらず、仕方なく前方で観ました。
    ところがその選択が大正解。
    首を曲げて見上げるイェーガーの巨大さは迫るようにリアルに感じられて、大興奮でした。
    日本のロボット映画をリスペクトして作られただけあって、しばしば盛り込まれる日本的な要素も楽しかったです。
    結末もきれい。

  • あらすじ読んだら「なんか100回見たような内容だな…」と思ったのですが近所の劇場で1000円でやってるっていうし、やたら評判がいいみたいなので見に行きました。

    非常に好感は持てました。王道設定、王道展開をこれでもかというほど詰め込んで、男の子のアツい夢が詰め込んであるなあという感じ。

    でもこれ女にはついていけねえや!笑
    王道といえば聞こえはいいけどほんとわかりやすすぎる展開でもうネタでわざとやってるのか!?という感じ。えっ、ネタなのかな!!笑
    映像は確かにすごいと思ったけど3Dで見たもんだからスピード感と奥行きとで何が起きているのかわけがわからない…。
    あと主人公の影が薄すぎる。私はてっきり他の男とコンビ組まされて「お前は兄貴とはぜんぜん違う!」「ああ、俺はお前の兄貴じゃないからな」みたいな諍いを経て最後は友情の力で怪獣を倒す的なストーリーかと思ったらまさかの日本人女性だし。じゃあラブロマンスか!と思ったらちゅーすらしない。えっなんだこれ純情!?笑

    アツいハートを持った人のための映画ですね。枯れててごめん!笑

  • ギレルモ監督作品が好きなのでこれも観ておこうと借りた。次の日にテレビで吹き替え版やってたのも観たけど色々カットされすぎでしょ…

    序盤に息ぴったりの仲良し兄弟出てきた時点でどっちか死ぬなという予感は見事に当たってしまった。
    カイジュウってそのまんまなのね(笑)登場する曲がゴジラっぽかった。
    ロボよりもモンスターを見たかったので気持ち悪いのがいっぱい出てきて興奮した。酸吐く奴がキモくて最高だった。
    そしてローリーとマコくっつけないでくれてよかった~!!あくまでもああいうのは一緒に戦う仲間であってほしいんだよ…

    余談ですがニュートンがオリラジの藤森にしか見えなくて最後まで結局藤森として見てた。

  • ガンダムとエヴァンゲリオンを足して割った感じだろうか。釈然としないところもあったけど、恋愛要素を入れなかったのはすごくいい。
    科学者二人が好きだな。あとお父さん。小さい頃のマコも可愛い。

  • も っ と 早 く 観 て お け ば … !

    上映時からロボ好きの友人たちが熱く語るのを横目になんとなくロボットの機体のフォルムが好きになれず見ていなかったんですが、本当にすみませんでしたああ!(土下座)
    エヴァとかフルメタが大好きな身としては有人ロボットは垂涎ものだし、多国籍の人種で構成される軍事組織の人間模様なんかもおいしくいただけるし、主人公とヒロインの関係もとにかく萌える…!最高!!続編も待ち遠しいー!

  • ロボが好き、怪獣が好き、という情熱がどのくらいあるかで評価が真っ二つな作品なんだと思います。私はそこまでの思い入れはない(でもマジンガーZやオリジナルガンダムは見て育ちましたけど)ので劇場にはいかなかったのですが、アメリカのフェミニストの間でマコのキャラクターが話題になっているのをネットで見かけたので興味を持って観ました。もちろんそんなことは関係なく監督のオタク魂に感涙する、というのが一番正しい観方な気はしますが。
    こういう、傷ついて一度は引退して戻ってきたベテランと、有能だけど経験が足りないルーキーのダブル主演って男性同士なら決して珍しくないと思うのですが、片方が女性っていうのは確かに初めて見た気がます。ハリウッドでアジア人女性がこんなに重要な役を任されることもまずないし、画期的と騒がれるのもわかります。マコが成功した時も失敗した時も、女性なのにすごいとか女性だからダメなんだとかいう反応が一切ないのが潔い。男性の主人公が金髪アメリカ人ナイスガイなのは古典的なヒーローらしい人を出してバランスを取るためなんでしょうね。やたらとラブストーリーにしていないのも好感度高いです。
    ちょっと残念なのは、マコの日本語のセリフが翻訳調というか英語的発想で、「日本語話者はそこでそうは言わないなあ」っていうセリフが多かったこと。菊池さんも正直日本語のセリフのほうが演技に苦労しているように見えました。
    とはいえイドリス・エルバがかっこいいし、オタクコンビが可愛いし、愛すべき映画だなあと思います。誰もが楽しめるエンタメとしての完成度を高めるより、監督の偏愛が溢れている感じ。だから万人受けはしないけど、愛される人にはものすごく愛されるのでは。
    多分監督はすごくいい人だと思います。続編があったら今度は劇場で観ます。

  • 何故かすごい期待して観た。そして期待よりつまらなかった。期待しないで観たら違ったんだろうか。
    戦いが昔のウルトラマンみたいでちょっと懐かしかった。

  • 名画座で鑑賞。
    ウルトラ世代、ガンダム世代は観なくては!
    怪獣VS人型ロボット、よくそ実写とCGで映画化してくれました。
    ロボットはザク型多し、怪獣はギラドラス型?多し。
    怪獣は正にKAIJYUと表記され基地内にも日本語多し。(意味不明な日本語も。『毅力』って何?)
    菊地凛子がヒロイン、子供時代を芦田愛菜が演じている。愛菜ちゃん上手い。エンディングでハリーハウゼンと本田猪四郎に捧ぐと出る。
    日本向け、オタク向け、の大サービス映画でした。
    私は★五つ!日経では★一つだろうな~。(>_<)

    P.S.
    先日友人(現役のオタク)と話をする機会があったのですが、本作は意外と日本では受けなかったとの事。
    以下その理由。
    ① 大筋がアバウト。インディペンデンスデイにそっくり。(そうだっけ?)
    ② 怪獣攻撃に至るプロセスが雑。
       索敵、発見、遠距離攻撃、中距離攻撃、最後に人型ロボット投入、でと どめを刺す。が望ましい。
    エヴァンゲリオン以降はこうした攻撃が主流になっているとの事。(そうなの?)
    ③ 水、陸、空、の闘いが全部同じ。変化をつけろ。
    ④ ロボットもオールマイティではない。水中戦闘用ロボットがあってしかるべき。(そういえばガンダムにはあったな)マジンガー世代ならジェットスクランダーを出せ。(監督はマジンガー世代らしい)
    ⑤ 怪獣デザインが皆同じ。厳密に言えば違うんだろうけど造形にインパ クトが無いから記憶に残らない。映画が終わってから書きだそうとした が誰も描けなかったとの事。
    ⑥ 日本でヒットするにはデートムービーの要素が不可欠だが中途半端、上記の如くオタクにも不評で結果ヒットしなかった。

    とても厳しいお言葉の数々、私は日本では出来ない事をアメリカは映像化したんだから、単純に楽しめばいいじゃん!と思いましたが・・・。
    深いわ~。
      

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著者プロフィール

映画監督・脚本家・小説家。
1964年10月9日生まれ。メキシコ出身。
劇場長編監督デビュー『クロノス』(92)が各国の賞で高く評価され、97年の『ミミック』でハリウッド・デビューを果たした。『デビルズ・バックボーン』(01)、『ブレイド2』(02)を経て、念願だったマイク・ミニョーラの人気アメコミの映画化『ヘルボーイ』(04)を実現。映画はヒットを記録し、続編『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』(08)はスタジオをユニバーサルに移して製作。その間にスペインで製作した『パンズ・ラビリンス』(06)は、アカデミー賞脚本賞にノミネートされたほか、カンヌ国際映画祭など各国で高い評価を受けて気鋭の監督として国際的に広く認知されるように。07年にはペドロ・アルモドバルらとメキシコで製作会社「チャチャチャ(Cha-Cha-Cha)」を設立。『ロード・オブ・ザ・リング』の前日談にあたる大作『ホビット』シリーズでは脚本を手掛けた。10年『パシフィック・リム』で、久々に監督に復帰。14年にはチャック・ホーガンとの共著で発表した初の小説「ストレイン」シリーズ(09年)のテレビドラマ化が実現。本作に続き、今後は『Pinocchio』『ヘルボーイ3』『パシフィック・リム2』などの話題作が予定されている。

「2016年 『ギレルモ・デル・トロ クリムゾン・ピーク アート・オブ・ダークネス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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