里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21) [Kindle]

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  • KADOKAWA / 角川書店 (2013年9月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (181ページ)

里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21)の感想・レビュー・書評

  • ツイッターやら2ちゃんやらFACEBOOKやらで日々の愚痴をこぼす前に、これ読んでメシ食ってたっぷり寝て次の一日を過ごしたらいい。

  • うん。経済は経世済民!

  • これ、めちゃくちゃ面白かったです。「世の中はマネー資本主義だけで回る」
    「もっと高い評価を得てもっと稼ぐことが幸せ」
    「原発ゼロは無理、電力の外国依存は致し方ない」
    「大量生産しなければコストが下げられず競争できない」

    このような「常識」のもとであくせく働いている都会人。だれもこの常識を疑わない。そしてグローバルな時代も押し寄せ、一見見放されていると思われている地方の田舎暮らしの人たちが、実は最先端を生きているというお話。地方に生きる人の知恵と自然の恵みと絆、それからモチベーションがスゴイ。

    岡山県真庭市の銘建工業。鉄筋とコンクリートにより廃れた林業であるが、豊かな森林資源にあえて目をそむけず現実を見据えて開発した木質ペレット。これによりほぼ100%の電力を賄うことに成功。このペレットは製材過程で出る木くずなどを利用。自家発電による電気代1億円が浮き、さらに蓄電して売ることにより5000万円の売り上げ、そして木くずの産廃処理2.4憶円が浮く、総じて年間4億円が手元に残っていることになる。

    広島県庄原市。エコストーブの開発。木の枝数本で暖房から炊飯までできる。5~6000円で製作化。これで炊いた飯が美味いのだそうだ。当然電気代ゼロ。

    エネルギー資源に乏しい日本は貿易黒字をエネルギー輸入に使ってしまっているが、田舎の荒れ放題の山を以上のように活用することで少なくともその地域は電気を自給自足できるのだという。

    著者は資本主義も原発問題もなくして、日本人がみな田舎暮らしを始めろと言っているわけではない。しかし大きく膨れ上がった今の資本主義やエネルギー問題が破綻するとその影響は計り知れない。東日本大震災でそれを経験している。そうならないためにもサブシステムとして、地域は地域で賄えるシステムを構築すべきだと提案しているのである。

    オーストリアのとある町は町規模だ。エネルギー資源が乏しいのは日本と同じだが、なんと憲法で原発を禁止(オーストリアでは町民が政治を決める)。

    これだけではない。他国より輸入している6%のエネルギーが原発によるものだとして、このエネルギーも輸入しないことにした。

    どうしたか?

    豊かな木を徹底的に活用し木質ペレットを町全体で活用、このペレットを使うボイラーを開発、ガソリンタンク車のようにペレットを輸送するシステムも作り上げた。ちなみにペレットは燃焼効率92~93%と石油のコストパフォーマンスを越えている。驚くなかれ、オーストリアでは森を管理することを学ぶ大学があり、地位がたかくかっこいい職業なのだそうだ。育った分だけエネルギーに使うため、山から森がなくなることはない。石油はなくなるが。

    里山の力が本当に世界を変えると思っている人たちがいる。東日本大震災や原発事故を起こしても結局は何も変わっていない。いったん原発にそっぽを向きかかけた人々に「電気代上がりますよ」「他のエネルギーは効率悪いですよ」と不安をあおり、思考停止にさせて結局再稼働やむなし。

    ほんとにそうか?

    都会であくせく働き結果を求められ、コンビニ弁当ほおばりながら頑張る。

    その先にくるのは本当に幸せな未来か?

    発売から2年以内に消えるヒット商品ー52%
    新発売かの商品が利益を得られる期間ー1.5年
    仕事の満足度39%

    大量生産大量消費の時代が残したのは結局は短命な商品ばかり。これでほんとうに儲かっているといえるのか?

    今の日本人たちが思いこんでいる「常識」をすでに疑い、行動に出ている人たちが本書ではたくさんでてきます。

    これは読む価値ありです。

    中学生の時、将来就きたい仕事にただ一人「農業」と書きました。里山を見据えて先見の目があったか(笑)

  • 里山は資源の宝庫。
    いわゆるGDPの成長率じゃなくて、
    もっと違う発展の仕方があるよね。
    ってのがザックリとした総括。
    お金のやりとりが活発になる=幸せ
    ではないよねというのを、
    いろんな事例を示しながら述べてくれています。
    エネルギーはやっぱ大きいよなーと思いました。
    自給できるだけの資源があるんやから、
    できるとこからやっていけばいいのに。
    重厚長大の時代は終わったよ。

  • うーむ、「里山」というファンタジーだねえ。
    仮想敵たるマネー資本主義のカウンターパートとして想像された、理想郷的な理念。論者によっても文脈によってもその意味するところはころころ変化する同床異夢のぼんやりとした概念のまま、「里山」というキーワードだけが一人歩きしている感じ。オルタナティブな経済体制の提案なのか、経済的な豊かさとは別の価値観の復権なのかすら定かでない。通して読むほど里山資本主義がなんなのかさっぱりわからない。それにもかかわらず、とにかく里山資本主義はいい!ということだけが語られる。
    そもそも、日本の地方で里山として考えることのできる地域はごく僅かだと思うんだよね。地方といっても、その大部分はもはや里山ではなく、かなり郊外化してる。ロードサイドにはチェーン店が並び休日にはイオンに行くような日常と、ここで描かれる里山とでは同じ地方でも大きな隔たりがある。けっきょく、里山と言ってもそれは一部の地方のそのまた一部の条件が揃った地域の話。
    もう一つ言えば、見方や考え方を変えてマネー資本主義を超克すれば、「本当の暮らしの豊かさ」と「お金より大切なもの」のある「楽し」く「素晴らしい」「桃源郷」が実現するかのような言説は、人々が「里山」から去った理由をずいぶんと甘くみているなと。里山資本主義でポジティブに語られる地域の繋がりや絆といったものそれ自体が束縛や陋習を生み出しているわけで、ことはそう簡単には進まない。里山の衰退は、経済的事情だけではないのですよ。
    もちろん、ここに紹介されている各地の成功例は確かにあるし、それを否定する必要はない。たぶん参考にできる地域もいっぱいある。でもそれは、各地域が個々に実践する生存戦略として有効ということであって、あくまでも個別的・局地的な解に過ぎない。里山"資本主義"と呼ぶほどの普遍性・全体性があるかと言えばまったく弱い。「里山細腕繁盛記」くらいにしておけばなるほどなーこんな取り組みしてるんだー、で済んだのに、マネー資本主義へのなんちゃらとか本当の豊かさがどうとか言いだすからファンタジーになっちゃう。此処ではない何処かという彼岸を里山に仮託したファンタジーでは、人は食べていけないし幸せにもなれないと思うんだけどね。

  •  いわゆる「マネー資本主義」の流動性は様々な脆弱性を生んでいる。それは東日本大震災でそれが露呈されたのだが、未だにその脆弱性にすがったままでいる。
     そんな脆弱性へのリスクを少しでも回避すべく(むしろ「マネー資本主義」とは別の原理で動く原理として)、著者が提唱するのが「里山資本主義」だ。詳細は本書を読めばわかるが、サブシステムとしての別の原理を持つべきであることには賛成だ。都市に生活している者の視点から見れば、お金では換金できない事態が起きたときにどうやって資源や物資を調達しながら質のある生活していくかを考えると、基本的なことだが、基本的な人間関係や「絆」、自活できる分の備蓄など、心の内面に関わる関係性やシステムを構築しなければならないわけだ。
     ただし、人口減少社会である以上、都市だろうが地方だろうが、全体としての人口は確実に減っている。つまり、UターンやIターンで地方での人口が増えても、最初から人口減少を想定した制度に大幅に改めなければならない(そこに移民受け入れの議論をしても同じことである)。そこまでの制度設計が急務である。

  • 金融資本主義の限界が見えてくる中、特に日本では高齢化、人口減が進み、もはや大きな成長は望めない昨今。どことなく社会全体に閉そく感が漂う。本書で紹介される、里山を中心としたエコシステムは、エネルギー、食糧の自活だけでなく、人々の暮らしに生きがいをもたらす可能性がありそうだ。50年後の日本。人口は減るが、高齢化は一息つく。東京でグローバル社会で第一線で働く人々と、そうではなく、地方を中心に穏やかな暮らしを送る人々とが、絶妙なミックス感を醸し出し、世界で初めて高齢化社会を克服した国として独特の存在感を持つ国。そういう道もあるかもしれないと感じさせてくれるだけで、社会に与えるインパクトは大きい1冊だと思いました。

  • 名を上げたいけれどくすぶっている人たちによくありがちな、煽りがすぎる書籍。木を見て森を語る系。
    特に最終章はレベルが低すぎて超斜め読みして時間を節約。批判されるのが怖いのなら、評論の世界から出て行くべきだ。せっかくの前半が台無し。もったいない。

  • 金に依存した資本主義のリスクへッジとして里山資本主義を確立しましょうという趣旨だと思います。今まで外部に流れていたお金(たとえば本書では石油の代わりに木材のくずを燃料に使う事例や高齢者が育てていた余った野菜を地元の介護施設などで利用する、地域通貨などの事例が紹介されている)を地域だけで回すようにしようということでしょうか。震災でお金はいざというときに役に立たなかったという経験をした自分にとっては言いたいことはわかるのですが、過度に資本主義を卑下しすぎている点が気になりました。

  • 眉につばをつけながら読む必要がある本
    極端な例ばかりとりあげて田舎の良さを説いているけれどこれに騙されると多くはひどい目に遭うだろう\
    田舎から都会に出てきて頑張った団塊世代に対してポルノ的に読まれてるのかもしれない

  • 地域経済・本当の豊かさについての本。
    オーストリアのペレットボイラーなど、林業においてのバイオマス・エコシステムがここまで取り組まれてるとは知らなかったなぁ。エネルギーの自給自足についてはあまり考えたことがなかったので、具体的な数字と共にかなりイメージしやすかった。
    また、地域経済の話で、地産地消を行わないと、ムダが発生し、国でいう貿易黒字になるという点も、言われてみれば確かにという感じである。地域内で捨てているような一次産品を、わざわざ他地域から購入して加工品にしているのだ。

    シェア、人生のゆとり、競争から共存への概念など、資本主義に疲れ果てた日本人の考え方が転換期にある中向かっている方向について色々と言及してある。確かに実例を元にしてはいるが、現状ではまだまだ理想論ではないか、と思うような内容だが、日本のあちこちで、近い将来このような社会がもしかしたら・・・と思えるような内容である。

  • 経済や政治の事は全く考えない生活だったがこの本をきっかけに自分の生活を作り上げている資本主義に興味を持った。まだ知識が浅い為、語る事はできないがサブシステムとして里山資本主義が機能するようになれば、保険として大きな役割を果たすだろう。
    個人的に木材建築の家が増えてくれれば嬉しい。

  • 2014年6冊目「里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く」読了。

    ずっと気になっていた新書。デフレの正体に次ぐ藻谷著。

    藻谷著なので賛否両論ありそうだが、けっこう謙虚な書き方をしているように感じた。印象に残ったのは、

    「里山資本主義は、マネー資本主義の生む歪みを補うサブシステムとして、そして非常時にはマネー資本主義に代わって表に立つバックアップシステムとして、日本とそして世界の脆弱性を補完し、人類の生き残る道を示していく」

    という部分。里山資本主義はマネー資本主義に完全に代わるものではなく、サブシステムであるという点には共感が持てた。

    全体としても書かれている内容は素晴らしいものが多いし、できれば自分も実践したいとは思うが、簡単には踏み入れらない部分もある(飛び込んでみたら楽なんだろうけど…)。なので、できるところからというくらいがちょうど良いのではないかと思う。

    いつか林業や農業が地域エネルギー産業と結びついて、食糧自給率もエネルギー自給率も自国、自地域で賄う世の中ができれば、誇れる国になれると感じた。そんな世の中になったとき(またはそんな世の中を目指そうとしたとき)、林業や農業がカッコいいと言われる時代になるのだろう。CLT工法の話などは今後の建築や林業に希望を与える気がするし、若いころにこういった話を知っていたら、就職したい!と思ったかもしれない。

  • この本は「地域資源を活用した循環地域経済」と「地域経済の中で生きることの、人々の心情への+効果」、「マッチョな経済への思考への疑問」の3点を中心に構成されている。
    自分は例えば農林水産物の地産地消や家庭内消費の促進は、経済規模の縮小を伴うもので(スーパーの意義の低下、加工産業への需要の低下)、その意義を全面的に信じることができなかったが、この本ではその思考を捨てることが推奨されている。筆者曰く、自然資源をエネルギー面を中心に活用することで、縮小経済から供給される少ない賃金でも暮らせるようになるからである。
    また、日本が相対的に経済的にプレゼンスを失っていおり、アジア諸国の安い賃金と向上する技術水準の前にその地位を脅かされていることから、日本は製造業を始めとする産業への投資を増大させるべきだ等の危機感から来る「マッチョ経済」志向に対しても、一通りの反論が用意されている。

    これを読んで、「はい、ではこのような経済の仕組みに移行したらよいと思います」となるわけではないし、筆者もあくまでもサブ的候補であることは認識しているが、このような可能性について考えてみるのは面白いと思う。

  • 里山が持つ資産価値を再認識できる。

  • いつも暗い未来が予測される世の中だが、この本の描く未来は明るかった。

  • 【107冊目】新書大賞2014第1位。「マネー資本主義」に対して「里山資本主義」を実践することが、今後の日本の生きる道だと説く書。その里山資本主義とは、取引を活発にして収入を増やすことで経済的成長を目指すマネー資本主義とは異なり、市場経済を肯定しつつも、その規模を大きくすることには拘泥せず、足下の資源(特に食糧及び燃料)で賄えるものは賄うことで(そうすることで取引の量は減る。その結果、一部の経済指標が縮小する。)、経済指標の大きさのみでは測れない、「仕事のやりがい」や「災害に対するサブシステムのある安心」を備えた豊かな生活を実現しようというもの…らしいです。

    なんにせよ、僕も昔暮らしていた田舎の風景、母親が一日三食用意してくれていた食卓、父が教えてくれた色々な植物の名前などに思いを馳せ、もしかしたらこういうシステムもありなんじゃないかと思えてきました。

    里山資本主義、というか、いわば田舎暮らしの問題は、医療、インフラ及び交通機関へのアクセスに難があるという点だと思いますし、これを乗り越えることが里山資本主義のさらなる理論的発展と現実味のある展望を備えた提案につながるのではないでしょうか。

  • 岡山や広島での、地域社会の改革者の方々の過疎のせいにするのではなく、どうやって豊かな地域社会を創っていくかという取り組みにとても刺激を受けました。

    文中で言及のあった「光齢者」という呼称はとてもいいなと思いました。 私も高齢者になった時に、誰かの役に立てることに喜びを感じ、元気にいきいきと年齢を重ねていきたいなと思いました。

    本書中に登場する地域の野菜を買い取って料理にするレストランと保育所の取り組みは、とても新鮮でいい取り組みだと思いました。 
    こういったアイデアが全国に広がっていけばいいなと思います。

    地域に限られる話ではないんですが、経済的な問題もしかり人と人との「つながり」の問題ってとても難しいと考えさせられました。

    人が生き生きと暮らすためにつながりは大切ですが、あまりにもつながりが強すぎると窮屈に感じるし、一人がいい時もあるし、…そういった活動から足が遠のいてしまう事もあると思います。 

    つかず離れずの適度な距離感で、居心地がいいと感じられる「つながり」を生む仕組みを如何に作り上げていくかが、今後の日本のコミュニティを育む上で大切なんじゃないかと、この本を読んで勝手に思ってみたりしました。

  • とても面白い。
    サブシステムとしての里山資本主義、とても正しいことを言っていると思う。

    途中、「それで原発を止められるのか」と批判されることがある、という話しが出てくる。ひとつのことで、エネルギー問題を全部解決できちゃうようなステキな解などないとわかりきっているのに、こういう批判がいつまでたってもなくならないこの国のエネルギー議論。だから、著者の「サブシステムとしての」という考え方はとてもしっくりくる。

    日頃、マネー資本主義ど真ん中な自分のなりわいに、違和感というか疑問を感じている中(かと言って現実的にはそれをやめるられるわけでもない)で、ある意味つらい読書だったかな。

    ま、単純に言うなら、「里山行きたーい」ていうことです^^

  • 幸せとは何か?つながりでは?

    地域社会内での物々交換は、GDPには換算されないけど、
    お金が地域外に出て行かないという意味で、地域が豊かになる。

    里山の木材の活用→エネルギー問題のサブシステムとはなりうる
    オーストリアでは、脱原発を達成している。

    化石燃料を購入することは、資産を外部に出しているということ。

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