終戦のエンペラー [DVD]

監督 : ピーター・ウェーバー 
出演 : マシュー・フォックス  トミー・リー・ジョーンズ  初音映莉子  西田敏行 
  • 松竹
3.03
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本棚登録 : 275
感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988105067981

感想・レビュー・書評

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  • しっとり静かな映画。
    戦争映画と言うジャンルでは少し異色かもしれない。

    戦争が終わった後のアメリカの気持ち、日本の気持ち。双方それぞれの考え方があって、簡単に歩み寄ることは出来ない。理解し合うことが出来ない。
    そんな場面を観て凄くもどかしかった。
    だからこそ、ラストのマッカーサー元帥と昭和天皇が並んで写真を撮る場面が生きるのだなぁと思った。
    これが真実と言う訳ではないけれど、この映画のような葛藤があったことを知ることが出来て良かった。

  • Tommy Lee Jonesがマッカーサー(…)。
    観る前から複雑な思いを感じながら終盤まで見守った。(元帥ご本人と色々マッチしてなくてやはり微妙やった)

    専攻じゃなかったけど一応近現代史もかじったから、政治色を含んだ場面もまぁまぁ飲み込めた。
    あとA級戦犯として事情聴取した中で木戸幸一を取り上げていたのには少々驚いた。『木戸幸一日記』の執筆者で有名だけど、A級戦犯でパッと出てくる人物ではない。伊武さんのキャスティングも良く合ってる。

    日本を舞台にした海外の作品特有のひどい違和感も今回は無く、キーマン(⁉︎)となる昭和天皇役の片岡さんも見事な”Emperor”を演じてはった。
    (終戦直後の昭和天皇を役者に演じさせること自体、色々と不安だったけど)

    GHQが天皇制を理解するにあたり日本古来の精神まで遡るあたりも興味深い。(途中で『武士道』を読んでる気分になった笑)

    「日本人は無私の民だ。限りなく献身的になれる。」
    確かに誰の中にもそれは入ってる。でもどこか受け入れ難い。
    一体日本人って何だか。

  • 18歳で「パール・ハーバー」、23歳で「ラストサムライ」を見て、いかに糞田舎の情弱でも、んんー!? と首を捻った過去を、思い出す。
    その教訓に倣えば、そもそもこんな映画、見ない。
    経緯としては、仕事で熊本に通う中で小泉八雲に興味を持ち、その後松江に通うようになったので本格的に触れるようになり、その曾孫にあたる小泉凡がエッセイ集「怪談四代記―八雲のいたずら―」で自分の名前はボナー・フェラーズに由来する、と書いていたので、知った人物。その人が映画になっている、と。
    予想通りもやもやさせてくれたが、「パール・ハーバー」や「ラストサムライ」よりは、個人的ベストであるアレクサンドル・ソクーロフ「太陽」に少し傾く可能性のある映画だと、ちょっとだけ評価したい。

    そもそもミッションものに、個人の過去や来歴や因縁は不要、と「シン・ゴジラ」が教えてくれた。アンチハリウッドの勝利だ。
    本作は、悪い意味でのハリウッド式ロマンスを導入している。
    なぜ惹かれ合ったかわからない西洋人男と東洋人女が、くっついたり引き裂かれたり。
    必然性もない、というか脚本的必然性にしか基づいていないし、そもそも史実をわざわざ改変している。
    女性のモデルとなった女性は、恋愛関係ではなかったのだ。

    と、厳しく断言したいが、うーん、しかし、僕は初音映莉子に惚れてしまったのだ。
    というか、20年前に惚れていたのだ!
    彼女の初写真集は繰り返し繰り返し見て、黒髪と太眉に惹かれて。
    テレビドラマ「ラビリンス」も見たし、映画「うずまき」も見た。
    その後「ノルウェイの森」に出演したのは知らなかったので、見ろ>俺。
    ……つい熱くなってしまったが、彼女の存在は悪しきハリウッド作法に満たされているが、その没入感を味わえたので、決して嫌いになれない映画になってしまった、と。

    また、どういう心理作用かわからないが、ソクーロフ「太陽」に触れて以来、昭和天皇のことを思うと不必要にセンチメンタルになる自分がいる。
    決してナショナリストではないが、むしろ徳川慶喜に勝海舟が注いだのと同質の判官びいき・愛おしさに浸されてしまう私にとって、マッカーサーを前に昭和天皇が「国民に責任はありません、悪いのは私です」と言っている場面……この場面だけでも、この映画を見てよかったな、と。
    ここに至るまでの、天皇は決して開戦のゴーサインを出さず先祖の和歌を朗詠したという挿話……無責任の体系……丸山眞男……大西巨人「神聖喜劇」……と連想は拡がるばかり。

    またプロデューサーのインタビューを読むと、自分の先祖を称揚するために、日本の資本を投下してハリウッドに作らせて、ハリウッドでは酷評されたが、うまいこと日本で当ててやろうとした、いわばマッチポンプ映画だと仄見えてくるが。
    んーやはり「ラストサムライ」と同じプロデューサーだけある。

    ただし切り捨てることはできなさそう。
    しかし、仮に次に鑑賞しても、あるある日本人描写……たとえば天皇の車には背を向ける……には、もやもやしてしまうんだろうな。
    原作も見かけたら買おう。
    そして小泉八雲記念館の「ハーンを慕った二人のアメリカ人 ボナー・フェラーズとエリザベス・ビスランド」企画展 ラフカディオ・ハーン渡米150年記念 2019年6月27日(木)―2020年6月7日(日)
    には足を運びたいところ。

  • 悪くはないです。やたら長い訳でもなく、出演者も好演です。でも、友人に薦めるほどでもないし、もう一度見たいというものでもないです。昭和天皇と戦争責任に関心のある方は、見てみるのもよいかもしれません。

  • 敗戦後の日本の運命を決めた天皇の、その戦争責任問題。
    曖昧な日本人。軍国主義が満ちていた戦時の日本において、神として崇められていながらなに一つ権力や自由を持たない天皇が、御前会議で勇気ある降伏受諾を決めた。天皇に罪があるのか、ディボーションという言葉で国民が妄信していく様を表現。海外の人がこの映画を見たら、やっぱり日本はめんどくさい国だと思うだろうなぁ。

  • B。
    先日見たねこばんにでてた伊武雅刀が侯爵。
    マッカーサーはここでも大統領選のことをいわれてた。オペレーションクロマイトでも。
    映像がきれいだった。けど架空の人物であるアヤの描き方。留学してる設定だと進歩的なのか。いらないエピソードだとおもう。でもでれでれしてるマシューフォックスは好き。

  • 戦争映画と言うよりも太平洋戦争終結後の戦いを描いた作品。これを見終わった後にまず検索をかけたのはどの作家さんなんだろうかと?トミーリージョンズがいるということは親日だからの出演なのかと思いきや作家さんアメリカ人?すごいなぁ~

    正直これを書けること自体の驚きを感じます。

    「終戦のエンペラー」
    https://www.youtube.com/watch?v=HNli51tGCPA

    銃撃戦や戦闘シーンは無いものの気迫は十分に伝わってくる。の本の役者さんたちはきれいに演じすぎのような気がしますが、いい作品に思えます。

    天皇を戦犯にするかしないかの微妙な境界線。できるならマッカーサーの真に迫ってもらいたかった。フィリピンでの部下殺しと言うよりも見殺しにし、コネだけの男として評価の下がった元帥のその後の政界進出の野望のためにこの占領地での裁決をどこまでという感情が欲しく感じたのだが、その元帥のもと奮闘する部下を中心に描いている。

    個人的な意見なのですが、やはり夏八木さんは大好きですね~亡くなる1年前の作品。忍びながらじっくりと鑑賞させていただきました

  • まぁアリです

  • もともと大してここら辺の歴史に関して詳しくもないスタンスで観る分には楽しかった。出演陣も豪華だったしストーリーもコンパクト。

    多分この映画の一番凄いとこはこれをアメリカ側が監督して、お金を出してつくったってことなんだだろうね。それも戦争から時間が経ったからできるようになったんだろうか。今でも日本ではここまでの詳細でつくるのって難しいのかな。

    特に印象に残ったのは昭和天皇役の空気感。人間離れした、神っぽさみたいなものが滲みでてた。神と祭り上げられ、自由のないなかで、特に最後のシーンでマッカーサーとの対峙した時の雰囲気とかすごくよかった。

    友達に勧めるかっていったら多分進めないけど。そしてもう一回見るかと言われれば多分見ないけど。普通に面白いいい映画。

  • アメリカ映画であり、素直に史実ととらえることは危険。
    「フィクション」ということを強く頭に残しておく必要がある。

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