know [Kindle]

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著者 : 野崎まど
  • 早川書房 (2013年7月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (209ページ)

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knowの感想・レビュー・書評

  • 大学時代を京都で過ごし、青春の地として京都に特別に思い入れのある僕としてはこの作品がなぜ京都を舞台に選んだのか気になる。
    古都を舞台とした近未来SFストーリーと定義すればいいだろうか。今まさに進行中の情報革命がさらに発展した後の未来を描いていて、不思議なほどに立体的な光景として70年後の、しかし変わることのない京都の風景のなかで進むお話がとても優雅だった。
    終盤になるに従って増してゆく「文脈を読ませる」描き方がそう思わせていたのかもしれない。

  • 【166冊目】分からないことはすぐにググって調べる現代において、既に「知っている」ことと「ググれば分かること」の境界線はぼやけてきていると思う。その境界線がもっともっとぼやけてしまった100年後の未来の話。
    その設定が素晴らしいだけに、話の本筋を構成する中盤から後半は伏線の回収が甘々すぎて結構残念。変に神話なんか登場させないで、タイトルに忠実に「know・知ること・脳」の関係について考察すればかなり面白い話になったはず!
    井上克のススメによって購入。

  • 以前、佐々木俊尚氏の本で紹介されていた小説。すぐにKindleで購入したものの、読むのが延び延びになって、今調べたら、買ってから2年以上経ってた。。。

    で、本日読み始めて一気読み。めっさ面白い。ホンマに読んで損はしない一冊。

    本書に出てくる「電子葉」の世界は、間違いなく近い将来に出てくるだろうと思う。そこに至るまでの過程としてのGoogle Glassであり、コンタクト型ウェアラブルであり、Apple Watchであると思う。

    ただまぁ、一足飛びにそこまでは行かないだろうし、倫理的な問題なども大きく出てくるだろうから、それなりの時間をかけてゆっくりと変化していくと思う。が、ここに書かれているような世界は実現するんじゃないかな、と思う。

    そうなった時、果たして世界はどのように変わるのか。現在以上に格差社会が強化されるんじゃないか、と僕は思う。本書に書かれているのはかなり楽観的な未来であり、この世界が実現されるとはちょっと考えにくい。それよりも格差がどんどん開き続け、今よりも特権階級とそれ以下の差が大きくなっていく一方で、支配者層の非支配者層に対する偽装はより巧妙さを増して、非支配者層は支配されている事に気づかない、そういう状態が作られるんじゃないかな、と考えている。

    そして最後に出てくる「全ての情報がフラットな状態」は、確かに究極の理想の世界であり、これが完成すればイジメも国家も争いもほぼ無くなる、と言うか、そういうことをやる意味が無くなるんじゃないか、と感じる。そういう世界になって欲しいと思うが、人間が人間である以上、そういう世界はやってこないだろうな、とも思う。

    可能性があるとしたら、電子葉が実現される前にやってくるであろう(と僕が信じる)人間が労働しなくても良い世界において、一部の大天才が半ば無理矢理にそういう世界に変えていく、という方向性だろうか。本当に人間が「生きるための労働」から開放される時が来たら、更に高次元なことを考える人は出てくるだろうし、そこに大いなる未来があるだろうな。

    本書を読みながら、そんなことを考えた。

    量子葉とはすなわち、量子コンピュータを頭に埋め込んで、ネット環境からあらゆる情報を吸い出せる状態のことだと言えるだろう。そんな状態になったら、本当に人間の脳は耐えられるのか。処理しきれるのか。そう思うけど、でもそこにはもの凄い魅力があり、僕はその欲求に耐える自信はない。仮に入れられるチャンスがあるとしたら、間違いなく僕は入れると思う。

    そんな欲求の究極の存在が道終知ルであり、まさに『朝に道を聞かば夕べに死すとも可なり』を体現した存在なんだろうな。名前も間違いなくそこから来てるだろうし。

    ただ単に「知りたい」と思うこと、知識に対する欲求を持ち続けること、それを全面肯定してくれる一冊。読んでて気持ちよかった。

    星5つでも良かったのだが、そこまで知識が広がっていたら、人間が死なない方法、生き続ける方法なんかも見つけられたのではないか、あるいはもっと寿命が長くなっていたのではないか、ということだったり、ちょっと理想的すぎるかな、と思ったので、4つにしといた。が、稀有な一冊であることは間違いない。

    「死んだ後のことなんて、子供でも知ってるよ」と言えた時、人間はどう変わるのだろうか?

  • うーん、まあまあ。初野崎まどでしたが、個人的にはちょっと盛り上がりに欠けたかな。道終・知ルが出てきて、クラス*が出てきたあたりで一度盛り上がったのだが、その後は淡々とだったかなあ。
    弾道を想像できるほどの情報処理能力があったら、もうなんでもアリだろうと。有主照・問ウとの対話も想像の範疇のような感じもするんだけど。
    ラストの死後の世界とはどんなところだったのか。車椅子の少女だけど、量子葉とか言っている時代なら、病気だったりは克服してそうな。義体とかもね。
    とても読みやすいとは感じました。が、そのせいか印象が薄い。あまり感情描写が無かったからかな。人と人の対話とか感情の機微があまり感じなかったんだよな。最後に御野・連レルのモノローグがもうちょっとあっても良かったかなあ。まあ、あんなもんかなあ。
    すべてに情報材とかは、今でいうIoTだもんね。先見性はさすが。あとクラス9の情報処理能力だと、死者である道終・常イチ先生も甦らせる(あくまで想像した対応ですが)という発想は面白かったなあ。
    死後の世界すら知りたいという飽くなき知的探究心か。しかし、そこも知り得てしまったら人間はどうやって生きていくのかな・・・

  • 今作は究極の「知る」がテーマの話。野崎まどさん的なバケモノ系の作品です。ちょっとアクセルワールドっぽい。
    中盤の戦闘シーンは盛り上がりましたが、後半は少し理解が追いつかず、雰囲気だけを味わう形になってしまったのが、少し残念です。
    が、ラストとそれに続く想像力を駆り立てられるエピローグは結構気に入っています。

  • 電子葉、便利そうで良いな。

  • 軽めの文体でサクサク読めた。結末は綺麗にまとめたなという感じで予想に近いものだったけど、後悔ではなく希望の残る感じ。それより何よりエピローグが痺れる!間接的に知ルの行動が何らかの前身をもたらしたことをほのめかしていて、それが最後の1行でブワッと広がるのが心地よかった。

  • 「天才」の安売りというか、どうにも都合の良すぎる展開で、面白さを欠いていると思った。過剰なほどに説明のすぎる文章も拙いと感じた。

    まず、「先生」と「天才少女」がこの物語の核となる人物だが、2人が登場するまでの序盤が長すぎる。全体の4割ほど読み進めないと物語の核心に迫れない。その序盤も、主人公が現実世界と小説世界の違いをひたすら語るだけで、まるで説明書を読まされているような気分だった。

    また、その主人公は都合よく物事を解釈できる「この小説にとって適度に便利な」有能さをもっている。加えて、世の中をつまらなく感じてるという中二病丸出し。
    そして「先生」が言うことは常に絶対の正しさで、その正しさにただ振り回されるだけ。秀才だが天才ではない、みたいな位置づけで、後半に登場する人物たちにただ圧倒され続けるだけ。終盤に1個活躍するところはあるが、前フリが雑すぎて、読む前から展開を先読みできてしまった。

    あと、この小説世界では「クラス」という格付けがあり、暴力的な上下関係しか存在しない。日本が発展したとしても、さすがにその設定は現実味無さすぎるでしょう、とナンセンスを感じた。

    多分だけど、この小説は「真の天才は何を目指すのか」みたいな、超越的な頭脳の行く先を語りたいんだろうなあとは思ったんだけど、それ以外のリアリティを削りすぎているように感じた。
    うーん、久しぶりにつまんない小説を引いたなあ。

  • (Kindle版)
    ラノベとSFの間のラノベ寄りかな。
    多少駆け足だけど、好みに合う作品だった。
    珍しく、読み終わった後にすぐ読み返したし。

  • AR技術が進化した超情報化社会の京都が舞台。
    タイトルは「知る」だけじゃなくて「脳」にもかかっている。

    プログラミングや情報インフラという好きなテーマが軸になっていて、さくさく読んでしまった。
    扱われたテーマはフィクションではよく使われるネタだけど、こういう解は読んだことがなかった。
    お見事。

  • 久々 SF読みました。
    現代の情報化社会が、どんな発展をするか・・・

    小説の中は2081年
    人々は頭の中に(電子葉)が埋め込まれて、能力のクラス別にカーストされて、生きている。

    う~ん。人は知りたい欲求は抑えられないんだよね。
    でも 分かりすぎるとやっぱり利権がからんでくるのも人間。

    名前が読みにくかったのを引いても 結構楽しめる作品でした。

  •  身の周りのあらゆる情報を、脳に植え付けた「電子葉」からネットワークを通じて取得することにより生活が成り立つ時代。情報庁の優秀な審議官である青年が、師匠の描く、世界のすべてを「知る」ための仕掛けに協力する話。

     完全なSF的世界観かと思いきや、京都御所やイザナミ・イザナギなど古い神の話が差し込まれ、それが物語の根幹につながるという裾野の広い作品。科学者の目指す究極の目的は何なのか。主人公は最後、何を「知る」ことになるのか。世界中の事物が情報化され、人間の個性や心の内までも情報という言語に分解される中で、さらに「知る」べきこととは? 読み終われば単純なテーマだと気づかされるが、それを緻密な描写でここまで昇華させた本作に感動できた。もっと評価されてもいいと思う。

  •  未来は、電子機器の進化はどちらに向かうんだろう。
     SFはたやすく脳と世界をつなぐ。

     この本もそういう脳と世界がつながった時代のSFなんだけれども、なんというか未来と言うより、近未来。今の技術の延長線上につながるものが見えると言ったら言い過ぎか。何はともあれ、私はこれを読んでいて「圧倒的なあり得るな」感を受けていた。

     現代では個人情報の流出が懸念されている。それは特定の業者によって悪用されたり、国家や企業により恣意的に用いられることを懸念するためだ。
     自分の知らないところで自分の情報が不当に使われることを快くは思わない。知らないところで何かが行われていることに気持ち悪さを感じる。

     そして、その当たり前さで世界を見せて「わーすごい」と思わせるだけではなく、その先に手を伸ばしたところが秀逸だと思った。ただ世界を提示するだけではなく、夢というか希望というか未来というか、何らかの先につながる概念。
     小説って言うのはこういうものですよね! と読み終えて満足した。
     再読したい。

     ただ、個人的にはものすごくわかりやすかったんだけど……
    それはIT業界出身だからなのかしら。一般業界の人が読んで面白いか気になる。


    (以下ネタバレ有)
     主人公が天才ハカー格好いい!最低人間!と思うところからの転落人生なのが素敵だ。

     飛躍的に高められた演算能力により完全な未来予測が出来るっていうのは、ラプラスの悪魔的な発想だなぁと。古典数学的な。今は不確定要素が高すぎて計算出来ないカオス理論の方に進んでいる気がしていたんだけど、飛躍的に高くなれば大丈夫なのかな。つまり、人はラプラスの悪魔を超えたのか! と無駄に胸が熱くなった。

     個人的には、知識と体験の差(それこそ終盤のアレとかね)があるのだから、知っていても、予測出来ていてもその通りに身体を動かせるかが肝になってもよかったのかなぁとか。

     予測に対応できるのならば、体感は不要だし、最後についても……演算に時間が掛かっただけで、実際に彼岸に行けた訳ではないんじゃないかなぁ……と少し思う。実際に体感すれば演算は止まるので、そこまで行くと、世間に散って居る情報素子に自我を分散して……自身をクラウド化してたとかね。その設定萌える。

     電子葉で見えるのが視覚情報と書いてあるけど、実際には脳の使われていない部分が発達して、使われざる感覚……霊感じゃない意味での第六感での感覚でデータのやりとりをするんじゃ無いかなーとか妄想をしていた。
     それこそBluetuth的な通信規格とテキストとかTCP/IPやらHTTPなりのデータ型式の組み合わせで、とかね。いやでもそんなの小説に書けないだろ。いわゆるしっぽの動かし方……って言っても、私はまだ腕の動かし方を文章だけで説明された小説には出会ったことすら無い。

     ただ、日常当たり前に思うことを、当たり前に説明することっていうことすら難しいんだから、あり得ない未来を描くSFを「あり得そう」と思わせる力量は凄いなぁ。
     今の時代、RFIDもあるし、知るの意味も変わりつつあるし、ほんとにこういう未来あるかも、と思ってしまった。
     面白かった。

  • 最後のバトルはまんまテッド・チャンの『理解』みたいだった。しかしそれをもっとウェットというか繊細に描写しているように感じられた。

  • 紹介されていたあらすじが面白そうだったので、初めて野崎さんの本を読んでみました。
    カテゴリ的にはSFになるのかなぁ?
    情報化が進んだ未来の話。世界観とかがなかなか上手く出来ていて面白かったです。
    『先生』や『知ル』が完璧過ぎる感じがするけれど、総じて 最後までとても楽しく読む事が出来ました。
    野崎さんの他の作品も読んでみたいですね。

  • know。近未来の描写がなされた小説。

    内容紹介抜粋
    超情報化対策として、人造の脳葉〈電子葉〉の移植が義務化された2081年の日本・京都。
    情報庁で働く官僚の御野・連レルは、情報素子のコードのなかに恩師であり現在は行方不明の研究者、道終・常イチが残した暗号を発見する。
    その“啓示"に誘われた先で待っていたのは、ひとりの少女だった。
    道終の真意もわからぬまま、御野は「すべてを知る」ため彼女と行動をともにする。
    それは、世界が変わる4日間の始まりだった――

    攻殻機動隊の電脳のような電子葉という装置が義務化されている舞台。人はすでにネットワーク化され、検索が当たり前の世界。
    しかし、情報カースト制という考えはなかなか面白かった。クラスによって情報アクセス権限に差がある。

    途中からの情報戦描写にはちょっと無理があるのではと思ったが、そこを差し引いても十分にSF好きを満足させてくれる内容であった。
    圧倒的な処理能力のデバイスと人間の可能性を描いた作品。ぜひ興味があれば読んでみてほしい。

  • 2081年の京都。脳がネットと接続する社会。人間の脳の可能性と情報処理の可能性。電子葉の社会では最初から知っていることと,検索し調べて知ることの差がほぼなくなってしまい,特に6歳で電子葉を植えられた世代の人々は検索して調べられる事柄を「知っている」と言う。その電子葉を作った天才である道終常イチの娘,道終知ルは0歳のときに"電子葉"の次世代にあたる"量子葉"を植えられており,人類の誰もが知り得なかった世界を既知のものとする。

  • この世界観は好き。
    でも、ちょっと物足りない感じ。

  • 人はどこまで情報の渦に耐えられるのか?
    ライトな表紙と裏腹、脳髄の限界へ!

  • 良いSFでした。
    「情報」について考えさせられる良い設定。
    「最初から知っている」ことと「調べて知る」ことの差異はなくなっているし、情報を大量にあびていることにより脳は鍛えられているのは現実でも起こっている。
    「悟」ことに解する解釈とか、情報に質量のようなものがあり、大量に蓄積されたらとか考えさせられるストーリー展開。

    久々に他のSFも読みたくなり、Amazon(Kindle)のSFベストセラーランキングで読んでないものをあさってしまいました。

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