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感想・レビュー・書評
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2000年代はじめくらいに禅僧である南氏によって著された禅仏教についての紹介の書。
今から20年以上前に記載された本なので、トピックが不景気やオウムの話が出てくるなどその時代を感じられるが、内容的には今にも全く遜色なく大きな気付きを秘めた良書である。
章立ては以下
1. 根拠の外側へ
2. 煩悩のトライアングル
3. システムとしての存在
4. 自己とは何か
5. 自己の倫理
6. 座禅とは何か
7. 生のテクニック
本書は在家者向けに書かれた本ではあるが、いわゆる実用書的な日々の悩みに即効で効くことや苦しみや悲しみを超越するすぐに解決できる特効薬を示すものではない。
むしろ非常に険しく成果も出るかわからない修行の道を進む意義を示す事である。
そのために著者は論理的に仏教は何を問題としてきたかを前提として論理を展開していく。
いいなと思った言葉
・老いという逃れがたい事実を自覚したとき、彼はまだ若いということの傲り高ぶり、尽く断たれたという
・まず道を求めようという志が切実でなければならない
・我々はしばしば、他人から裏切られて彼が「他者」であることに気付く。「うちの子に限って!」
・縁起はあるものがそれ以外のものとの関係で成り立つものである
・自分の善い行いが自分ではない誰かに報いてもそれが善因善果であるから行う。自分の悪事が自分ではない誰かに報いるにしても悪因悪果であるが故に避ける
・自殺してはいけない理由はないが、あえて死なないと決意したときに命は大切なものになる
・幸運にも他人に「受け入れられ育てられた」経験が「自分の愛しさ」を保証する根幹である
・生への執着が一転、死への執着になる事、これが要するに自殺である
・受食の方法は、恭敬して受けるのである
・供養とは作る側の食べる側に対する恭敬である
「我が」が取れた、これから育ちゆく1人の人間、その人格への敬意である。
・恭敬とは他者に対して行うことが自分の在り方と意味を決定しているのだと知る事。もしくは喜心(させていただく喜び)、老心(いわゆる親心)、大心(大海のように偏らない心)という言葉で表される。
・世の中に人がいなくなってしまいますよ。それで何か困りますか詳細をみるコメント0件をすべて表示