盲獣 [DVD]

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監督 : 増村保造 
出演 : 船越英二  緑魔子  千石規子 
  • 角川書店 (2013年11月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988111289209

盲獣 [DVD]の感想・レビュー・書評

  • 原作は江戸川乱歩の同名小説。
    但し、ストーリーはほぼオリジナル。

    生まれつき盲目の蘇父道夫(船越英二)は売れっ子モデル 島アキ(緑 魔子)を拐い自らが実践する触覚芸術のモデルにしようとする。
    不気味なアトリエからなんとか脱出を試みようとするアキ、そのアキをどうにかしてモデルにしようとする道夫。
    息子を溺愛するあまり道夫の為なら(それが犯罪でも)なんでもする母 しの(千石規子)。
    道夫親子の隠れ家兼アトリエを舞台に3人の人間模様が異様に絡み合っていく……

    乱歩の映像作品というと大体がエログロのイメージが強いがこの作品の場合、エロはアキを演じた緑 魔子のヌードがある程度。
    グロの部分は殆ど無い。
    クライマックスで「芋虫」へのオマージュとも取れるシーンがあるのだが物語中盤から出てくるアキの裸体像(未完成)が効果的に使われ直接的なシーンは勿論の事血飛沫も出て来ない。(これが東映作品だったら容赦ないカットが続出した筈。)

    しかし、個人的にグロく感じる所がある。
    それは道夫役の船越英二の演技。
    紳士的でありながら、いかがわしいというか妙な気味悪さというか、いい歳をした中年男が甘えるように、時にはすがるように母さん、母さんと母を呼び、視覚、聴覚、味覚といったものを否定し触覚の素晴らしさを嬉々として語る姿は気味が悪いのを通り越しておぞましい。
    これをグロと言わないで何をグロと言えばいいのだろう。
    観ていて気持ちが暗くなるというか重くなる。
    もし、この作品を子供の頃(と、言っても自分が生まれる前の作品だから観ようたって簡単には観れないのだが)に観ていたら後に船越英二が演じた「熱中時代」の校長先生の演技も気味悪いと感じる程のトラウマになっていた筈。

    ついでに言うとテーマ曲もメロディーは物悲しくメロドラマのような雰囲気なのだが、ブン、ブン、ブン、ブンと壊れたモーター音のようなリズムのおかげで聴いていて気が滅入る。

    終盤、しのの死により文字通り盲獣となった道夫にアキはその恐怖から屈し、いつしか触覚芸術の虜となるのだがその前にもう一度脱出を試みたもののやはり失敗してついに心折れるシーンがあっても良かったと思うのだが……

    この作品の後、土曜ワイド劇場の美女シリーズ「白い素肌の美女」、怪作「盲獣VS一寸法師」が作られるのだが何故かいずれも原作通りのストーリー展開ではないのが残念といえば残念。
    いつか原作通りの「盲獣」が作られる事を願うばかりである。
    だからといってこの作品がダメというつもりはない。(勿論、その他の作品も)
    これはこれでアリなのだ。(船越英二の演技はグロいけど)

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