知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社+α文庫) [Kindle]

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著者 : 苅谷剛彦
  • 講談社 (2002年5月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (382ページ)

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知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社+α文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 知的複眼思考

    弁証法的なアプローチ、健全な批判。正解が1つではない世界で
    抽象化、

    P28 「前例」との衝突や、「自粛」による問題解決といったケースがたくさんあります。
    P33 知識に変わる「何か」 考える力ーあるいは、考え方のさまざまなパターン
       的確に、批判的に、情報を読み取る能力。問題を探し出す能力。
       素朴な疑問からスタートして、それを明確な問いとして表現する方法。
       問いの立てかたと展開のしかた。論理的に自分の考えを展開する力。そして、何よりも
       問をずらしていくことで隠された問題を探っていく方法
    P38 本でなければ得られないもの 知識の獲得の過程を通じて、じっくり考える機会を得ること
       考える力を養うための情報や知識との格闘の時間を与えてくれる
       文章を行ったり来たりしながら、「行間を読んだり」「論の進め方をたどったり」することができる
       時間のかけかたが自由
    P43 どこまで書こうか、どんな印象を受けるかを考えながら、削ったり書き加えたりしていった
       いろいろ他の文章になる可能性を切り捨てて、今あるかたちを選び取った結果、その文章になっているのです。
    ブログラムも同じ。
    P43 著者と同じ立場に立つということは、そうした選択の過程を、読み手の側から確認していくこと
    P44 批判的に読む なるほど ここは鋭い 納得がいかない どこか無理があるな
       その意見に賛成だ その意見に反対。自分の考えとは違うな 著者の意見は不明確 あいまいだ
       同じような例を知っている 自分の身の回りの例だとどんなことかな+実例 例外はないか
       見逃されている事実や例がないか これは他の人にも伝えたいエピソードやデータだ
       もっと、こういう資料が使われていれば議論の説得力が増すのに なぜ、こんなことがいえるのか
       自分ならこういうことばを使って表現するな+実例 この表現は難し過ぎる
    P63 考える読書 論争を読む 先を読む 古い文章の活用 書評のすすめ
    P69 「批判的読書」は思考力を鍛える半分までの仕事しかできません。考える力をつけるためには、もう一歩進んで、「代案を出す」ところまで行く必要があるのです。
    P71 書き言葉の場合には、その「何となく」はまったく伝わらない場合が多いのです。身振りも手振りも使えません。顔の表情だって、読み手には伝わりません。それだけ、あいまいではなく、はっきりと考えを定着させることが求められるのです。

    P87 記憶重視の教育がもてはやされる産業社会とは、欧米に追いつけ追い越せでやってきた、大量生産をよしとする、会社人間中心の社会でしょう。それに対し、消費社会のイメージは、もっと創造性や臨機応変さの要求される、個人中心の社会です。

    P91 1 ひとりディベートをやってみよう。  2 そのとき、自分で仮想の立場を複数設定して、それぞれの立場からの批判や反論を試みる。

    内容を要約するにとどまらず、そこから得た知識を使って、自分の考えを論理的に展開することが重要だ。そして、必要であれば、その議論をサポートするような証拠を自分で探し出して提示することが求められる。とくに、自分なりに問題を立て、それを解くスタイルは重要である。問題の立てかたの独創性と、それを解明するときの論理展開の精密さ・緻密さ、さらには、論理の根拠をきちんと示しているかどうかが重視されるのである。

    P96 最初の素朴な疑問では見過ごされていた、問いの新たな側面を見つけて、最初の問いとの関係を考えていくこと。このように問いの立てかたと展開のしかたを学ぶことは、複眼思考を身につけるうえで重要なプロセスとなります。

    P98 「調べればわかるだろう」式の問いにとどまるかぎり、そのままでは、次にさらに考えていくことを誘発しない、そういう問いのかたちなのです。「どうなっているのか」という実態探しの問いに対して、考えることが要求される問いのかたちがあります。「なぜ?」という問いです。

    P105
    1.原因は結果よりも時間的に先行していなければならない(原因の時間的先行)。
    2.原因と見なされている現象も、結果と見なされている現象も、ともに変化しているのが確認できている(共変関係)。
    3.原因以外に重要と思われる他の要因が影響していない(他の条件の同一性)。
    このうち、因果関係を考える複眼思考にとって重要なのは、三番目の原則(他の条件の同一性)です。なぜなら、「これぞ原因に違いない」と思っていることでも、実はそれほど大きな影響力を持たない場合もあり、気づいていない他の原因によって結果が引き起こされていることも少なくないからです。

    P112
    「なぜ」という問いに含まれる「主語」を、それを構成する下位の集団に分解していくことです。
    P116
    問いを分解するときにヒントとなるのが、どのような要因が背後にあって結果に影響を及ぼしているか、という見当だということです。
    問いの展開の第二の方法は、こうした抽象性と具体性のレベルを自由に使い分けることから可能になります。

    概念化という方法のメリットは、共通性を高め、個別の細かな事情を切り捨てていくこと(捨象するということ)にあります。個々の出来事の細部にこだわっていたのでは見えてこない現象の共通性を探るために、ものごとを概念化してとらえることが有効な手段となるのです。

    このように概念の導入は、それまで見過ごされていたことに光を当てて、新しい現象の発見に寄与します。そうした概念のはたらきは、次の二つに区別できるでしょう。ひとつは、今までは一緒にくくられていたことがらを、新しい概念によって区別し、その違いを示すことで新しい現象に光を当てるという効果です。
    第二のはたらきは、区別することとは反対に、それまでばらばらだったことがらに、新しい共通性を見つけてくくり直すということです。

    P120
    このように概念はサーチライトとして、具体的なさまざまなことがらを照らし出し、分けたり、くくったりします。

    P122
    概念のレベルで問題を考えていくことが重要となります。
    具体的な個々のケースのレベルでものごとを問題にする場合と、抽象度の高い、より一般的なレベルで考えていくこととは明らかに違います。

    P135
    抽象度を上げて概念として問題を表現し直すことによって、一見関係がなさそうに見えるケースを材料に取り込み、問いを考えていくことができるようになるのです。

    P138
    具体的な問題や現象を相手にしているときに、「いったいこれは何のケースか」、自分はそれを「何のケースとして扱おうとしているのか」といった視点を持つことで、その問題や現象に対し、暗黙のうちに設定している、自分なりの一般化・抽象化の方向性を自覚することができます。

    P140
    私は、複眼的にものごとをとらえるとは、問いの展開のしかたに工夫を凝らすことだと考えています。第3章でやったように問いをストレートに展開していくだけではなく、問いを少しずつずらしながら展開していく。そうした工夫が、複眼思考へと導くものなのです。 ここでは、(1)ものごとの多面性をとらえるための「関係論的なものの見かた」、(2)意外性を見つけるための「逆説の発見」、(3)ものごとの前提を疑うための「メタを問うものの見かた」について、どうすればそういう見かたを身につけることができるのかを説明していくことにしましょう。

    P143
    関係の中でものをとらえる 実は、このようなものごとの多面性に注目する問題のとらえ方は、近年の社会科学でいわれるようになった「関係論的」なものの見かたに非常に近いものです。関係論というのは、従来の実体論に対して登場してきた新しい見かたです。

    P151
    関係論的な立場からものごとを複眼的にとらえるためには、シンボルや概念やルールのひとり歩きを止めて、考えてみることが課題になります。そうすることで、実体化した見かたが陥りやすい、一面的なものごとのとらえかたを反省し、そのもとにある関係にまで目を向けることで、複数の視点から、ものごとを考えるきっかけを得ることができるようになるのです。つまり、ひとり歩きしているシンボルやルールが、いかに実体化されるにいたったのかを、ひとり歩きし始めたときの事情に立ち返って考えてみることが、ひとり歩きを止めさせる発想につながるのです。

    P155
    ○○化というとらえかたや、○○化を促した主語(=原因)探しがあるのです。そして、いったん関係のレベルにまで分解して問題をとらえ直すことで、実体化の危険はかなり避けることができるようになるはずです。 さらに、ここで大切なのは、そうした関係自体を固定しないということです。つまり、そうした関係自体も変化しているものとして見るのです。

    P157
    そもそもの意図とは離れて、むしろ当初に目指されていたこととは別の結果──ことによると当初の意図に反するような結果──を生み出してしまう。目を凝らして見ていけば、私たちの社会には、こうした逆説的な出来事が少なくありません。

    P167
    ●ポイント●  1 これから行おうとしていることが、どんな副産物を生み出す可能性があるのか。その波及効果をなるべく広い範囲で考えておく。ひょっとしたらその副産物によって当初の意図がくじかれてしまう可能性がないかどうかを考えたうえで実行に移す。  2 やろうとしていることに抜け道はないかを考えておく。抜け道があった場合、そういう手だてを使う人がどういう人か、それによって、当初の計画がどのようなダメージを受けるかについて考えておく。  3 自分たちのやろうとしていることは、それぞれが集まった場合にどのような意味を持つのか。他の人や組織も同じようなことをした場合、全体の影響はどのようなものになり、それは当初の意図とどのようにずれてしまう可能性があるのかを考えておく。  4 計画や予測を立ててそれを表明すること自体が、その計画や予測にどのように跳ね返ってくる可能性があるのかを考える。3 〈問題を問うこと〉を問う

    P171
    問題自体をずらしてみること。そのための視点を、「メタの視点」といいます。前にも少し触れましたが、「メタ」というのは、もともとは「後」という意味のギリシャ語の接頭語です。メタの視点に立つということは、その問題を後から見直すかのように、とらえ直してみるということです。 問うこと自体を問う──こうして、メタの視点に立つことが、複眼的な思考を進めるもうひとつの方法になります。

    P174
    ことの軽重にかかわらず、あることがらは問題視され、別のことがらはそれほど注視されないということが起きてくるのです。

    P181
    ●ポイント●  1 「なぜ、それが問題なのか」に着目することによって、ある問題を問題と見なす視点は何かをとらえる。  2 同じようなことがらでも、問題にする視点によって問題のとらえかたや問題のしかたが違ってくることに注目する。  3 ある問題がクローズアップされることで、隠れてしまう問題がないのかに目を向ける。  4 さらに問題の文脈に目を向けるための方法として、  (a)ある問題を立てることで、誰が得をするのか損をするのかに目を向ける。  (b)当該の問題が解けたらどうなるか、を考える。

    P184
    私なりに見つけた答えが、学生たちに、問いの発見のおもしろさや、視点を変えてものごとをとらえることで、新しく何かが見えてくる瞬間のスリルを伝えられないか、ということであった。

  • 明細書作成は多面的な視点が必要とされます。多面的な視点を持つには、特定の分野に対するある程度の知識が必要です。今年から担当した分野でも、少しは研究者とは違う視点を提供できるようになったと思います。やはり、担当する前に教科書等で自分で勉強していたのが、効いていたのではないかと思います。

    しかし、まだまだ足りません。目指すは、「口頭でアイデアを軽く聞いて、一日で一人で明細書を仕上げる」レベルです。一年、二年で到達できるのでしょうか。何事も一流になるには一万時間の取り組みが必要と言いますので、何百件、何千件も対応して経験値を積み上げるのみです。

  • なんでも決め付けはよくないと思った。

    決め付けることによって、他人を傷つけるだけでなく自分の視野が狭いということを披露しているようなものだとも思った。

    でもたまには決め付けも必要で、その加減が難しいなぁと実際感じる。
    これだと決め付けない限りは何も意見のない人になってしまうことだってあるからだ。

    複眼的思考で物事を考えると、あらゆる可能性が考えられ、わからないことばかりじゃないかと思う。
    その辺の使い分けは本当に難しい。

    もう一度読んで知識を深めたいと思う一冊

  • ありきたりの常識や紋切り型の考え方にとらわれずに物事を考えていく方法――。これが著者のいう「知的複眼思考法」である。この思考法を身に付けるための具体的なハウツーが紹介されている。例えば、「著者と対等な関係に立つ」、「本を批判的に読む」、「代案を出す」など。著者の言い分や提示されているデータにまず疑いを持つこと、そして自分自身で反論をすることが、創造的な思考へと繋がる。そのためには「なぜ」と問いを少しずつずらしてみることが重要であり、結果として複数の視点、つまり複眼の獲得へと結びつくということが、著者が最も主張したい点であったと思う。コラムとして紹介されていたバルトの神話作用が特に印象に残った。バルトは、「神話はものごとに、説明の明晰さではなく確認の明晰さを与える」と述べており、十分に検証しなくても世の中に通用するものの見方が「神話」であると言っている。現代の「常識」もそうだろう。
    本著は、「速読」とは反対の、ゆっくりと考えながら本を読むことを勧める内容と言える。このことは読書のみならず、この情報過多な時代において、そのまま情報を鵜呑みするのではなく、一歩立ち止まることの重要性を説いている。常識として扱われているが、その常識に「なぜ」と疑問を持つことが大事なわけだ。「解き方を覚える」、「答えを覚える」といった記憶に頼る勉強法が蔓延している昨今だが、物事を考えること、そして常識にとらわれてはいけないということを改めて教えられた。「頭が良い」ということは、創造的な思考をするということであり、常識にとらわれていてはいけないということである。ただ、実際に身に付けるには相当のトレーニングが必要だと思う。また、本著はトレーニング用の例文に紙面を多く割かれていたので、ハウツー本なのかトレーニング本なのか、ややどっちつかずの印象も受けた。

  • 複眼的思考の方法をわかりやすく教えてくれる。
    マジックワードに気をつける。
    メタの視点を持つ。
    因果関係を問う。
    「なぜ?」と「~はどうなっているのか?」を交互に使いながら問を深めていく。
    具体的事柄と一般的事柄の往復運動で「考えていく」。具体性と抽象性を使い分ける=問題の一般化と具体化。
    「概念はサーチライト」。複数のケースに共通する概念は何かを明らかにする。
    「なぜ」という問いを起点にして新しい問いを発見していく(視点をずらした問い)。
    最初の大きな問いを複数の小さな問いに分ける。
    問いの主語を分解してサブグループに分けて考えてみる。
    「関係論的な物の見方を心がける」=「~」というラベリングを使わずに「~化」として問題を捉える。
    問題や事象を2つ以上の要素に分解する→相互作用の抽出→全体の文脈への位置づけ。

    「メタの視点」
    ①なぜそれが問題なのか→あることを問題とみなす視点は何か?
    ②ある問題を立てることで誰が特をするのか、損をするのか?
    ③「その問題が解けたらどうなるか?」→「よい結果」とはどういう視点で「よい」のかが分かる。
    ④ある問題がクローズアップされることで隠れてしまう問題がないか注意する。

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