ミッドナイト・イン・パリ [DVD]

監督 : ウディ・アレン 
出演 : オーウェン・ウィルソン  マリオン・コティヤール レイチェル・マクアダムス 
  • 角川書店
3.68
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感想 : 153
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988111289148

感想・レビュー・書評

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  • アマゾンプライムでたまたま見つけたウディアレン作品。
    何気に初ウディアレンとなります。

    その前に前情報。
    アメリカでウディアレンの作品には、「衒学的だ!」という批判があるそうです。
    アメリカではお金持ちぐらいしか大学へ行きませんから、教養のある人はあまり多くないかもしれません(日本とはピラミッドの構造がちょっと違います)。
    なので、教養のある人が知っているあるあるネタも一般大衆には理解できないのだそうです。ゆえに、「教養のある奴らだけが楽しめる映画を作ってる!」と非難されるのだそう。

    この作品も、例に漏れず、歴史上の偉人がわんさか出てきます。そして登場人物は普通に知っているし、憧れすらしています。だからわからない人には置いてけぼりを食らうかもしれない。
    おや、アマゾンにもそんなレビューが・・・。

    というわけで初ウディアレン。パリの街並みは綺麗ですし、偉人たちの台詞回しに痺れっぱなし。登場人物はちょっととんがってるかも。諧謔的な面も持ち合わせますが、それもまたクール。
    いい作品を見ることができました。

    ”ハリウッドの脚本家ギルは、婚約者とその両親と共に憧れのパリに滞在中。 そんな彼がある夜、0時を告げる鐘の音に導かれて迷い込んだ先は、芸術花開く1920年代だった! これは夢か幻かと驚くギルの前に、次から次へと偉人を名乗る面々と、妖艶な美女アドリアナが現れて・・・。”

    • lacuoさん
      これ、わざわざ映画館で見ました。
      ピカソやダリやヘミングウェイや、各界の有名スターがいっぱい出てきて楽しかった。
      どんなに年を重ねても、...
      これ、わざわざ映画館で見ました。
      ピカソやダリやヘミングウェイや、各界の有名スターがいっぱい出てきて楽しかった。
      どんなに年を重ねても、映画を撮り続けるアレンはすごいね。
      『アニー・ホール』は私もお気に入り。
      2018/03/02
    • 夜型さん
      おはようございます。
      小生はヘミングウェイが渋くてカッコよくて好きでした。
      他の映画も早くトライしたいです。
      おはようございます。
      小生はヘミングウェイが渋くてカッコよくて好きでした。
      他の映画も早くトライしたいです。
      2018/03/03
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      夜型さん
      もう観られた?「カイロの紫のバラ」
      夜型さん
      もう観られた?「カイロの紫のバラ」
      2021/04/07
  • エコール・ド・パリの時代のパリに行って錚々たる芸術家に会えるなんて、夢の様。
    観ているこちらも気分が浮ついてしまう。

    日常にそんなことがおこってしまうコメディー。

    とてもリアリティがあって、メルヘンチックでもなく、普通に20世紀前半のパリに行ってしまう。
    主人公達が旅行者である設定が違和感をなくさせるキーポイント。

    鼻もちならないアンチ役がアクセントになっている。
    この登場人物もウディ・アレン的。

    まさに、今まで通りのウディ・アレン印なんだけど、新鮮な印象。
    大御所もいいところなのに、ここまで軽やかな作品を作れて、きちんと観客にも夢見させられる。ウディ・アレン凄いな。

  • 心地よい夢の世界へ招待してくれるファンタジー♬

    深夜、0時の鐘が鳴ると、どこからともなく
    クラッシックカ―・プジョーが迎えに来てくれて、
    車内でワインやシャンパンを振舞ってくれる。

    もうそれだけでウハウハ~☆

    そして、1890~1920年へ連れて行ってくれます。
    しかもロートレック・ゴーギャン・ドガ・ヘミングウェイ・
    ピカソ・ダリ~などなど、数えきれない芸術家を
    紹介してくれる
    夢のようなお話。

    どの芸術家も、風景も、雨のパリも絵葉書みたいに綺麗で最高!

    個人的にはダリと気が合いそうな気がしました。

    自己主張が強い男でなんでもサイに結びつけて話す
    とても面白い男でしたよ。

    この作品鑑賞中はいつも飲んでる安いワインが
    いつもより美味しく感じられラッキー!

    もう、ホントに酔いしれて夢心地~☆

  • パリを旅行中の主人公が1920年代のパリと現代を行き来するというちょっとファンタジーチックな自分探し作品。
    さらっと見れました。

    主人公がの婚約者役、どこかで見た気がする•••と思って調べたら、この間見た「スポットライト 世紀のスクープ」の記者役の方でした。「アバウト・タイム」の主人公の相手役でもあるんですね。印象に残るいい役者さんだと思います^^

  • 物語の構成が実に巧みだ。
    パリの歴史の重みなるものが、
    何げなく表現されている。

    ヘミングウェイは、アメリカ人なのに 
    パリになじんでいる。
    スペイン内戦に加わったことが、それをスムースにした。
    ギルはアメリカ人なので、そう簡単に パリに入り込めないが
    ヘミングウェイが 道先案内人にすることで、
    違和感をなくそうとしているのは巧みだ。
    ヘミングウェイとピカソ。フィッツジェラルド。
    なぜか、ワクワクするような出会い。
    ピカソが ピカソ的で
    ダリが ダリ的だった。

    しかし、ギルは 婚約者と一緒にもかかわらず
    夜の街を彷徨するのを許されるのは、不思議な設定。

    アドリアナに 一目惚れする ギル。
    アドリアナは つねにホルモン全開。
    あわや と思ったが、結局すれ違う。

    さらに アドリアナのあこがれの時代に スリップする。
    探偵事務所の職員も とんでもないところに
    タイムスリップする。

    過去は つねにまぶしく 光り輝くときがある。
    パリは 文化の華々しいひかりの中に
    包まれていたのだ。

  • パリの風景。これしかない構図が気持ちいい。
    順調だけどしっくりこない生活を送るギルが、憧れの1920年のパリに迷い込み、ヘミングウェイやダリ、ピカソなど
    強烈な個性との邂逅を経て、幻想を捨て今を生きること、自分にとって大切な思いを大事にすることの幸福に気付く寓話。

    この作品自体が、ギルが実体験を元に執筆した小説、という設定になっている。
    この小説の執筆にあたって、ヘミングウェイやガートルード・スタインから指南を受けている。
    「物語が真実なら 題材はなんでもいい。簡潔かつ率直な文体で 窮地における勇気と気高さを肯定する内容ならな。」
    「あなたの小説はとっても変わってるわ。空想科学小説みたい。誰もが死を恐れ、自分の存在を問い直すわ。
    芸術家の仕事というものは絶望に屈せず、人間存在の空虚さを打ち破り救いを見つけることなのよ。
     あなたは明晰な文体をもっている。敗北主義は似合わないわ。」

    ギルは1920年のパリと芸術家達を愛してやまない。しかし彼等との邂逅を経て、やがて小さな真実に気付き始める。
    「時々思うんだ。このパリの街を凌げるような小説や絵画や交響曲や彫刻を人は産み出せるんだろうかってね。
     でも無理だ。だって見てご覧よ。どこの街角も大通りもどれもそれぞれが芸術作品なんだ。
    まるで奇跡みたいだ。冷たくて暴力的で意味のない宇宙にパリが存在する。この光が。
    本当 木星や海王星には何もないんだよ。でも宇宙からはこの光が見える。カフェや人々。酒を飲んで歌って。
    僕らが知る限りパリは宇宙一華やかな場所だ。」

    「もっと昔に生まれていたら幸せな人生がおくれたのにって」
    「懐古主義は、苦悩する現代への拒絶だよ。いわゆる“黄金時代思考”だ。
     昔は今より優れた時代だったという誤った認識だ。現代に対処できない夢見がちな人間の欠陥だな。」

    2010年のギルは1920年のパリが良いと言い、1920年のアドリアーナは1890年ベルエポックが良いと言い、
    また1890年のドガやゴーギャンはルネサンスが黄金時代だと言う。
    しかし皆が口を揃えて言う。「今なんかつまらない。退屈さ。」
    「僕は今小さな真実に気付いた。“今”ってそういう満たされないものなんだ。人生って満たされないものだからね。
     本当に価値のあるものを書きたいとしたら、幻想はきっぱり捨てなければいけないんだ。
    過去はよかった、だなんて幻想なんだ。」

    ウディ・アレンさん。あなたはこの作品で、客観的な自己分析と自己批評で自己の欠陥をしっかりと認め、
    いろいろあるけど今を生きるしかないこと、人から何と言われようと大切にしたいことを選択する幸福を
    ついに明確に示しましたね。
    探偵が中世に迷い込んでしまう「笑い」あり、ギルが大切にしたいことを判り合える女性と出会う「カタルシス」あり。
    そりゃ、ラストのCan-Canで拍手喝采ですよ。

  • 映画の内容は普通だが、音楽が素晴らしかった。

  • よく言えばウディ・アレンによるパリ讃歌。悪く言えばただの観光映画。

    ハリウッドの脚本家が、フィアンセとその裕福な両親ともにパリを訪れる。

    主人公の脚本家は小説家になりたいと願い、初の小説を執筆中だが、なかなかうまくいかない。

    深夜のパリをさまよい歩くうち、1920年代のパリにタイムスリップし、そこで、フィッツジェラルド夫妻、ヘミングウェイ、ピカソ、ダリ、コール・ポーターなど、綺羅星のごとき芸術家たちと出会う。

    2010年代と1920年代のパリを行き来する形で、ストーリーは進む。

    楽しく観られるが、アカデミー賞脚本賞を獲るほどのものかなァと思った。話としてはごく他愛ないし……。

    フィアンセや、パリで偶然再会した彼女の友人らがくり広げるスノッブな会話、そしてそれに主人公が辟易する様子は、かつての『アニー・ホール』のよう。ウディ・アレンは変わらないなァ。

    相変わらず女優たちが魅力的に撮られているし、年老いてもまったく枯れないアレンには感心する。

  • オープニングショットは長々とパリの街並みを映しているだけなのだけれど、さすがの画作りを披露していてあっという間に惹きこまれる。20年代のアメリカ文学史に精通しているとニヤニヤできます。なにしろヘミングウェイやフィッツジェラルドが有名な伝記的エピソードを実演(?)してくれるのである。特にヘミングウェイなんか傑作(些かカリカチュアが効き過ぎな気もするが)。「黄金時代」への憧れが高じて作家志望の青年が実際に20年代のパリに入り込んじゃうところは、『カイロの紫のバラ』で凡庸な主婦の映画好きが高じてスクリーンから実際に役者が飛び出してくるシーンと好対照をなしている。美しい夢のような世界が栄えるのは厳しくて退屈な現実があればこそ。逆もまた然り。

  • 脚本家で処女小説の執筆を少し頑張っているギル(オーウェン・ウィルソン)が婚約者(レイチェル・マクアダムス)と彼女の両親とともに訪れたパリでの出来事。
    婚約者イネスはお金持ちの何とも言えずお嬢様で、ギルとは傍目で見ても合いそうにないのですが(笑
    そんな中、深夜に突然タイムスリップするギル♪
    それは彼の憧れのヘミングウェイやピカソが暮らしていた20年代のパリ。
    そこで出会ったアドリアナ(マリオン・コティヤール)と恋に落ちるギル。でも、彼女はもっと昔のパリにあこがれていて、2人でたまたまタイムスリップする。
    その時にギルは感じたんですね。いつの世もみな「昔がよかった」と言う、それは今の世に自分が生きているからだろうな、、と
    そして、しっかりと生きようって思って、、、、

    な~~んだかハッピー予感する終わり方。

    いい感じですね、20年代のパリのことをヘミングウェイとかの時代をもっと知ってたらもっとクスって笑えるんだと思う。
    フィッツジェラルドやヘミングウェイってほんとにあんなにかっこよかったんかなぁ?(笑

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著者プロフィール

1935年、ニューヨーク生まれ。映画監督、脚本家、俳優。『アニー・ホール』でアカデミー監督賞・脚本賞、『ハンナとその姉妹』『ミッドナイト・イン・パリ』で同脚本賞を受賞。小説に『これでおあいこ』他。

「2022年 『唐突ながら ウディ・アレン自伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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