新潮 2013年 11月号 [雑誌]

  • 23人登録
  • 3.67評価
    • (1)
    • (2)
    • (3)
    • (0)
    • (0)
  • 6レビュー
  • 新潮社 (2013年10月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・雑誌
  • / ISBN・EAN: 4910049011133

新潮 2013年 11月号 [雑誌]の感想・レビュー・書評

  • 「ミス・アイスサンドイッチ」川上未映子

  • 川上未映子「ミス・アイスサンドイッチ」
    野田秀樹「MIWA」(戯曲)
    上田岳弘「太陽」これは心地よいリズム感で新鮮でした。
    その他、小林秀雄、島尾ミホ伝。

  • 先週観たMIWAを反芻しつつ、戯曲を。

    正直、ここ数年は観ててしんどかった。新作があるなら観たい。でも行っても楽しめない。観終わって振り返って、なんかいろんなこと言われたけど受け止めきれないみたいな気持ちになって、これは私の感性の問題だろうかとしょんぼりして、もう行くのやめたいなと思っていた。
    昔の再演とかやってくれないだろうか、あの気持ちの盛り上がりをもう一度…と願ったりもしたけれど、今回は久しぶりに、夢中になって観た、っていう気がする。宮沢りえちゃん、迫力あったなあ。美しかった。ほかのひともみんなよかった。そして言葉が物語と一緒に耳に入ってきた。もう一度文字で読みたいと思った。
    読み直して、自分の印象をたしかめて、やっぱり行ってよかったなと思っている。語り継ぎたい人物の物語がこんなふうに存在していてくれたら世の中は素晴らしい。
    美輪明宏も三島由紀夫も、知っているエピソードがいろいろあったから、たぶん余計によかったんだろうな。

  • 川上未映子「ミス・アイスサンドイッチ」。
    ヘヴンに次ぐ小学生の男の子の一人称視点。今月号の群像のインタヴューにあった、「記憶力か想像力といえば、私は圧倒的に記憶力の人間である」という川上の言葉を借りれば、このような場面設定はごく自然なのだろう。
     親の不在を生きている子供にとっては、「いなくなっちゃった人に会う」という、いちばんむずかしいことを人生の早い時期に知ることになる。母のいないヘガティーの行動原理は、「誰かにあしたまた会えるのは、会い続けてるからに決まってる」→「だから会いたいときに、会いたい人がいて、会えるんだったら、ぜったい会う」。

     一方、父のいない「ぼく」は、いなくなっちゃった人との「かすかな記憶」を深いところに「覚えているような気がしている」。人とのやりとりは、その場限りの「一回性」の関係で、やり直しがきかないままに忘れていくそのひとつひとつを「ぼく」はとても繊細に感受し、そのことで気持ちや行動が影響される。死に向かうおばあちゃんに語りかけながら、「もう会えないということ」の意味に対峙する「ぼく」。絵本のような夢の中で見た「さようなら」の光景は、まだ小さかったぼくに絵本を読んでくれた人がいた記憶と繋がっているに違いない。

     覚えていることだけが記憶ではない。「記憶力の人」川上さんの紡ぐ言葉には、意識されない記憶を懸命に言語化しようとする姿を見ることができる。

  • 川上未映子中編『ミス・アイスサンドイッチ』いままでとはまた違った雰囲気。色々チャレンジされている感じで好感なのと、文章を読んでやっぱり好きだなあと思う。舞台が明記されておらず、主人公たちはバイバイの代わりに「アルパチーノ」だし、雰囲気からは外国なのかなと、想像しながら読むのがおもしろし。関係ないけれど、最近読んだ文芸別冊の作品もそうだし、最近の著者作品は、祖母の死を前にした話が続くのが気になる。
     野田秀樹『MIWA』前回のエッグから一年ぶり。長崎で、MIWA自身が体験した原爆投下を原風景として、現実と妄想が入り乱れる。他に藤野可織+西村賢太対談をぽつぽつ読む。

全6件中 1 - 6件を表示
ツイートする