群像 2013年 11月号 [雑誌]

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  • 講談社 (2013年10月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・雑誌
  • / ISBN・EAN: 4910032011133

群像 2013年 11月号 [雑誌]の感想・レビュー・書評

  • この号に収録されていた綿矢りさの中編「いなか、のすとーかー」のレビューです。

    いつも思うのだが、綿矢りさの魅力はその弾けっぷりにある。

    それまで寡黙に鎮座していた着物の女性が、突然立ち上がって暴れだす。
    一度、糸の切れてしまった凧が、強風に煽られどこへ飛んでいってしまうか全く想像がつかなくなる。
    静かにさらさらと流れていた清流のはずだったのに、突然大きな滝となり、怒涛の水飛沫をあげながら下り落ちていく。
    穏やかな文体と独特の比喩を駆使しながら、合間に唐突に弾けた文章を交えさせ、その様を描いていく。
    その爽快感、爆発力が彼女の作品の持ち味だ。

    早稲田大学在学時に「蹴りたい背中」で芥川賞を取った後、ストーカー被害に悩まされたと依然文芸誌上で綿矢さん自ら語っていたが、その経験がこの作品に活かされているのだろうか。
    もちろん、被害にあう人間にとっては切実な問題なのだろうが、ストーカーの予想もつかない自分勝手な行動には恐怖を感じるよりも笑ってしまう。
    読者にそう感じさせる文章や会話が相変わらず巧みだ。
    独特の比喩が今回は少なかったような気がしたのが、ちょっと残念だったが。

    ストーカーのあまりのしつこさに、自分の方が切れてしまう主人公の陶芸家の透。
    幼馴染のすうすけの惚けた感も可笑しい。

    綿矢りさちん、やはりこういう作品が合っているのでしょう。
    これからも、どんどん書き続けて読者を楽しませてください。

  • 綿矢りさの「いなかの、すとーかー」を読んだ。
    二人のすとーかーに追われる陶芸家の男。
    男の無責任の話なのかな?
    同郷の女に対しては自分の側にも下心があったし、
    相手の気持ちを知ってからの冷め方などを見て
    無責任と言えば無責任だが、そこに非があるとは言えない。

    微妙な人間関係のもたれあいみたいなものを
    綿矢りさらしい書き方で描けていたと思った。

    他にも対談、インタビューなどにも目を通したが、
    特に心に残らなかった。

  • 綿矢りさ「いなか、の、すとーかー」

  • 保坂和志さんと磯崎憲一郎さんの「未明の闘争」をめぐる対談と、
    川上未映子さんの谷崎潤一郎賞受賞記念インタビューを、
    興味深く読ませてもらった。
    巻頭の綿矢りささんの中編「いなか、の、すとーかー」と
    佐々木敦さんの「未明の闘争」についての書評には、
    残念な思いをした。
    寂聴さん頑張っておられるなあ。

  • 綿矢りさ「いなか、の、すとーかー」
    西加奈子の書評「昼田とハッコウ」

  • 綿矢りさ『いなか、の、すとーかー』
    ラストがきれいすっきりまとまっていて、なんだか無責任な終わり方だなーと思ったら、そもそも作家の責任はどれほどのものかという話だったことに気づいた。
    自分の行為や気持ちに見返りをもとめるような自己中心性よりも、ありのままを受け止められる「自分の芯」をもって、不確実なつながりに身をゆだねて生きていこうぜって話だと解釈した。
    しかし、すとーかーの信念とか作家の信念とか「自分の芯」なんてものは危ういもんだなと思った。「自分の芯」なんてあまりもたずゲンキンに生きていくのがいいなと思う。

  • まさかの福満さん載ってました。
    これが講談社パワーか…

  • 綿矢りさの『いなか、の、すとーかー』感想

    物語自体はサスペンス的ですが、いわゆる自分洞察力とか自己解決能力を問いかけるメッセージ性が高く、サラッと読んでしまうともったいない作品です。

    作者ご本人もストーカー被害に遭われた経験があることは有名ですが、自らの行動や言動が発する、ストーカー行為をされる要因...の方に目を向ける視点が新鮮でした。

    『ひらいて』や『大地のゲーム』などの最近の作品に続いて、綿矢イズム見たいな事象と行動、対峙と自我...みたいな筋書きの明快さがとってもいい感じです!

  • とりあえず綿矢りさちゃんの中編「いなか、の、すとーかー」を読了。

    この果穂ちゃんっていわゆる「ボーダー」、境界性人格障害だよね?
    言動がまさしくそうだし。
    病状にスポットを当てていくの?
    私としてはそれってすごく画期的!

    と思ったのですが、そういうわけでもなかったらしく。
    あれ、なんか「いい話」に落ち着いちゃった、って感じで終わりました。

    でも彼女の作品、『蹴りたい背中』しか読んでいなかったので、
    ああこういうこと書く子になったんだなあ、という印象。

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