お母さんの「敏感期」 モンテッソーリ教育は子を育てる、親を育てる [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 具体例も多く面白かったけど、主張が主観的に感じられほんまか?と思ってしまった部分も否めず…
    答え合わせはこれからという感じ
    観察のためには、余裕を持って接してあげられるようで無ければダメだなと思った

  • 内容が勉強になったのはもちろんのこと、子供の敏感期ではなく大人の敏感期というタイトルにしているところに秀逸さを感じる。この本で一番伝えたいのは、大人が子供にどう接するかのスタンスであることがよくわかる。

    下記印象的だった内容メモ(ネタバレ含む)
    ↓↓↓↓
    脳の発達には順番がある。赤ちゃんが歩くまでにふむ4ステップは脳の発達の順番と関係しており、それぞれのステップについて赤ちゃんの学習機会を奪っては行けない(ハイハイしてる子をすぐ抱っこするなど)

    1. 手足を動かす「移動ない運動」
    2. 腹部を床に押し付けながら動く「腹ばい」
    3. 重力に逆らってからだを起こし動き回る「四つん這い」
    4. 自分の足で立ち上がり歩く「歩行」

    ==
    学習と教育について、脳科学の知見に基づいた的確で確固とした結論は現段階では出せない、という前提。

    ==
    幸せそうな子供の顔が見える=気づく大人であることが重要。どのようにそのような機会を作れるかを考える。
    子供がやってきたことの結果ではなく、プロセスを見ることが重要。

    ==
    1人ですることに努力し、自分で判断してすることを積み重ねてきた結果が、とっさの場面に現れる。自立した姿。

    ==
    それは本当にいたずら?大事なものならいたずら、そうでなければ大人しく遊んでる、というのは大人の解釈では?

    ==
    モンテッソーリ教育の敏感期は、燃え上がる命の輝きが特徴。特定のものに対して特定期間、強い感受性を発揮する。そうして能力を一つ一つ獲得していく。この時期を過ぎると、能力獲得には頭を使う活動、つまり意志の力をもちいらなければならなくなる。

    ==
    1. 秩序感の敏感期: 生後数ヶ月から現れ2〜3歳をピークとし、6歳頃にはなくなる。

    ・いつも決まった順番でないと気が済まない
    ・いつも同じ場所でないと嫌だ
    ・これは私のもの!これはパパのもの!と所有物が入れ替わると怒る
    ・いつもと違うやり方だと怒りだす

    2. 感覚の敏感期: 3〜6歳の間に完成し、洗練されていく。五感(視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚)の発達。

    ・目に入るさまざまなものに惹かれる
    ・絶対音感が身につく
    ・匂いを敏感に嗅ぎ分ける
    ・色々触りたがる
    ・この時期に好きになった味は一生忘れない(おふくろの味)。できるだけ手料理を食べさせてあげる。

    3. 運動の敏感期
    随意筋肉を訓練する時期。

    ・ありとあらゆる動き方を身につけようとする
    ・そのためにどう動けば良いかに強い関心を持ち、人の動きを真剣に見ている
    ・動き方を身につけるために精一杯努力する

    動き方とは、大きな動き、バランスを取る、手腕を使う、指先を使う、など

    ・大きな動き 身体の全部を使いこなす、挑戦する。これができる環境を作る。
    ・バランスを取る 線に沿って歩く、重いものを持つ。4歳ころ。
    ・手腕を使う 雑巾掛けをする、ほうきをはく、車を磨く、ゴミを集めて袋をしばる、など。
    ・指先を使う鉛筆を使う、など。3〜6歳。折る、切る、貼る、縫う

    4. 取り逃がした敏感期
    脳は死ぬまで成長するので今からできることをやるのが大事

    ==
    自分でしたい!敏感期

    動きたい=動き方を学ぶこと。やってあげる、のではなく、自分でしたい!そのために注意深く観察する!のを助けるのが大事

    ==
    子どもができるようになる教え方=提示

    ・対象の行動を一つだけ取り出す
    ・動作を分析し、順序立てる
    ・難しいところをはっきりさせる
    ・動作を見せる間は、言葉は使わない
    ・正確に実行し、精密なところに心を込める
    ・教えながら、教える(止めない、訂正しない)
    ・自分からする自由を与える

    ==
    子どもが幼いときの敏感期に、子供の内面から出てくる不思議な木からに出会ったことのあるお母さんは、その後の子育てにおいていつも、子どもの内面にある力を信じることができるようになる。

    ==
    子供を内面から動かし、積極的に環境へ関わらせる力が敏感期のエネルギー
    かかわり始めたものを投げ出さないで、内面から持続させる、自発的に発展させる力が知性のエネルギー

    集める、分ける、比較する、並べるといった行動は知性のエネルギーによるもの(同じ色の石を集める、並べる、など)

    ==
    自律(自分で考え、身体を使い、やりたいことを追求したり展開する)のためには、

    ・敏感期の行動が認められる生活
    ・知性に沿って、自分のイニシアティブとリズムで考えながら行動することが保障された生活

    の二つが認められた幼児期に持つことが大事

    ==
    日本では自律=オートマティックな処理能力、となりがちだが、それは違う。考え、自分の身体で活動できる能力が自律。

    ==
    自立とは人格の深いところからの確信、存在そのものの安心、ともいえる人間の中核に触れるテーマ。ひとりでしなさい、自分で考えなさい、という命令で実現するものではない。

    ==
    折る、切る、貼る、縫う、の4つは、就学後の基礎・基本が読み書き計算だとすると、就学前の基礎・基本である

    ==
    芸術、運動、自然科学の分野で活躍する人の教育過程に共通しているのは、いろんな雑用や責任を小さい頃から分担させたこと。

  • 年代もあるんだろうけど、粗末な頭脳とか、表現が好きくない。
    あとは、知識のない中途半端な自律はイタイよなみたいなことを、この本を読む限り思った。

  • モンテッソーリ教育を取り入れた子育ての具体例がたっぷり載っていて、モンテッソーリに興味がわいた。

  • モンテッソーリ教育を知るためにまず最初に読んだ本。柱となる考え方がよくわかる。また家で簡単に作れる具体的な教具の提案もあり参考になる。巷でモンテッソーリ教育というと関連する指南書や教具が様々販売されているが、モンテッソーリ自身はお金をかけなくてもできる教育法であるとうたっているので、惑わされないようにしたい。

  • モンテッソーリ教育についての知りたくなったので、書籍を紹介しているブログを参考に選択して読み始めた。

    子供の自主性を活かして生活の場で教育すること、そのための視点とか工夫とかが書いてあったと思う。それらは参考にしたいと思った。

    ただ、教育の成果として紹介される具体的な親子の行動の例は、自身の意見に有利なサンプルを拾っているだけでは? というものばかりなのがよくなかった。
    モンテッソーリ教育をした集団としなかった集団で変化を見たとか、そういうのが一切ない。元々その子の個性でよくなったんじゃないのと冷めた考えで見てしまう。

    書かれた時代を考えると古い部分もあろうとも思うので、同ジャンルで最近書かれた本もどれか読んだほうがよさそう。

  • ■要約とメモ
    スポーツには「ゴールデンエイジ」という時期がある。これは「この年代の時は、技術的な動きなどの習得スピードが最も速いため、スキルの習得に最も適した年代」のことを指す。言葉を変えれば、「このタイミングを逃してしまうと、それ以降の技術習得は、ゴールデンエイジの頃と比べて非効率であり困難」ということ。(勿論不可能ではないが)
    子育て、子どもの成長にもそれと同じ時期がある。それを本書では「敏感期」と呼んでいる。

    自分も子を持つ親であるが、子どもがする一つ一つの動作や主張、感情の表現については、日々、「なぜそれをするのか。何を考えているのか。」など疑問を持っていた。
    本書で取り上げられているモンテッソーリ教育は、まさにその「子どもが“それ”をする理由」に立脚した教育方法。
    「子どもは特定の技能・知能などの発育において常にゴールデンエイジなのである。子どもたちが自然にやっていること、やりたいと主張する裏側には理由があり、それは技能知能習得と密接に関わっている。」と主張する。
    つまりは、「興味がある・やりたいこと」は、本能的に「技能知能の発育」という目標のもと行われているということ。

    例えば、ティッシュを引っ張り出したり水をわざとこぼすような「イタズラ」は、子どもたちにとっては、決して「イタズラ」ではなく、知能技能を身につけるための「実験やトレーニング」なのである。

    本書は、「このモンテッソーリがどのようにして生まれたのか・どのような考え方に基づく教育理論であるのか・どの年代はどのような体験をどのようにさせるべきであるのか」など、モンテッソーリの全体像が説明されている。
    そのため「モンテッソーリ入門書」として、とても良いと思う。

    一つ残念だったのは、「年代別の取り組むべきこと」が文章としては記載されているが、「年代別一覧表」として起こされていたらもっと良かったと思う。
    私も本書を足がかりに、他のモンテッソーリ関連の本を読むなどして、理解を深めていこうと思う。

    (因みに、本書のタイトルである「母親の敏感期」とはモンテッソーリを理解し子どもの欲など敏感期に対してどう応えようかと考え、“母親が試行錯誤する時期”を指している。子どもの敏感期に対応するためには、親は「今まさに自分自身も敏感期にいるのだ」と理解し、冷静に対応することもポイントである、と解説されている。)

  • まだ妊娠中の身ですが、モンテッソーリ 教育に興味があり読みました。

    私自身が効率を追い求め何事もパパッとやってしまう性格なだけに、子供への接し方を考えさせられる本でした。
    この本では、子どもがなぜぐずるのかがよく分かります。

    秩序があるはずの世界を求める時期がある、ということで普段と違う道、普段と違うルーティーンにすると余計にグズって大幅に時間がかかってしまうということも勉強になりました。

    大人が急いでるからといって子どもの代わりにやってしまうことは簡単ですが、子どもの自立にも繋がりませんし、何でも自分でやりたい時期がある、ということと、その時期に何でもやってもらう方が良い、ということも分かりました。

    やり方を教える時は言葉を使わず、ゆっくり丁寧に1つずつの工程を見せること。子どもは速いスピードに追いつけないので、牛乳を開けて注いでしまうのも、洗濯物を畳むのも、1個ずつゆっくりやらないと分からない、ということも分かりました。

    とはいえ、実際に子育てが始まったらそんな理想通りに行くか分かりませんが、子どもがやりたいと思うことをなるべく「見守れる」親を目指したいと思います。

    それと最後の方に記載のある手作りのおもちゃは全部は無理ですが作ってみたいです!

    kindle unlimited

  • 幼少期モンテッソーリ教育を受けて育ち、とにかく楽しかった記憶がある、私。子供にも同じ教育を受けさせてあげたいな、だとしたらその前に教育理念や方法を改めて体系的に知りたいな、と思い読了。

    子供が楽しんで自発的にやっていることを、邪魔することなく見守る方法等、モンテッソーリ教育の考え方はやっぱり好き。

    だけど…この筆者の言い回しや書き方が苦手。目次の時点で、とにかくわかりにくい。大項目中項目的、レベル間を合わせるだけで、かなり読みやすくなると思う。

    モンテッソーリ自体は医学を学んだ理系の人で、科学的に子供を分析して作ったのに(初めて知った)、どうして教育論として後世の人が語ると、宗教じみて聞こえるのだろう…?

    自分の母親が、私をモンテッソーリ教育の幼稚園に通わせている時、親同士の会話(教育熱心さや一辺倒な考え方)が辛かったと言っていたのを思い出す。

    子供が楽しく通えるならそれでいいけど(о´∀`о)

  • はじめてモンテッソーリ教育の本を読んだ。早く知っていればよかったなという内容がたくさんあった。これからいろいろ勉強したい。
    子どもの敏感期については詳しく書いてあったが、お母さんの敏感期の具体的なことはよくわからなかった。

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著者プロフィール

相良敦子(さがら あつこ)
1959年生まれ。脚本家・作家。
学習院大学文学部史学科卒業。
制作現場を経て、NHKの脚本懸賞入賞を機にデビュー。
以後、テレビドラマを中心に、ラジオ、映画、舞台、小説、絵本と、幅広いジャンルで執筆している。
主なテレビドラマに、連続テレビ小説「ウェルかめ」、「バッテリー」、「七子と七生」、「昨日の敵は今日の友」、「シングルマザーズ」、「サイレント・プア」(以上NHK)など多数。

「2022年 『感動する、を考える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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